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2021年06月06日のエンタメ研究所の過去記事

6月6日(日) ※6月8日以降は『いいね』を押さないでください。
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こんにちは。
日曜日の今日は仕事のお話をお休みして、ちょっとした思い出話と、最近あった少し嬉しかったことについてお話したいと思います。
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▼ 巡り巡る物語
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今週は、絵本『みにくいマルコ ~えんとつ町に咲いた花~』が発表され、ミュージカル『えんとつ町のプペル』の情報も解禁され、何かと賑やかな1週間でした。
渋谷の CHIMNEY COFFEEに行けば、今日も【小学生以下のチビッ子】を対象に『みにくいマルコ』をプレゼントさせていただいています。
年齢確認をするわけではないので、中学2年生であろうと「小学生です!」と言い切れば、『みにくいマルコ』が貰えます。
オッサンでも、背が小さければ、「小学生です!」と言い切ることで、ギリいけるかもしれません(80%ぐらいの確率で警察に通報します)。
必要なのは「言い切る覚悟」です。
今日もチーム一丸となってエンターテイメントを作っています。
なんか海外でチョコチョコやってるし、傍から見ると「イケイケ」に見えるかもしれませんが、どっこい、内情はそんなことはありません。
まるで片付かない問題だらけで、チーム一丸となって毎日毎日頭を抱えています(笑)。
しかし、問題にぶつかる度に気づかされるのは「去年の自分が抱えていた問題のちっぽけさ」で……そう考えると成長させてもらっているのかもしれません。
「去年の僕は、なんで、あの程度のことで頭を抱えていたんだろう?」と思うことだらけなので、今抱えている問題も、まもなく「とるにたらない問題」になるのだと思います。
メディアにチャンネルを合わせると、暗いニュースや、誰かと誰かが喧嘩をしている情報ばかり流れてきます。
本質的には多くの人がそういったネガティブな情報を求めていて、多くの人が何かに怒りたがっているのでしょう。
あるいは、誰かを正論で攻撃することで、「自分がいかに正しいか?」を自分に言い聞かせている。
そこにニーズがあることは百も承知ですが、そのニーズに応えたところで、何かが大きく前進するとは思えません。
最近、「すっごくイイなぁ」と思っていることがあります。
それは、「『えんとつ町のプペルが好き』で集まる人がいる」という事実です。
「『えんとつ町のプペル』が好きってことは、あなたも、挑戦する人を応援する人なのね?」といった感じで。
「『広島カープ』が好きってことは、地元を愛し、“手作り感”を愛している人なのね?」みたいな(笑)
ファンタジー作品が「待ち合わせ場所」になっていて、そこに集まった人達同士で、互いが提供するサービスを(機能価値とは別の理由で)選び合っています。
それは、大資本の猛攻(安さ勝負・機能勝負)を防ぐことができる障壁であり、石垣であり、堀です。
その役目を担っているのが「ファンタジー」というところに、人間の創造力を感じます。
昔、一度だけユーミン松任谷由実)さんと飲ませてもらったことがあって、その時に、
「あなたの力は大きいから、正しく使いなさい」という言葉をいただきました。
その言葉はずっと胸に刺さっていて、いつも思い出します。
苦労は絶えませんが、ファンタジーを作ることで救える人がいるのならば、僕は自分の力をそこに集中したいと思います。
ところで…
そういえば、このサロンの中で「僕が生涯をかけて向き合っている宿題」について、まともに話したことがないので、今日は最後に、その話を少しだけしたいと思います。
25歳の頃にテレビの世界から軸足を抜いて、スッタモンダがありまして、絵本作家になることを決めました。
その時に考えたことは二つ。
一つ目は、「せっかく作る物語なんだから、時が過ぎても定期的に思い出してもらえるように、『日常生活で目に入るもの』に物語を埋め込もう!」ということ。
たとえば、地球で暮らす以上、12分割されている時計を見ずに生きることはできません。
そこで、『チックタック 〜約束の時計台〜』という「11時59分」の物語を作りました。
11時59分は毎日確実に2回やってくるので、『チックタック』という物語を思い出してもらえるチャンスが毎日2回やってきます。
同じ発想で「星空」に物語を埋め込めば、物語を思い出してもらえるキッカケが毎晩やってきます。
僕の絵本が「星空」が多く登場するのは、そういった事情があります。
そして、二つ目が今日の主題です。
今、思うと「25歳のクセにそこそこシッカリしてやがるな(笑)」といったところなのですが……「生涯現役」を掲げた25歳の若造は「年齢によって、求められる能力が変わってくる」と判断しました。
サッカーのフォワードで喩えるなら、40歳までが「フォワード」で、そこからザックリと10年おきに「ミッドフィルダー」「監督」…となっていくイメージです。
人によっては「40歳からの仕事は、40歳までに築いた人間関係の掛け合わせだ」と表現する人もいます。
「25歳の僕に求められているのは『種を撒くこと』で、それを形にしていくのは、もっと大人になってから!(もっと人間関係を築いてから)」と判断し、25歳から約1年ほどを費やして、「一生をかけて形にしていく物語」を描いてみました。
描いたのは物語の詳細というよりも、「物語の骨組み」ですね。
詳細をつめるのは、後から。
えんとつ町のプペル』は世の中に出る10年前から「プロット(ザックリとしたストーリー)」があったのです。
ちなみに『えんとつ町』があるのは、オリオン座の三ツ星の下にある【オリオン座大星雲(M42)】の中にある「地球によく似た星」です。
天体に詳しい人ならご存知だと思いますが、【オリオン座大星雲】は厚いガス雲に覆われています。
もちろん『えんとつ町』の仕業です。
25歳の生意気盛りの若造は、ギリシャ神話を読んで、「この程度なら小指で書ける」という感想を持ち(※今も思ってます)、もう誰も追いつけないような「星めぐりの話」を書くことに決めました。
僕の絵本の物語は全て繋がっていて、このまま順調にいけば、5〜6年後から伏線回収に入ります。
一昨日、次々々々回作(たぶん4年後とかに出る!)の絵本『えんとつ町のプペル ~オリオンの約束~』を書いていたのですが、なんかイイ感じの物語になりそうです。
というわけで、物語の冒頭部分のプロットだけをサロンメンバーさんに共有しておきます。
「最近あった少し嬉しかったこと」というのは、絵本『えんとつ町のプペル ~オリオンの約束~』の冒頭部分がイイ感じの滑り出しを見せてくれたことです。
世に出るのは4年後とかなので、内緒にしといてもらえると嬉しいです。
文字通り“命を懸けて(一生涯をかけて)”エンターテイメントを作っています。
25歳の頃に、人としての幸せはいろいろ諦めましたが、それと引き換えにいただいているギフトがたくさんあるので、これ以上の贅沢は言いっこ無しです😊
まだ、そんなこんなで長い付き合いになりそうですが、今後とも宜しくお願いします。
 
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