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2021年07月23日のエンタメ研究所の過去記事

7月23日(金)7月25日以降は『いいね』を押さないでください。
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おはようございます。
ホテル隔離中に始めた「踏み台昇降ダイエット」でゴリゴリに筋肉痛になっているキングコング西野です。
さて。
今日は、『石橋を叩かずに渡ってうっかり崩れ落ちる現場をリポート&販売する西野と、他人が渡った石橋を渡って商売をする人』というテーマでお話しをしたいと思います。
もうタイトルからお察しだとは思いますか、「何を売るか?」という話です。
「どっちのやり方が正しい」というわけじゃなくて「、双方のやり方を理解しておくと、面白い展開が待っているかもね」という話を、実例を交えてながら、お話ししたいと思います。
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▼ スクショした画像を限定販売できるサービス『elu(える)』が面白い!
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サロンメンバーさんなら、ご存知かもしれませんが、スクショした画像を限定販売できる『elu(える)』というサービスが今、メチャクチャ面白いです。
個人的には『おもしろW E Bサービス 2021』のグランプリ最有力候補です。
このサロンでも再三お伝えしているとおり、「インフルエンサー」の時代は遅かれ早かれ終わり、「自社製品を持つインフルエンサー」の時代が確実にやって来ます。
たとえば、YouTuberのヒカルさんは、もう、「自分で商品を開発して、自分で売った方が、YouTubeの再生回数を回して広告費を貰うよりも、全然、取り分が大きいじゃん」ということを、身体が覚えちゃったと思います。
たとえば、YouTubeの広告単価が1再生「0.3円」だとしたら、100万回再生して、ようやく30万円です。
一見すると夢のある仕事のように聞こえますが、動画の売り上げがメインになっていて、かつ、チーム(会社)として動いている場合だと、1動画あたりの売り上げが「30万円」だと、ビジネス的には「負け」です。
ぶっちゃけ売り上げはどうだっていいのですが、それよりなにより、「『100万回再生するネタ』を提供し続ける」が表現者のリスクになっちゃうケースがあって……当然、多くの人が理解できる内容に加工しなきゃいけないので、新しすぎることはできないし、エッジの効いた発信はできない。
よっぽど上手く設計しないと、まもなく無味無臭の「替え効く人」になってしまう。
長期スパンで見ると、「負け」です。
基本、ほとんどのインフルエンサーの活動は1億2000年前から詰んでいます。
先日『スナック西野』にYouTube講演家の鴨頭さんが来てくださって(放送はまだ先です)、そこで、「『YouTuberとしての寿命は3年』という前提で、YouTubeの活動を本格化をさせました」というお話をされていました。
「続くわけないじゃないですか(笑)」と。
その調子で、今、早いインフルエンサーから自社製品の開発&販売にシフトしているわけですが、「販売代行」はスッとばすにしても(販売は自分でできる)、「販売する場所」は必要だったりします。
「駅前の物件」だったり、「メルカリ」や「B A S E」だったり。
後者の場合は、もはや『手数料』との勝負で、「ベラボーに手数料を取られるのであれば、自社で販売サイトを開発しよう」となるわけですが、eluの手数料は「6.8%」なんです。
そもそも「使い勝手の良いWEBサービス」なんて簡単に作れませんし、
手数料が6.8%なら、自分で作るよりも、乗っかった方が安い。
手数料6.8%はメチャクチャいいラインで、僕が、けんすうサン(eluを作った人)なら、「まだ競合が動き出していない今のうちに市場を取りきっちゃおう!」と考えます。
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▼ 石橋を叩かずに渡ってうっかり崩れ落ちる現場をリポート&販売する西野と、他人が渡った石橋を渡って商売をする人
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僕らのチームでは、eluの活用はかなり進んでいます。
たとえば、昨日、僕がスタッフさんに送った LINEは以下の通り↓
「『映画 えんとつ町のプペル』のDVDのパッケージデザインのボツになった方の画像をeluで販売したら、パッケージデザインに充てる費用や、DVDの宣伝費をまかなえると思うので、製作委員会の方で話し合ってみてください」
本来ならゴミ箱に捨てられていた“D V Dのボツデザイン”の販売で、D V Dの製作宣伝費を回収しよう…というものです。
希少価値で考えると、世の中に出回る「採用デザイン」よりも「ボツデザイン」の方が高いわけで、「ボツデザインの方が完成品よりも単価が高くなるんだから、完成品を売って製作費を回収するよりも、ボツデザインを売って製作費を回収する方が、よっぽどコスパが良いよ」と西野先生。
この提案は、おそらく通ると思います。
それは、僕と吉本興業だったり、僕と東宝さんだったり、僕とstudio4℃さんとの関係があって、あとは、吉本興業の担当者さんが本当に上手くまとめてくださるからです。
積み上げた信頼の上で「面白そうだし、やってみようか」となるわけですが、、
これ……おそらく、他の人が(そのあたりの大手を絡めて)やっちゃうと、ストップがかかると思います。
「販売した画像が悪用されたら、誰が責任をとるんですか?」
です。
なんとなく、想像できますよね?
