西野亮廣のエンタメsalon

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2021年10月23日のエンタメ研究所の過去記事

おはようございます。
僕はLEGO(レゴ)やUNO(ウノ)を見るたびに、「このエンタメ、僕が作りたかったなぁ」と羨ましくなるのですが、昨日、田村Pに「ちなみに田村さんって、『これ、私が作りたったな』という仕事や作品ってあるんですか?」と質問したところ、「シルバニアファミリーー!!」と即答されて腰を抜かしたキングコング西野です。
#そこそこ長い付き合いやけど
#はじめて聞いたぞ
#シルバニアファミリーが好きやったんかい

さて。
今日は「戦略的に数字を読む ~再上映という挑戦~」というテーマでお話ししたいと思います。

 

「『映画 えんとつ町のプペル』の再上映」というプロジェクトが見なきゃけない“数字”を、あらためてサロンメンバーさんに共有する。

仕事をすると、その結果として、あらゆる「数字」が出てきますが、“向き合わなきゃいけない数字”を選び間違うと、プロジェクトはシッチャカメッチャカになっちゃいます。

たとえば!

キングコング西野がYouTubeの「再生回数」や「チャンネル登録者数」の獲得を第一に考えた活動をしてしまうと、僕らの目標である「世界のエンタメ」は確実に獲れません。

『ドッキリ企画』や『モーニングルーティン』や『時事ネタ』が海を越えることはないからです。

つまり、キングコング西野にとって、YouTubeの「再生回数」や「チャンネル登録者数」は、「参考程度に見ておく分には構わないけど、追い求めちゃいけない数字」です。

言うまでもなく、「テレビのレギュラー番組の本数」もです。

ただ、ここが厄介なところで、「多くの人が追い求めている数字」は、多くの人にとっての『成功の証』なので、その数字を追い求めることを放棄すると、「数字の獲得に失敗したヤツ=負け組」として扱われてしまいます。

この空気に飲まれてしまい、「いやいや、お前の活動だと、その数字は追わなくていいだろ」という方向に流れてしまう人は少なくありません。

なので、チームとして最初にやらなきゃいけない仕事は「自分達が今回のプロジェクトにおいて向き合わなきゃいけない数字」を明確にして、メンバーと共有することです。

そんなこんなで、本題です。

以前からお伝えしておりますが、「『映画 えんとつ町のプペル』の再上映」というプロジェクトが“向き合わなきゃいけない数字”は「観客動員数」ではありません。

「ハロウィン=プペル」という文化を創っていく為には、劇場(映画館)さんに、「来年のハロウィンも、うちの映画館でプペルを上映したい」と思ってもらう必要があります。

となってくると、僕らが“向き合わなきゃいけない数字”は、「1館(あるいは1上映)あたりの動員数」です。

全国の観客動員数が1万人であっても、1上映あたりの動員数が「平均10人」だと、劇場さんは「来年のハロウィンもプペルを上映しよう!」とはならないんですね。

ちなみに、これ(↓)が、昨日の映画の「数字」です。
※精度100%の集計結果ではありません
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【】=人気ランキング
『』=作品タイトル
「人」=観客動員数
「回」=上映回数
「館」=上映館数

【1】『燃えよ剣
21196人 1364回 287館 

【2】『CUBE 一度入ったら、最後』(新)
17505人 1535回 283館

【3】『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』
15805人 1047回 294館 

【4】『DUNE/デューン 砂の惑星』 
 

11509人 1217回 286館

【5】『マスカレード・ナイト』
9703人 968回 287館 


【8】『劇場版 ルパンの娘』
5009人 1007回 275館


【13】『劇場版マクロス△絶対LIVE!!!!!!』
3196人 223回 112館 

【16】『えんとつ町のプペル
2087人 73回 35館 

【17】『死霊館 悪魔のせいなら、無罪。』
1417人 164回 155館

【18】『竜とそばかすの姫』
1217人 319回 253館

(※出典:興行収入を見守りたいhttps://mimorin2014.blog.fc2.com/)
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【】は「観客動員数ランキング」で、タイトルの後に最初にくる数字が「昨日の1日の観客動員数」です。

【1位】の作品で一日の観客動員数が2万人チョイなので、「思っていたより少ないな…」と感じた人もいるのではないでしょうか?

コロナの影響も多少はありますが、しかしながら、(大ヒット作が無い時期の)平日の映画の数字は大体こんなもんです。

我らが『映画 えんとつ町のプペル』は、昨日のランキングだと【16位】となっておりますが、この数字は(マジで!)どうでもいいです。

もちろん「観客動員数」も、どうでもいい。
僕らが見なければいけない数字は「『観客動員数』÷『上映回数』」です。

「一回の上映で、何人のお客さんが入ってるの?」です。

そうすると…

【1位】の『燃えよ剣』は、
「21196人÷1364回=15.5人」で、

【2位】の『CUBE 一度入ったら、最後』(新作)は、
「17505人÷1535回=11.4人」。

これが人気ランキング1位と2位の作品の「一回の上映あたりの平均動員数」です。
平均15人とか、平均11人とかなので、思っているよりも、ずっと少ないですよね。

ちなみに、人気ランキング16位の『えんとつ町のプペル』が一度の上映で動員している人数は、「2087人÷73回=28.5人」です。

昨日だけだと、「1上映あたりの動員数」は1位だったのかもしれません。

とにもかくにも、文化化を目指す(#ブンカカ)「映画の再上映」は、ここの数字を伸ばすことを考えて、打ち手を選んでいく必要があります。

『平日の朝に舞台挨拶に来てくれる映画』という打ち出し方も結構イイんじゃねーかなーと思っています。

こんな感じで、表面上の数字ではなく、本物の数字を正しく読み取って、正しく打ち手を選んでいく訓練を、今後もサロン内で繰り返していきたいと思います。

引き続き宜しくお願いいたします。
現場からは以上でーす!!!

 

 

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