西野亮廣のエンタメsalon

西野亮廣エンタメ研究所の過去記事を中心にアップしてます

2021年07月09日のエンタメ研究所の過去記事

7月9日(金) 7月11日以降は『いいね』を押さないでください。
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おはようございます。
ロサンゼルスのホテルに缶詰で仕事をした後、ラスベガスに移動して、ラスベガスのホテルで缶詰で仕事をすることになっているキングコング西野です。
ここで、皆さんの気持ちを声に出して代弁してみます。「それなら、東京でいいだろ」
さて。
今日は『西野先生、いよいよ鬼モード』というテーマでお話ししたいと思います。
今日は、とにかくバッキバキの西野先生が「コロナ禍におけるイベントの正しい打ち方」について真面目に語ります。
話の軸は「コロナ禍のイベント」になりますが、あらゆるプロジェクトを仕掛ける際の基本姿勢みたいな話っす。
参考にしてみてください。
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▼ とにかく「負け」を全力で回避しろ
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勝負に出る時は、まず最初に「クリアしなきゃいけない事柄」の優先順位をチームの皆と共有しておいた方がいいと思います。
僕の場合は以下の通り↓
① 負けない
② メチャクチャ勝つ
③ 勝つ
…ビックリするぐらいシンプルです。
「メチャクチャ勝つ」よりも、「負けない」の方が僕の中では遥かに重要度が高いです。
負けたら、そこで終わるからです。
これは、皆さんも同じだと思います。
「勝つ」なんて後回しでいいので、「負け」ちゃダメなんです。
僕はいつもそう。
2020年以前から、このサロンに入ってくださっている方はご存知だとは思いますが、『映画 えんとつ町のプペル』の広告戦略で、僕らがまず最初に議論したのは「どうすればヒットするか?」ではなく、「どうすれば大ゴケしないか?」でした。
その時の姿勢を箇条書きにすると、こんな感じ↓
⭐︎「作ったけど、ヒットしなかったね」はウンコ。
⭐︎「アタリorハズレ」の“博打スタイル”を徹底的に否定する。
⭐︎博打を仕掛けるリーダーは大ウンコ。
⭐︎メガヒットを狙うのは後回しで、まずは、次回作につなげられるぐらいの興行収入(約10億円)を確実に取る。
⭐︎「負けない為には何をすればいいのか?」を徹底的に議論し、地雷を片っ端から潰す。
⭐︎「アタリ」と「ハズレ」を同一線上に並べず、別物として捉え、
「アタリ」の確率が上がらなくても、「ハズレ」の確率をゼロにする。
⭐︎大ヒットを狙うのは、それからだ!
『映画 えんとつ町のプペル』は、これまでの打ち手を総動員して、前売りチケットをかなり早い段階から販売していました。
認知を獲得していない僕らにスマッシュヒットは期待できないので、長い時間をかけて前売り券を販売し、そのおかげで、映画公開の時点(2020年12月25日)では、「大ゴケ」の可能性は限りなくゼロになっていました。
その時の西野の口癖は、「今の立場で博打は絶対にしない。確実に負けない手を打つ」です。
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▼ イベント屋はコロナ禍でどう戦えばいいのか?
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コロナちゃんが襲ってきた頃(2020年1月〜2月頃)と違って、今は、「第2波」「第3波」と感染者数が波うつことも分かっているし、政府が機能不全を起こしていることも分かっているし、マスコミが不必要に不安を煽り、その結果、いろんな横槍が入ることも分かっています。
感染者数が爆発すればイベントを中止するか、無観客でおこなわなきゃいけないことぐらい、去年の夏前には全人類が分かっていたハズです。
ここにきて、東京五輪の「無観客開催」が決定して、五輪まわりがワタワタしていますが、「無観客開催」になる可能性があることは去年の時点で分かっていたわけです。
五輪の運営リーダーは「負けない」を最優先し、「無観客になる前提」でイベントを組んでおく必要があります。
