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2021年10月02日のエンタメ研究所の過去記事

10月2日(土) ※10月4日以降は『いいね』を押さないでください。
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おはようございます。
今朝のVoicyの収録で熱くなりすぎて、完全に「突き指」をしたキングコング西野です。
さて。
今日は「本質を読み取る力」というテーマお話ししたいと思います。
まさに、今朝のVoicyの内容に関係のある話なので、もしお時間あれば先に聴いてください。
(※コチラです→)https://voicy.jp/channel/941/216314
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▼ 『1万件のメール問題』では、何が問われているのか?
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この話は、「忙しくてテンパる」が、あまり理解できないキングコング西野が、「たとえば、『1万件のメールを返信する』という仕事を与えられた時に、テンパるんですか?」とリスナーさんに投げ掛けたことに端を発します。
「外的要因は一切無し。全て自分のコントロール下にある場合において」が条件です。
ちなみに、放送では「『1万件のメールを返す』だと、お相手によって面倒が増える場合があるから(外的要因があるから)、『1万羽の折り鶴を折る』で考えた方が良いかも」と言い直しています。
後付けではなく“「メール→折り鶴」の変更点を(放送内で)お伝えした上”で、皆様の意見を伺ったところ……
「メールを返すだけならテンパらないかもしれませんが、同時に他の仕事が入ってくる場合があるので、その時はテンパりますね」
という返信があって……僕は、もう本当にビックリしちゃったんです。
「そんなこと聞いてねぇじゃん」
「条件を変えちゃ、ダメじゃん」
です。
例えると、「1+1=2ですよね?」という問いかけに対して、「1+1の場合は2になるかもしれませんが、1+4だったら、2になるとは限りませんよ」という返事が返ってきちゃった感じです。
1+4が2になるとは限らないことぐらい分かっているんです。
ここで訊いているのは「1+1」が「2」になるか否かです。
面白そうなので、珍しくコメントを返してみました。
「条件を変えちゃダメじゃないですか?」と。
だけども、どうやら先方さんは、この「条件を変える」がいまいちピンときていない様子。
むしろ、「1万件のメールを返す仕事を渡されたらテンパるか否か?を聞いてきたのは、そっちじゃないですか!」と反論される始末。
どうして、こんな事故が起きているかというと、「今ここで“何が”議論されているか?」が理解できていないからです。
議論が下手なんじゃないんです。
議論されていることが理解できていないんです。
「一万件のメールは相手によって面倒が増えるから」という理由で『一万羽の折り鶴』に置き換えたように、「一万件のメールを返す仕事」というのは“本質”じゃないんです。
メールじゃなくて、「外的要因のない仕事」であれば何でもいいんです。
今回の質問の本質は「外的要因が無い(自分のコントロール下にある)仕事の量が多かった場合に、慌てる理由は何ですか?」です。
そこを読み取らずに、「たとえ」である『一万件のメール』だけに目を奪われ、さらには自分の今の状況(自分の仕事)に当てはめて考えてしまう始末。
ちなみに、Voicyのコメント欄に届いたコメントは以下のとおり。
「メールの送り方も鶴の折り方も分かりません」
「1万件のメールを返すより、命懸けのお仕事やもっと大変なお仕事は沢山あります」
「メールを作りながら寝てしまうし、鶴も折りながら寝てしまいます」
「処理能力はそれぞれ。テンパる人もいるの。寄り添おうよ」
「1万件溜め込んでるアドレスとは別のアドレスに送ってもらえばいい」
……1ミリも会話になっていません。
「そんなことは訊いてねーよ」 です。
Voicyではギャグっぽく話しましたが、「本質を読み取らない」は、なかなか致命的だというのが今日のお話です。
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▼ 本質を読み取らないと「成功」を再現できないから、すべてのテスト(前例)が無駄になるぞ。
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何年か前に、このサロンでもお話ししましたが、絵本『えんとつ町のプペル』の全ページの無料公開が大当たりした直後に、プペルの無料公開を習って、とある小説が全ページ無料公開を敢行し、話題になって、大爆死を遂げたことがありました。
絵本『えんとつ町のプペル』の無料公開は、まずは絵本自体を、
①絵とストーリー(情報)
②インテリア
③親子のコミュニケーションツール
④ギフト
⑤個展の集客装置
に意味分けして、①と⑤を無料にしただけの話で、②と③と④を手に入れようと思ったら、お金を払わなきゃいけないんですね。
この「意味分け」こそが本質であって、「無料公開」は本質じゃないんです。
「無料公開=ヒットする」じゃないんです。
ビジネス書の場合だと、全ページ無料公開するけれど、章ごとに公開場所を散らして、「まとめて読みたい人は有料」という手を打ったりします。
ここでも「無料公開」は本質ではなくて、「アチコチに無料公開されている情報を綺麗に集めたもの(収集作業)を販売する」が本質です。
こういった「本質」を読み取らずに、手段だけ真似ても、その成功は絶対に再現できません。
僕が、よく言う「売れた原因を要素分解しないと、売れ続けることはできないよね」みたいな話です。
『一万件のメール』なんて、とうでもいいんです。
『無料公開』なんて、どうでもいいんです。
今、ここでは“何が”議論されていて、
その打ち手の“何が”刺さったのか?
そういった「本質を抜き取る力」を持ち合わせておかないと、変化の激しい時代で生き残っていくのはかなり厳しくなると思うので、「癖」になるまで、本質を抜き取る訓練をした方が良さそうです。
この話はチームの皆で共有しておいた方がいいと思うので(このことを踏まえておかないと、全ての会議が無駄になるので)、表に出すのは禁止ですが、皆さんの会社やチームのメンバーにコピペするのは今日は特別にOKにしまーす。
現場からは以上でーす。
 
 
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