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2021年09月15日のエンタメ研究所の過去記事

9月15日(水) ※9月16日以降は『いいね』を押さないでください。
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おはようございます。
「桜は『ビジュアルの美しさ』というよりも、『1週間ほどしか満開の時期がない』という『儚さ』がいい」という意見を聞いて、「セミの立場がねぇなぁ」と思ったキングコング西野です。
さて。
今日は『エンターテイメントの現在地から見る、僕らの戦い方』というテーマでお話ししたいと思います。
「ここから、どんな手を打つにも、このことは共有しておいた方がいいなぁ」と思ったことを共有しますわ。
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▼ 映画の今
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昨日は、『映画 えんとつ町のプペル』の再上映に合わせて仕掛ける最新の音響システムのチェックがありました。
「映像を観る」というよりも、「映像の中に入る」というような体験ができちゃう、すんごいシステムです。
日本では、まだまだこのシステムを使える映画館が少ないので、この音響システムを使った『映画 えんとつ町のプペル』は一部の地域(※今回は一ヶ所)限定の上映になります。
また、いろいろ決まったら、サロン内でもキチンとお知らせしますね。
さて。
ご覧のとおり、あいかわらず映画制作はまだまだ続いておりまして、昨日も、試写会の前に宣伝チームと「映画業界の今」について話し込みました。
宣伝チームは、当然、映画業界の「数字」を毎日くまなくチェックしているのですが、そこで彼らがこぼしたのは「映画館から『ライト層』が消えた」という言葉でした。
『ライト層』とは、「時間ができたし、映画でも観ようかなぁ。どの作品を観よう?」といった感じで、「①映画を観ることを決める→②観る作品を決める」の順番で、作品に辿り着く人達を指します。
今、この人達が映画館から軒並みいなくなっていて、『ライト層』に向けた作品が苦戦を強いられています。
一方で、「映画館から人がいなくなったのか?」というと、それは違っていて、この時期に上映している『東京リベンジャーズ』は大ヒット。
『竜とそばかすの姫』も細田守監督史上、最大のヒットとなっています。
「①映画を観ることを決める→②観る作品を決める」という『ライト層』は映画館からいなくなりましたが、「①『竜とそばかすの姫』を観る」という『コア層』は全然いなくなっていないどころか、「ライト層が来る作品のヒットが消えた為に、コア層を掴まえている作品のヒットが目立ち、さらに人を呼ぶ」という、特殊な形の売れ方をしています。
これは、『映画』だけに見られる傾向なのでしょうか?
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▼ 『ライト層』はもういない
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試写会のあとは、『スナック西野』の収録がありました。
ゲストは「ゆず」「SEKAI NO OWARI」「Official髭男dism」等のライブを手掛けるイジツヒロユキさん。
11月の『サーカス!』でも御一緒させていただきます。
イジツさんとは、そりゃまぁエンタメ業界の話になるわけですが、さっきの映画業界の話なんて1ミリもしていないのに、イジツさんの方から、「コンサート業界から『ライト層』がいなくなりました」という話が飛び出してきました。
「再来月の『ゆず』のライフに行く!!」と決めている人しか、ライブに来なくなったそうです。
聞けば、演劇業界もそうみたいです。
整理すると…
第二希望、第三者希望で自分達を選んでくれるお客さんなど、もう存在しなくて、
エンターテイナー(クリエイター)は今、「お客さんの『圧倒的第一希望』にならないと生きていけない」という状況に置かれています。
コロナ(外出のハードルや、自宅エンタメの充実)が、第一希望と第二希望の間に、大きな大きな溝を作っちゃったので、「コア層」を抱えていないエンターテイナー(クリエイター)は全員泡を吹いています。
なぜ、サロンでこの話をしているかというと、これがエンタメ業界だけの話じゃなさそうだからです。
でも、もう心当たりはありますよね?
僕らは「お腹が空いたから、とりあえず飲食店街をブラブラ歩いて、入る店を選ぶ」という店の選び方を、とんと、しなくなりました。
その原因を「緊急事態宣言が出ているので…」としてしまうと、原因がボヤけてしまうので(解決策が練れないので)、「圧倒的第一希望しか選ばれなくなった」と整理した方がいいと思います。
そうすると、「どうすれば誰かの『圧倒的第一希望』になれるのか?」と考え始めるので。
打ち手の一つとして、「少人数のZOOM呑み会を重ねる」は、地味ですが、結構効いてくると思います。
騙されたと思って、試してみてください😁
現場からは以上でーす。
 
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