結局、誰か一人が大声でN Gを出しているわけではなくて、関係人数が増えると、責任の所在がボヤけてきてしまって、全体の空気で「なんとなく、やめておこう」となります。
ここで、「どうなるか分からないけど、面白いし、とりあえずやってたらイイじゃないか!」と言うのは、ちょっとズルイ(ポジショントーク)と思っています。
それが言えるのは、西野のように「過程を販売する土壌が整っている人(=失敗している姿すらもマネタイズできる土壌が整っている人)」であって、世の中のほとんどのサービス提供者さんは失敗を販売できません。
石橋を渡っている人を確認してから石橋を渡るのは、至極真っ当な生存戦略です。
これは、eluに限った話ではなく、面白いサービスを作られる全ての人に言えることだと思うのですが、情報感度の高い人や、「面白い」に飛びつく人(飛びつける人)が面白がるサービスを作りつつ、
「石橋を渡っている人を確認してから石橋を渡らなきゃいけない人」にも全力で寄り添ってあげることが大切だど思います。
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▼ eluの場合だと?
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ならば、eluの場合だと具体的にどうすればいいのか?
ちょっと考えてみました。
「面白そうだけど、触れない」という人がブレーキを踏んでいる理由は、やっぱり、「販売した画像を、いろんなところで使われて、変な感じになっちゃったら、どうしよう?」というところだと思います。
N F Tのようにブロックチェーンで「画像の所有者」を管理しているわけじゃないので、商用利用じゃないにしても、変な使われ方をすることはありえるんですね。
今は「ファンの方を信じる」というところで成り立っていますが、大手企業はそれではO Kは出せない。
もっと明確な(誰でもわかる)「コピーガード」がないと、会議で話が通せないんですね。
というようなことをモロモロ踏まえたら、答えはシンプルで…
クリエイター(画像を出品する側)が『パネル限定販売』『ポストカード限定販売』を選べるようにすればイイと思います。
つまり、「作品によっては、画像は買えなくて、パネルしか買えない」という状態を作っちゃう。
「フィジカル(紙)に落とし込む」が一番のコピーガードなので、これだと『グッズの販売』と同じ建て付けなので、会議で話が通しやすくなる。
W E Bサービスの会社が一転、印刷会社みたいなノリになっちゃいますが、このチャネル(流入経路)を持っておいた方が、W E Bサービスとしては強いと思います。
こんな試行錯誤もひっくるめて、今、eluがメチャクチャ面白いです。
「自分が経営者だったら、どうするかな?」と考えながら、サービスを触ったり、お店を利用するのは、イイ筋トレになるので、癖として持っておいた方がイイと思います。
そして、その癖を持ち合わせた上で、成熟する前の「なるべく若いサービス」に立ち会うと、すっごく勉強になるよ〜!
現場からは以上で〜す。
 
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