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西野亮廣エンタメ研究所の過去記事を中心にアップしてます

2021年07月22日のエンタメ研究所の過去記事

7月22日(木) ※7月24日以降は『いいね』を押さないでください。
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おはようございます。
1日3食のホテル隔離生活で絶対に太っちゃうキングコング西野です。
さて。
今日は『クリエイターのベーシックインカム』という話をしたいと思います。
「ああ、もう、西野君ったら、バッキバキにスイッチが入ってるじゃない💗」というエロイお姉さんの感じで受け止めていただけると嬉しいです。
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▼ 船底には穴が空いている
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昨日投稿した記事に書いたことが僕の本音です。
(※まだ昨日の記事を読まれていない方は先に昨日の記事を読んじゃってください)
現状、「プレイヤー」よりも「批評家」の取り分の方が大きく、かつ、高齢化が進んだ国(日本)では、何の生産性もない「タレントの不倫の私刑」や「挑戦者のあげ足取り」などに、人と広告費が集まります。
そこに参加することに新たな知識は必要としませんし(=自分が無知を受け入れなくて済むし)、自分よりも不幸な人間を見ると安心できるからです。
人口が減り、高齢化が進み、新たな輸出品を開発せず、どんどん貧しくなっていっていることは皆、気づいています。
船底に穴が空いていることは、もう皆、知っています。
ですが、見て見ぬフリなのか、はたまた「自分の世代だけでも逃げ切れればイイ」と思っているのか。
それは、彼らがかつて批判した「変化を拒み、衰退してく地方の町」のようです。
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▼ 未来を信じている
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「ギフテッド」と呼ばれる子達がいます。
一般的には「高い知性や、高い倫理観や正義感を持ち合わせている子」と言われていますが、
アスペルガー症候群と共通する特徴もあったりするので、学校(社会)に上手く馴染めない子が少なくありません。
僅かですが、個人的に、コッソリと支援させていただいています。
ラスベガスでもギフテッドの高校生と2時間ほど話し込んで、ものすごーく仲良くなりました。
「社会に上手く馴染めない」と彼らは言います。
学習スピードが周囲と違いすぎるので、彼らはいつも苦しんでいます。
「エリートぶりやがって、鼻につく!」と思われている子もいるでしょう。
ですが、
僕が知っている限り、彼らは極めて論理的です。
理論の穴を指摘すると、すぐに算盤をはじき直し、間違いに気がつけば“感情そっちのけで”で改善にあたります。
彼らが興味を持っているのは「最適解」なので、まさか論破などには走りません。
「どうすればいいかな?」と彼らから相談されては、「こうで、こうで、こうすればイイんじゃね?」という議論を延々と繰り返しています。
「でも、西野さん。それだと、ここで躓くよ」と指摘されることもあります。
議論の目的は「明るい未来の獲得」で、「あらゆる問題には答えがある」と信じている彼らは、とても純粋に未来を信じています。
仕事柄、子供達と接することが少なくありません。
(株)CHIMNEY TOWNは定期的に学生インターンをとっているので、大学生と議論することも少なくありません。
いろんな大人がいる中、わざわざ僕なんかを選んでくる子達は、皆、世界を面白くしようとしています。
他人の挑戦のあげ足をとり、嘲笑うことを面白がる子達は、そもそもキングコング西野の元には来ません。
僕には、彼らに未来を見せる義務があるし、
チャンスを与える義務があります。
もちろん、日本の…とくにエンタメまわりの現状を放ったらかしにするわけにはいきません。
少しずつ、でも確実に、手を打つ必要があります。
では、具体的に何をするか?
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▼ クリエイターのベーシックインカム
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僕たちは議論しなくちゃいけません。
海外にうって出る日本人クリエイターが少ないのは、日本人の才能が不足しているからなのか?
それとも、
日本人の才能を活かす(生かす)システムが組まれていないからなのか?
世界中でいろんなエンタメを見させてもらっていますが、どう見積もっても後者です。
当たり前ですが、「食っていけない仕事」は続けられません。
次に、クリエイティブを続けようと思ったら、「クリエイティブが続けられるパッケージ」に落ち着いてしまいます。
たとえば、『舞台』の場合だと、「旬のイケメン」や「アイドル」をキャスティングすることで、チケットを捌き、売り上げを確保します。
それは作品の面白さを追求した「クリエイティブの最適解」ではなく、「続けていくためには、そうするしかないんだもん」です。
あと、自分が脚本を書く人間なので、すご〜く、よく分かるのですが、
「脚本」は作品のコアになる部分なのに、「脚本執筆」のコスパってメチャクチャ悪いんです。
数ヶ月、下手すりゃ数年がかりで書き上げたところで、入ってくるお金は雀の涙程度。
YouTubeで雑に時事ネタを斬っていた方が、よっぽど儲かるんですね。
そりゃ、そっちに走る人が増えます。
甘く聞こえるかもしれませんが、まずは「食っていける」という状況を作ってあげないと、純粋なクリエイティブは生まれません。
これは、もう、ルネサンス期から1万億回ぐらい言われているクリエイティブの現実です。
ルネサンス期は「メディチ家(超金持ち)」が、アーティストのパトロンとなり、生活を保証し、作品制作に集中させていました。
つまり、クリエイター(アーティスト)のベーシックインカムがあったわけですね。
そして、それらの生活支援があった作品が後世に残り、大きな価値を生んだ。
先日、CHIMNEY TOWN USA代表の瀬戸口が、「役者さんの気持ちも勉強したい」とか何とか言って、スナック『CANDY』で2日間限定の舞台をおこなったそうです。
スナック『CANDY』は、「えんとつ町の中にあるスナック」で、絵本や映画にも出てきます。
そこで、おこなわれた舞台も、やはり「えんとつ町で起きた物語」です。
「スナックで開催される舞台」だと、キャパの都合上、どれだけ素晴らしい作品を生もうと、収益に期待ができません。
ですが、
そこで生まれた作品が、
果ては大きな舞台や、
絵本や、
映画に発展する可能性は大いに秘めているわけで……タレントの不倫を斬っている評論家の仕事よりも、はるかに生産的です。
こういった活動が続いた方がイイし、「僕も作ろう」と思う次代の才能が増えた方がイイので、とりあえず、「瀬戸口が仕掛ける【えんとつ町の物語】の新作」には、毎回、僕のポケットマネーから10万円あげることにします。
脚本&演出家さんの生活費の足しにしてもらって、キャストさんの打ち上げ代の足しにしてもらえればいいです。
このそとはまだ瀬戸口に伝えていませんが、このサロン記事を業務連絡とさせていただきます。
批評なんか後回しにして、どんどん作品を作って欲しいです。
クリエイターが食っていける世界を作ります。
現場からは以上で〜す!
 
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