無観客になっても、採算がとれるようにしておくと、迷わず無観客にシフトチェンジできるので、国民の安心安全を優先できます。
「無観客じゃないと、こんな映像は撮れないよね。こんなセットは組めないよね」という準備(コロナを逆手にとる方法)を進めておく必要があります。
ちなみに今だから言えますが、『映画 えんとつ町のプペル』は「YouTubeで全編世界同時配信」の選択肢もギリギリまで残していました。
コロナで身動きが取れなかった時に切ろうとしていたカードです。
「今ばっかりは、映画をYouTubeで公開する大義名分があるじゃん(笑)」とスタッフに説明して、ドン引きされた西野先生。
相変わらず絶好調でございます。
昨日、プロデューサーのセトちゃんのオンラインサロン(https://salon.jp/setochan
)で、「ミュージカル『えんとつ町のプペル』は西野さんと、美術の佐藤さんがノリノリになっちゃって、ステージが大きくなってしまい、客席が少なくなってしまい、予算が大ピンチです」と泡吹いていました。
アシスタントプロデューサーの小野さんも「打ち合わせで、舞台セットをドンドン大きくしていく西野さんと佐藤さんに殺意を覚えました」と(笑)。
西野亮廣が舞台を作るなら、舞台セットからガッツリと作るに決まっていて(プロジェクション・マッピングで誤魔化さない)、客席が少々潰れることぐらい、西野の中では折り込み済みです。
問題は、折り込み済みなのは「西野の頭の中だけだった」ということぐらい。
ただ、「ステージを大きくしたせいで、これまで以上に、チケットの売り上げで製作費を回収する難易度が上がった」というのはコロナ禍においては結構イイコトだと思っていて、裏を返せば、「無観客開催になった時の被害(ギャップ)が少ない」と言えます。
1億円を見込んでいた売り上げがゼロになるのと、
1000万円を見込んでいた売り上げがゼロになるのとでは、チームの生存確率が変わってきます。
コロナ禍におけるイベント屋の基本姿勢は「チケットの売り上げに体重を乗せない」です。
チケットの売り上げに体重を乗せれば乗せるほど、客席を確保すればするほど、負ける確率は上がるので、“コロナ禍では”それはやらない。
気をつけなきゃいけないのは、「僕らの想像は、最初に設定した枠を超えない」というコトです。
つまり、「チケット代で回収する」という枠を決めてしまうと、「なるべくチケットを売ろう」という思考の鎖が解けることはないという話です。
早い話、(オフラインの)チケットの売り上げなんて、「プラスα(おまけ)」程度に考えておいて、チケット以外の部分で製作費を回収できるようにしておけばいいと思います。
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▼ 西野先生、鬼モード
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ここまでは分析です。
んでもって、僕は分析屋じゃなくて、芸人です。
誰よりも実行する人間です。
ここでガタガタ語っても仕方ないので「こうやって、やるんだぜ」というところを11月までに具体的にお見せしていきたいと思います。
手始めに、公演初日の前夜に、原作・脚本・演出を務めます私、西野亮廣が、ファミリーミュージカル『えんとつ町のプペル』の“見どころ”と、ここに至るまでの苦労を語る配信を、本番セットからお届ける『オンライン前夜祭 ~ファミリーミュージカル『えんとつ町のプペル』はこうして生まれた~』を配信します。
このオンラインイベントのチケットの売上枚数と、売上金を、定期的にサロンメンバーの皆さまに共有するので、「なるほど、こういう積み重ねで死亡確率を減らしていくのね」ということをお伝えできると嬉しいです。
ここから11月までの西野先生のバッキバキぶりを、ちょっと見ておいてください。
ちなみに、添付した「視聴権」のトップにある画像が本邦初公開のファミリーミュージカル『えんとつ町のプペル』のミニチュアセットです。
絶対に負けない戦い方をお見せします。
現場からは以上でーす。
 
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