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2021年06月25日のエンタメ研究所の過去記事

6月25日(金) ※6月27日以降は『いいね』を押さないでください。
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おはようございます。
たった今、大阪市さんと心中することに決めたキングコング西野です。
さて。
今日は「ブランド町(まち)を丁寧に作る」というテーマでお話ししたいと思います。
次の世代に繋げる準備でもあり、最近はなんだか死ぬスタンバイをしているような雰囲気もありますが、100歳まで生きます。
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⭐ 「名前」という呪い
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ミュージカル『えんとつ町のプペル』には「ベラール」という名のオリジナルキャラクターが登場します。
ちなみに、「ベラール」という名前を聞いてどんなキャラクターを想像しましたか?
きっと、「悪者」を想像されたと思うのですが、その通り、「ベラール」は悪者です。
脚本を書いていて、毎回面白いなぁと思うポイントは、「名前によって行動が決まる」という部分です。
「ベラール」という名前を付けたら最後、行動の選択肢は「ベラールっぽいコト」で埋まります。
あの「ベラール」が、お婆ちゃんを助ける時は、そこに何らかの理由(物語)が必要になってくるのです。
ストーリーを作る前に先にキャラクターの名前を付けちゃうと、自分では想像しない方向にストーリーが展開していったりするので、けっこう面白いです。
「名前」というのは呪いや理念や役職のようなもので、僕らの行動も「名前」に引っ張られてしまうことが少なくありません。
それでいうと会社名を『CHIMNEY TOWN』にしたのは正解だったなぁと思います。
会社名が「町の名前」なんです。
「株式会社大阪市」みたいな、変なことをやっちゃってます。
「ウチは【会社】じゃない!【町】だ!」と言っているわけですが、僕らは無意識のうちにこの名前に結構引っ張られています。
『株式会社にしのあきひろ』だと、「トイレットペーパーを作ろう!」とはならない(思いつきもしない)のですが、「町にはトイレットペーパーが必要だ!」とは、なる。
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⭐ キメラ
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時代の変化を捉えていない人にとっては、今は結構、厄介な時代です。
これまで追い求め続けていた「品質」は、コピーされ、世に溢れ、その価値を失ってしまいました。
「美味しいだけの料理」や「上手いだけの絵」が徐々に売れなくなってきています。
そこに、理由や物語が求められているわけですね。
ただ、「美味しいだけの料理」や「上手いだけの絵」って、凄いじゃないですか!
何年もかけて、ようやく手に入れた能力なわけで、これを「もう用済みです。サヨウナラ」とは言いたくない。
どうすれば「上手いだけの料理」や「上手いだけ絵」が世に届くかなぁ?……と毎日考えています。
こと、絵(イラストレーターさん)に関しては、今、「①技術」と「②人気モチーフ」の二つが求められています。
この二つを兼ね備えていないと、なかなか売れないんですね。
蜷川実花さん(https://salon.jp/mikaninagawa
)が写真家として最強すぎるのは、圧倒的な技術もさることながら、モチーフ(あの花の感じ!)を押さえているところで、その両方を持ち合わせているバケモノ(キメラ)なんて、なかなかいません。
※キメラ=ギリシャ神話に出てくる獅子と牝山羊と竜蛇の三つの頭をもつ合成怪獣。
ヒドラ(水蛇)あるいはエキドナ(蛇女)あるには蜷川幸雄(鬼)の子。
そんなキメラみたいな生き物しか生きられない世界なんて、厳しすぎるじゃないですか?
「人気のモチーフは持っていないけど(あるいは、モチーフを持ってはいるけどまだ人気になっていない)、技術は誰よりもある!」という人だって生きられる世界の方がいい。
そんなことを考えながら、けんすうサンが作った『elu』(画像が販売できるサービス→https://elu.jp/
)を触っていたら、「そういえば、絵がものすごーく上手いイラストレーターさん(※CHIMNEYTOWNが公認した人)に、『えんとつ町のプペル専用アカウント』を作ってもらって、そこで『えんとつ町のプペル』のキャラクターを描いて販売してもらって、売り上げを折半すれば、ものすごーくイイ形でイラストレーターさんを応援できる」と思いつきました。
こういう感じの応援を、もっともっと広い範囲でやれるといいなぁと思って、この度、『CHIMNEY TOWN』のホームページを作りました。
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⭐ 昨日からスタートしたよ
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結局のところ、現代で商品・サービスを届けようと思ったら「品質以外のバリューをいかに創造するか?」という話になってきちゃいます。
インフルエンサーに応援してもらう」というのは一つの手としてあるのですが、インフルエンサーは老いるし、そのうち死ぬので、そこにいつまでも“おんぶに抱っこ”ではいけません。
ご多分に漏れず西野も死にます。
そう考えると、10年後も50年後も100年後も、挑戦する人を応援し続ける為には、人が足を運ぶ「町」を作るしかなくて、いつか消えてなくなる個人の影響力は、その町のブランド化に捧げた方が良さそうです。
CHIMNEY TOWNのホームページには、CHIMNEYTOWNがコラボしている商品がズラリと並んでいます。
ただの商品紹介ページだと誰も寄り付かないので、どこかのタイミングでアメブロを卒業して、西野の毎日の記事(全国のママさんに手伝ってもらってるよ)をCHIMNEYTOWNのホームページに完全にお引っ越ししようと思います。
ここには、スタッフの記事(ちゃんと読みごたえのある記事)も投稿できるようになっていて、僕の影響力をCHIMNEYTOWNや、次の世代のスタッフに徐々に渡していきます。
20年後は(そもそもホームページというものが生き残っているか知りませんが)、次の時代のスタッフがこの場所を引っ張っていく形になるといいと思います。
まだまだ小さいですが、ネット上に(人が来てくれる)町を丁寧に作りましたので、一度、覗いてみてください。
今後も、頑張っている人が、(いつまでも)ちゃんと食っていける環境を作っていきたいと思います。
現場からは以上で~す。
 
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