西野亮廣のエンタメsalon

西野亮廣エンタメ研究所の過去記事を中心にアップしてます

2021年10月29日のエンタメ研究所の過去記事

おはようございます。
今朝、公園をジョギング中に「ちょっと犬を見といてもらえますか?」と知らないお婆ちゃん
からリードを渡されて(※おトイレかしら?)、「知らない人が飼っている犬の面倒をみる」という謎の5分間があったキングコング西野です。
#有無も言わせないお婆ちゃん力
#そのお婆ちゃんに
#アメリカ人
#というニックネームを付けてやった

さて。
今日は『ブロードウェイを攻略する』というテーマでお話ししたいと思います。
お察しのとおり、ファミリーミュージカル『えんとつ町のプペル』の次の展開の話です。

 

手応え十分
 
昨日、ファミリーミュージカル『えんとつ町のプペル』の“ラストシーンの制作がありました。

主演の吉原光夫さんから、「ここで○○に逃げれば、この作品は無難に終われますが、せっかくここまで作り込んだ作品ですし、最後の最後まで面倒なことをやりませんか?」という声がかかり、その場にいた皆が稽古を止めて、「よし、とことんやろう!」となりました。
#吉原さんも皆さんも最高

クリエイティブの現場で【答え】が出るまでの時間は「却下」が続くわけで、当然ですが、それは穏やかな時間ではありません。

時には、意見が通らずにヘソを曲げてしまう人もいますが、たった一度の意見が通らない程度のことでヘソを曲げるのであれば、「社会にお帰りください」が僕が住む世界のルールで、ここはエンタメ一丁目、鬼の棲家
僕が愛してやまない場所です。

稽古場が膠着した昨日は、表現者としては、とても有意義な時間を過ごすことができました。
そして、その結果、ファミリーミュージカル『えんとつ町のプペル』のラストシーンは、予定していた場所よりも、ずっとずっと遠くに辿り着くことができました。

とことん付き合ってくださった皆さんのおかげです。

今朝のVoicyでもお話ししましたが、昨日完成したラストシーンを見た瞬間に「この規模(※東京キネマ倶楽部サイズ)で作って良かった」と心から思いました。

それは、「(微調整はあれど)基本的には、このままブロードウェイに持っていける」という確信です。

映画同様、ファミリーミュージカル『えんとつ町のプペル』も狙うは世界で、最近の稽古場では、「ブロードウェイに持っていく時は…」という話がチョコチョコと出てくるようになりました。

 

演出は誰がやるの?
 
ブロードウェイに持っていく際の目下の課題は「ブロードウェイ版は誰が演出するの?」です。
包み隠さずお話しすると、今、ここでチョット迷っています。

普通に考えると「餅は餅屋」的な発想で、「ブロードウェイでやる作品なんだし、ブロードウェイの演出家で…」という結論に向かいそうですが……さすがにエンタメの前線で長いことやっていると「一流のクリエイターが、いつも最適解を出すわけではない」ということを知っています。

お客さんとして観に行った時も「今作はハズしたな」ということはありますし、
仕事のパートナーとして向き合った時も「テメェのオナニーをブチ込んでんじゃねーよ!」「玄人ウケに逃げるな、タコ!」ということは時々あります。

お願いしたモノと、全然違うモノがあがってくることもあります。

一流がいないと辿り着けない場所はたしかにあるのですが、「一流に好き勝手にやらせるとロクなことがねぇ」ということもあったりして……ここが難しいところです。

何の知識もないウチの母ちゃんが一流に仕事のオファーを出す機会があれば、そこはもうプロに任せといた方がいいのですが、ある一定のレベルを超えた仕事となると、オーケストラのように各セクションとのバランスを整えないといけないので、「一流に全て丸投げ」は、できないんです。

そして、最近、つくづく思うことなのですが、「センス」や「環境」を一旦棚に上げて、よくよく考えてみると、地球人の中で僕よりエンタメに時間を割いている人を僕は知りません。

「一流」と呼ばれている人でも、本当の本当に一部の人を除いては、人として「マトモ」で、思っている以上に普通の人です。

「天狗」だの「ビッグマウス」だの言われるので表では言いませんが、
世界中のエンタメをイロイロと見させてもらっていますが、「スゲー!!!」となるのは、本当に極々一部で(※プレゲンツ音楽祭は最高っ!!!)、あとは、「これなら作れる」というものがほとんど。

「まったく歯が立たない」という経験が、ここ最近はとんと減りました。
#ゼロじゃないよ
#強い人は強い
10年前に比べて、僕も少しは成長したのかもしれません。

何が言いたいかと言うと、「『餅は餅屋』的な発想で、『ブロードウェイの演出家』という看板に釣られて、自分よりも、覚悟も実力も才能も知識もない人間に、こじんまりとした(しかも変化球)ミュージカルを作られたらたまったもんじゃねーな」というのが今の僕の本音です。

たぶん、ファミリーミュージカルのコアメンバーも似たようなことを考えていると思います。

さて、どうしたものか。
映画も作らなきゃいけないし、新作歌舞伎、新作絵本も作らなきゃいけない。

ちょっとイロイロと考えてみますが、取り急ぎ、今の僕の心境を共有しておこうと思って、今日はこんな記事を書かせていただきました。

いずれにせよ、世界を獲るための正しいアプローチを選びますので、御安心ください。

現場からは以上でーす。

 

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