西野亮廣のエンタメsalon

西野亮廣エンタメ研究所の過去記事を中心にアップしてます

2021年07月17日のエンタメ研究所の過去記事

7月17日(土) ※7月19日以降は『いいね』を押さないでください。
━━━━━━━━━━━━━━━━━
おはようございます。
コロナ禍でコンガリ日焼けしている珍しい日本人ことキングコング西野です。
さて。
今日は『プロセスエコノミーの小技』というテーマでお話ししたいと思います。
世間的には、まだまだ「プロセスエコノミー? 詐欺?」みたいな雰囲気があるかもしれませんが、そこは一旦無視して、その先の「小技」についてお伝えします。
━━━━━━━━━━━━━━
▼ 技の話をする前に
━━━━━━━━━━━━━━
技の話をする前に、(もう何度もお伝えしていますが、何度も忘れられてしまうので)あらためて大切な話をしておきたいと思います。
僕とガッツリとお仕事をしたことがある方なら、ビッキビキにご存知だとは思いますが、僕は、基本、朝から翌朝までアトリエに籠っています。
アトリエでは、絵を描いたり、物語を作ったり、曲を作ったり、演出プランをウネウネと練ったりしております。
うっかりハンサムなので、ついつい忘れてしまいますが、世界トップクラスのオタクです。
「職人」を名乗っている人で、僕より仕事に時間を割いている人(生活を捨てている人)に出会ったことがありません。
ただ、どれだけ頑張って作品を生んだところで、お客さんに届かなかったら、せっかく生まれた作品が可哀想なので、アトリエにいる時間の1割ほどを「作品を届ける時間(育児)」に充てています。
キングコング西野の世に出ている部分は、この「作品を届ける時間」の部分(1割の方)です。
「パソコン画面を眺めながら7時間ピクリとも動かない西野」は、世間の皆様の知るとこではありません。
アトリエにいる時間の1割を使って「作品って、そうやりゃ届くのかな?」と考え、実践してみると、時々上手くいくことがあって、それが世間のイメージになります。
「届けるのが上手い人」です。
なので、「どうすれば私の作品は売れますかね?」という相談を受けることが少なくないのですが、相談者(クリエイター)さんの作品が世に出ていない理由の99%はシンプルに「作品のクオリティーが低い(努力不足)」です。
サロンなので腹を割って話すと、「なんでイラストレーターなのに、西野よりも絵が下手なのですか?」というイラストレーターさんや、「なんでライターさんなのに、西野より文章が下手で、西野よりも本を読んでいなくて、西野よりも知識がないのですか?」というライターさんは少なくありません。
相談を受けた以上は本気で向き合うべきだし、おそらく、まわりにいる人は自己保身から言ってくれないと思うので、そういう時の西野は正直にお伝えします。
「現時点では、『ウンコをどうやって売ったらいいですか?』という相談になっちゃってるので、今お持ちの『ウンコ』は一旦捨てて、まずは、ちゃんと『作品』を作りましょう」
これを言うと「ヒドイ!」と怒られたりもするのですが、そもそも1000人に一人、1万人に一人しか生きていけない世界に首を突っ込んだのはテメエです。
ウンコの販売に時間と広告費をブチ込んで、借金と在庫を抱え、もう取り戻せない「若い時間」を失うことの方がクリエイターにとっては損失で、相談にのった以上は、その大事故を回避するように努めます。
西野が、激モテハンサム優男なのは「言いっぱなしにしない」というところで、「お前と、お前のまわりが『努力』と呼んでいるものはハナクソだよ」という現実をお伝えした後、1対1であろうが、朝までトコトン付き合います。
マーケティングなんて、最後の「味付け」です。
クリエイターは「クオリティー」から逃げてはいけません。
━━━━━━━━━━━━━━━━
▼ プロセスエコノミーもそうだぞ!
━━━━━━━━━━━━━━━━
「制作過程を販売する」「制作過程を共有して差別化を図る」でお馴染みの『プロセスエコノミー』ですが、「勘違いしちゃダメだよなぁ」と思うことが多々あります。
言われているのは、「あらゆる商品(サービス)の品質が上がり、均一化されちゃったら、【完成品】で差別化を図ることは難しいかから、【プロセス】で…」であって、「品質が高い」が大前提です。
「ウンコ」のプロセスなんて1円にもなりません。
『プロセスエコノミー』は「弱者の為の打ち手」ではあると思うのですが、勘違いしてしまう人が出る前に、ここで、ちょっと整理しましょう。
① 「弱者」と「頑張らない人」は違う。
② 「クオリティーが高い」は大前提。
③ ただし、最初からクオリティーが高い人なんていない。
④ そして、「予算で上げられるクオリティー」はある。
①は本当に気をつけた方がいいと思います。「弱者面(づら)して、サボっているだけの人」は少なくなくて、『プロセスエコノミー』は、その人を救ってくれる魔法ではありません。
やっぱり「クオリティー」は追い求めなきゃいけないし、また求められます。
ただ、最初からクオリティーで大手に敵うわけがないので、その時に、「プロセスを販売して、製作費を補填して、大手と戦えるクオリティーまで持っていく」という打ち手をとる。
「完成品のクオリティーも負けている」&「そもそも商品(サービス)のクオリティーを向上させる為の努力もしない」の人が、「今の時代はプロセスの販売やでっ!」と言ったところで、どうにもなりません。
このあたりはキチンと整理しておかないと、痛い目に合うと思います。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
▼ そんなこんなでプロセスエコノミーの小技
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
今日は最後に、「プロセスエコノミー歴」がかれこれ10年になろうとしているキングコング西野が「この技、結構、使えるよ」というマメ知識を皆様に共有したいと思います。
それは、「プロセスを共有している相手にサプライズを用意しておく」です。
ありがちですが、メチャクチャ効きます(笑)
このサプライズは、“プロセスを共有していない人”よりも効きます。
何故なら、プロセスを共有している人は、プロセスを散々見てきているので、完成品の予想がついているからです。
「もう全部知ってますよ」といった調子でお越しになられます。
そこ、メチャクチャ狙い目です(笑)
娘のピアノの発表会を観に行った時に、ステージ上で娘が、パパとママが知らない曲を突然弾き出したら、パパとママは腰を抜かすでしょうが、パパとママ以外は腰を抜かしません。
それは、プロセスを見てきた人と、見てきてない人の違いです。
「プロセスを共有している」は、逆手に取るには、もってこいで、プロセスを共有した相手に最後にそんなサプライズを少し用意しておくと、キュンです!
連日、ミュージカル『えんとつ町のプペル』の話をしていますが、僕が皆さんに全部喋っていると思いますか?
そんなわけないじゃないですか(笑)
こちとら稀代のエンターテイナーですよ。
もちろん身内も騙します😁
現場からは以上でーす。
 
▼オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』入会はこちら ↓↓↓