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2021年08月03日のエンタメ研究所の過去記事

8月3日(火) ※8月5日以降は『いいね』を押さないでください。
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おはようございます。
対応の遅さを叩かれまくっている菅総理に対して、「70代のわりにはスピードが出ている方かもしれない」と発言したところ、「70代をバカにしているのか!」というお叱りのコメントをいただいたのですが……「いくら差っ引いても、さすがに70代のスピードは遅いよなぁ」と思っているキングコング西野です。
さて。
今日は「サービス改革 ~『二極化シフト』を組め~」というNHKスペシャルみたいなテーマで、今の日本が抱えている問題と、対策の一例について、お話ししたいと思います。
結論を先に言っちゃうと、「前々から言っていた格差の問題が、もう『待った無し』のところまできているので、自分事として捉えておいた方がいいっすよ」です。
せっかくオンラインサロンなので、具体的な話をします。
ちょっとキツイ言葉が入るかもしれませんが、ご容赦ください。
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▼ そこには、もう「買ってくれるお客さん」はいない。
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今年6月。
PGF生命(生命保険会社)が『2021年の還暦人に関する調査』を実施したところ、貯蓄額が「100万円未満」と回答した【60代】が25%だったそうです。
「100万円未満」ですので、貯蓄額が「1万円」や「2000円」の人も含まれます。
日本の60代の4人に1人が「貯蓄額100万円未満」となっているわけですが、これは過去最多だそうで、去年(2020年)と比べてもグンと増えています。
一方、「貯蓄額が5000万円以上」と答えた60代も去年と比べて増えているそうです。
人口が増えているわけではありませんので、当然、どこかが減っているわけで……言うまでありませんが「貯蓄額500万円~1000万」と答えた【中間層】が減っています。
今、この国は…
貧困層】が増えて、
【富裕層】が増えて、
【中間層】が減る……いわゆる『二極化』が加速しています。
さて、皆さん。
「へー」で終わらしている場合じゃありません。
皆さんのサービスは、これまで、どの層に販売していましたか?
ほとんどのサービスが【貧困層】と【中間層】がターゲットになっているハズです。
ただ、「【貧困層】が増えて、【中間層】が減った」ということは、言い換えれば、
「買えない人が更に増えて、買えなくなった人が増えた」
という状態です。
ダメージを受けていないのは【富裕層】向けのサービスだけ。
貧困層】と【中間層】向けのサービス買うお客さんは、シンプルに減っているんです。
当然、お店の売り上げは下がります。
「しかし、それは経営者の怠慢や、宣伝力不足などではない」というのが今日の主題です。
このサロンでも、もう何年も前から『VIPを押さえろ』という話をしてきましたが、どこか「いや…でも、VIP向けサービスは私の得意領域じゃないし……」という気持ちがあったのではないでしょうか?
今日お話しするのは「得意/不得意とかじゃなくて、VIP席を設けないサービス(生活必需品を除く)は、『努力』ではどうにもならないラインまできてしまっているから、VIP向けの打ち手のパターンを一緒に勉強しましょう!」です。
安心してください。
こうして声をかけているということは、「今なら、まだ間に合うよ」ということです。
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▼ 「買ってくれるお客さん」と「お客さん」を分けて考えよう
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前から何度もお伝えしている内容を、もっともっと分解して(分かりやすく)お伝えします。
基本的な打ち手は、「【富裕層】からお金をいただいて、【中間層】【貧困層】には、できるだけ低価格で提供する」になってくると思います。
「ラスベガスのホテルは安い」みたいなことですね。
「買ってくれるお客さん」からいただいたお金で、「お客さん」にサービスを提供するのです。
「いやいや、それなら富裕層(買ってくれるお客さん)だけ相手しときゃいいんじゃないの?」というツッコミが飛んできそうですが……忘れちゃいけません。
貧困層】【中間層】が【富裕層】になることがあるんです。
つまり、
ファミリーミュージカル『えんとつ町のプペル』を“無料だから観ることができた子供”が、15年後に「富裕層のファン」になっている場合がある。
サービス提供者は、ここを取りこぼしてはいけません。
僕は、「富裕層向けのサービスを提供するのであれば、富裕層の生態系を知れ」とよく言っています。
※一ヶ月前に投稿した『S席のお客さんは富裕層ではなく、コアファンだ』という記事がすこぶる面白いので、本気で遡って読んでください。
「サービス」の意味をはき違ってはいけません。
「車内を盛り上げること」をサービスと思っているタクシードライバーさんがいたとしたら、それは「富裕層向け」には完全にアウトです。
富裕層は、タクシーで「移動」を買っているのではなく、「時間」を買っているので、彼らの時間を奪うことが最も悪手です。
彼らは仕事の整理をしようと思って、タクシーに乗り込んでいます。
話しかけてくれることを喜ぶお客さんもいれば、「なんで、お金を払ってるのに、時間を奪ってくるんだよ。ボッタクリかよ」と思っている【富裕層】もいます。
僕らは【富裕層】の生態系を知らなければなりません。
彼らが何を求めていて、何を求めていないのか?
彼らが何を食べて、食べる量はどれぐらいなのか?
踏み込んだ話をすると、“年齢を重ねても体型をキープしている富裕層”に、「これ、食べてください」と強引に食事を振る舞ってはいけません。
彼らは、その体型をキープするために、貴重な時間を割いてジムに通っています。
モノを口に入れる時、必ずカロリー計算をして、「そこで接種したカロリーを消費するまでに要する時間」をはじきます。
「体型をキープしている富裕層に(食事時でもないのに)食事を提供する=彼らの時間を奪う」ぐらいは、頭に叩き込んでおいた方がいいでしょう。
彼らがカロリーを消費するまでに要するに時間よりも価値の高いものを提供できるのであれば、問題はないと思います。
…少し話がエグいですか?
でも、これぐらい徹底しておいた方がイイと思います。
あと、ここも忘れちゃいけないのが、富裕層は『資産運用』をしている割合が高く、そして経済には興味を持っています。
なので、「仮想通貨、怪しい!」「ブロックチェーン分からない」「NFT、なんのこっちゃ?」と言っている場合じゃありません。
それらは彼らの言語です。
海外に行く時に多少、英語を学んでいくような感じで(少々苦労してでも)向き合わないと、彼らとコミュニケーションをとることができません。
要するに、「努力して、歩み寄らなきゃダメだよ」という話です。
「横文字を使いやがって!」とヘソを曲げてる場合じゃないんです。
アメリカ人を相手にしなきゃいけないのに、「英語を使いやがって!」と言っているようなものです。
個人的には、「いよいよ来るところまで来たなぁ」と思っています。
もう一度言いますが、「【富裕層】からお金をいただいて、【中間層】【貧困層】には、できるだけ低価格で提供する」の可能性を探ってください。
ちなみに、ファミリーミュージカル『えんとつ町のプペル』はこんな打ち手(※下記に添付)を用意してみました。
ご存知の方も多いと思いますが、『映画 えんとつ町のプペル』の時に仕掛けた打ち手の転用です。
まだまだ他にも方法はあるハズです。
「こんなの、どうかな?」があれば、すぐにこのサロンで共有させていただきます。
一緒に勉強していきましょう。
(※また勉強会しましょうね)
現場からは以上でーす。
 
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