西野亮廣のエンタメsalon

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2021年10月31日のエンタメ研究所の過去記事

おはようございます。
今日は日曜日なので、いつものような投稿はお休みして、今、ボンヤリと考えている(輪郭が定まっていない)ことについて、お話ししたいと思います。

『共感』と『創造』の話です。

「118.2%」という数字があります。
これが何の数字かというと、今朝のVoicyでも少しお話しさせていただきましたが、『映画 えんとつ町のプペル』の先週の土曜日の観客動員数を100%とした時の、今週の土曜日(昨日)の観客動員数です。

去年の12月25日に公開した映画のお客さんが、この期に及んで増えたんです。

「『ハロウィンは映画えんとつ町のプペルを観に行く』という文化が少し芽吹き始めている」と言えなくもない…といったところ。

細かいことを言うと、先週の土曜日は3ヵ所で舞台挨拶が入っていて、今週の土曜日(昨日)は舞台挨拶を入れていませんでした。
つまり、「舞台挨拶があったから、お客さんがたくさん来てくれた」というわけではありません。

「ハロウィンに向けてお客さんが増えた」のか、「公開が明日で終わってしまうから、映画館に駆け込んだ」のか、まだまだ、いろんな要因(可能性)があって、今年一年のデータでは、まだまだ的を絞ることはできませんが、一つ言えることは、「ハロウィンは『えんとつ町のプペル』を観に行く」の文化化の可能性がゼロではない…ということです。

これは、個人的には大きな大きな発見で、「2週目(2回目の土曜日)にお客さんが増えた」という結果には大いに興奮したのですが、Voicyで話していて、「この興奮を誰が共感できるのだろう?」という疑問が湧いてきました。

基本的に、ほとんどの人は「文化を作ろう」とは思っていませんし、「自分が死んだ後に活動する人の後押しとなるようなシステムを作ろう」なんて考えていません。

映画でハリウッドに仕掛けることもなければ、ミュージカルでブロードウェイに仕掛けることもありません。

「新刊を10万部売る」というチャレンジには、“共感できる部分”がありました。
ほとんどの人が、何かを売って生きているので、「どうやって売るんだろう?」「なるほど、そうやって売るのか!参考にしよう!」といった感じで共感されることがありました。

もともと僕は「共感されたい」という気持ちを持ち合わせていなくて、今も昔も「自分が見たいものを作りたい」の一点突破なのですが、しかしながら今日に至るまでに、『創造』と『共感』がたまたま重なる季節があったんです。

昨日のサロン記事の内容って覚えてます?

「世界展開を見越した新作歌舞伎のラストシーンの提案」です。

こんなの誰が共感するんですか(笑)。

でも、もう戻れないなぁと思います。

どのコースに、どのスピードで球を投げれば、共感されるか?はミリ単位で把握していますし、狙ったポイントに確実に投げられる技術も持ち合わせていますが、それをいつまでも投げ続けたところで、集まるのは『共感』で、遠退くのは『創造』(そして世界戦)です。

世界戦に片足を突っ込んでみて、『共感』の重力が思いの外、大きいことを知りました。
とくに、海外の映画祭が始まってから(今年の二月頃から)です。

こんなことを書いてますが、僕の現在地を皆さんに共有しているだけの話で、迷ってなんかいません。

僕は、これまでも、そして、これからも『創造』に全振りです。
「孤独」なんて飽きるほど浴びたので、後ろ髪を引かれる要因にはなりません。

今朝、市川海老蔵さんと長電話をしました。

細かいことはここではお話しできませんが、「その作り方だと、誰かが見たことがあるモノが出来上がってしまうので、制作スタイルから一新しましょう」という提案をさせていただきました。
あと、「黙って、西野に任せてください」とも(笑)。

手加減なんて1ミリもするつもりがありません。
世界中のクリエイターを力でねじ伏せるつもりでかかります。

チケットの売り上げだけで作ろうとすると、どうせ見たことがあるようなものが出来上がってしまうので、久しぶりにクラウドファンディングをしようかなぁと思っています。

今日の話をまとめると、いたってシンプルです。

「僕は、あなたに共感されたいと思っていません。
僕は、創造でもって、あなたを圧倒して、あなたを感動させたいと思っています。
冷たく聞こえていたらゴメンナサイなんだけど、不器用なりに、毎夜毎夜ずっと、あなたのことばかり考えています」

といったところです。

今後とも宜しくお願いします。
ブッちぎります。

それでは、素敵な日曜日、素敵なハロウィンをお過ごしください。

西野亮廣(キングコング)

 

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