西野亮廣のエンタメsalon

西野亮廣エンタメ研究所の過去記事を中心にアップしてます

2021年08月18日のエンタメ研究所の過去記事

8月18日(水) ※8月20日以降は『いいね』を押さないでください。
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おはようございます。
朝からCHIMNEYTOWNの新入社員やインターン生を集めて、「金髪には、小栗旬さんのような『モデル金髪』と、津田大介さんのような『女子プロレスラー金髪』があるんだよ」という講義をしたキングコング西野です。
さて。
今日は『100円の写真は売れない』というテーマで、バッキバキの「値付け」の話をしたいと思います。
サービスを続けていく上で(モノを売って生きていく上で)、ものすごーく大切な話です。
宜しくどうぞ。
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▼ 商品の「何が」買われているのか?
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昨日(一昨日だっけ?)、サロンでもお伝えしましたが、11月8日に日本武道館で開催する『サーカス ~世界で一番楽しい学校~』での僕の講演テーマは『生き抜く為のVIPマーケティング(仮)』でして、ここ数日は、いろんな資料を漁ったり、自分自身で実際に試したり、いろんな人の話を聞いたりしています。
データを出せば出すほど、「ハイブランドハイブランドである理由」が科学(再現可能)であることが見えてきて、そしてこれからの時代を生きる僕達が「何を、いくらで販売すればいいのか?」が見えてきます。
『値付け』と『人間心理』の因数分解は特に面白く、11月8日の『サーカス』ではバッキバキに仕上げきった鮮やかな授業をお届けしたいと思います。
ちなみに、オリラジの中田君も仕上げまくってくると思います。
そんなこんなで今日も、最近の西野がドップリとハマっている『VIPマーケティング』から派生したお話をサロンメンバーの皆様にお届けしようと思います。
御存知の方も多いと思いますが、僕は時々、サロンメンバーさんを対象にコンサル(ニシノコンサル)をやっています。
CHIMNEYTOWNのECサイトでキマグレに出品される(いつも即完する)ので、興味がある方はサイトをフォローして、通知を受け取ってください。
成功の形は人それぞれですが、『地雷』の場所は皆同じなので、僕自身の失敗を含め、「ここに地雷が埋まってるよ」ということは積極的に共有していった方がいいなぁ…と、毎度コンサルを受ける度に思います。
昨日は、熊本で活動されているフォトグラファーの『坂本さん』のご相談を受けました。
ご相談のメインの話はここではしませんが、昨日のコンサルの途中で雑談タイムがあり、そこで「撮影や、撮影スクール(ハウツー)が売れるのは分かるのですが、今、【写真】って売れますか?」という直球質問を投げてみました。
綺麗な無料写真(画像)が、ネット上に数億枚転がっている時代、はたして【写真】は売れるのでしょうか?
坂本さんはフォトグラファー養成講座を開くほどの人気のフォトグラファーさんですが、その坂本さんをもってしても、「あんまり売れない」という結果でした。
「まぁ、そりゃそうだよな。今どき、プロが撮った写真なんてゼロ円で手に入るもんな」というのが皆様の正直な感想だと思います。
今日の話はここからが本題です。
「写真はあんまり売れない」と言っていた坂本さんに、もう一つだけ、こんな質問してみました。
「坂本さんのお写真って、いくらで売ってます?」
要するに、『値付け』の話です。
聞けば、かなり安い値段で販売されていて(※仮に「1枚=100円」とさせてください)、その値段を聞いた時に(坂本さんの写真を見る前に!)「その値段だと買わないかもなぁ」と思いました。
実は僕、最近、eluで「知らない人」の写真を買ったんです。
たしか、一枚、500円か1000円だったと思います。
3000円でも買ったと思います。
その方は海外を飛び回っているツアーコンダクターさんで、商品の説明欄を見ると、「コロナで収入源が断たれ、しかし子供を育てなくてはならず…」とあり、迷わずポチりました。
その写真(作品)に含まれている「画角」や「色味」や「明るさ」や「被写体」といった【機能】にお金を出したわけではなく、「この写真の売り上げが養育費に使われる」という【意味】にお金を出しました。
「助けたい」と思ったんです。
ここで見誤っちゃいけないのが「○○したい」なので、これって、僕の『欲』なんです。
「寝たい」とか「エッチしたい」とか「肉を食べたい」と同じ類のもので、「助けたい」は、「僕の取り分」なんです。
当たり前ですが、人間なので「取り分が大きい方」に反応します。
「肉を食べたい」と思っている人が「より美味しい肉」にお金を出すように、
「助けたい」と思っている僕は「気持ちよく助けさせてくれる方」にお金を出します。
この時、僕の目の前に、養育費にまわされる「10円の写真」と「1000円の写真」があった場合、どちらを買うか?
もちろん、「1000円の写真」です。
より助けたいし、それに、このフォトグラファーさんの写真に「10円」の値段を付けてしまうと、このフォトグラファーさんが1000円を稼ぐには、写真を100枚売らなきゃいけなくなる。
助けたいと思っているのに、巡り巡って、負担をかけてしまうことになります。
「買わない」か「1000円で買う」の二択しかなくて、「10円で買う」は少なくとも僕の中には無いんです。
僕たちは整理しなきゃいけません。
ネット上に「知らないプロ」が撮った美しい写真が無料でゴロゴロ転がっているということは、「写真の【機能】はゼロ円になった」ということです。
写真の【機能】は、もう売れないんです。
公園の水道の横で、知らねーオッサンが水道の水をコップに入れて、「今なら格安、お水一杯、30円だよー!」と言っているようなものです。
この感覚は(まだ)あんまり伝わらないのかもしれませんが…「写真の機能を売る」なんて、ボッタクリに近くなってきている。
【機能】が無料になった(無料に近づいている)モノは【意味】を売るしかなくて、「写真を買ってくれた人に、どんな【意味】を提供できるか?」を考えなきゃいけない。
買った人にネタを提供できるのか?
買った人をヒーローにさせてあげるのか?
もちろん、そよ写真の値段が「10円」だったら、ネタにもなりませんし、ヒーローにもなれません。
ここから世の中は、【機能】は無料、【意味】が有料の時代に向かうでしょう。
クリエイター(サービス提供者)は【意味】でマネタイズをしていく術を手に入れないと、確実に食いっぱぐれます。
コンサルの最後に坂本さんには「『西野にしこたま怒られた今の自分』を撮って、その写真を販売すれば、ほとんどの人はスルーしますが、ごくごく稀に【意味】に反応して買ってくれる人が出てくると思うので、そこで一度【意味を売る】を経験してみてください」とお伝えしました。
「もっと、買った人がネタにできるような(西野が得をするような)文章(商品説明)を書きなさいよ」とは思いましたが、一歩踏み出した彼女を応援したいので、ポチっておきました。
頑張ってね。
今日の記事を、自分の商品を値付けする際の参考にしていただけると嬉しいです。
現場からは以上でーす。
 
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