西野亮廣のエンタメsalon

西野亮廣エンタメ研究所の過去記事を中心にアップしてます

2021年12月13日のエンタメ研究所の過去記事

セントラルパークでジョギングしているヤツの中で最も速いキングコング西野です。
#今夜はブロードウェイ界隈で呑んでいるので現地在住のサロンメンバーさんは探し出してください
 
さて。
今日は『チームメンバーのモチベーションを上げる方法』というテーマでお話ししたいと思います。
今日からでも実践できるすごく簡単なことですが、ほとんどの人(チーム)がやっていない、とっても大切なことです。
 
 

多くの労働者が知らないこと
 
先日のVoicyで「労働者の視点」と「経営者の視点」の違いについて、お話しさせていただきました。
 
労働者にとっての「お金を稼ぐ」は、「働いてお金を貰う」であり、
経営者にとっての「お金を稼ぐ」は、「働いてお金を作る」である、と。

もっと言うと、経営者が働いてお金を作らないと、労働者は働いてもお金を貰えません。
 
すっごーーーくシンプルな話ですが、日本人はお金の勉強をストイックにサボってきたので、このサロンに入っているような皆さんが思っている以上に、世間(日本)ではここの理解が進んでいません。
 
テレビで「お金の作り方」の話をしようものなら、一部の労働者から「詐欺だー!」という声が上がります。
皆さんも、見てきたと思います。
#日本オワタ
 
「働けばお金は貰える」と思っている人がいて、もちろん会社は、その約束で労働者を雇っているので、その考えは間違いではないのですが、ただ、そこで思考停止していて、「自分が貰うお金がどうやって生まれた(作られた)のか?」を考える人はあまりいません。
 
「8時間働きましたので、8時間分の給料をください。はい、さようなら」という人が少なくない。
間違ってはいないのですが、「労働者が、自分が貰うお金がどうやって生まれているかを知らない…という状態は、チームにとってプラスなのか?」というのが今日のお話です。
 
 

チームリーダーは、チームの利益を取りにいけ
 
先日、ファミリーミュージカル『えんとつ町のプペル』のプロデューサー陣と、主演の吉原光夫さんとスナックCANDYで呑んだくれました。
 
その席で、光夫さんが「西野さんが予算を作ってくれていたことを知りませんでした。たぶん、キャスト全員知らないです」という話をされたんです。
 
勘の良い方はお察しかもしれませんが、これ、何のことかと言うと…

ファミリーミュージカル『えんとつ町のプペル』って、制作費を鬼ほどブチ込んでいるので、チケット代だけでは絶対にペイできないのにも関わらず、「キャストさんの稽古代を出す」という判断をしたんです。
#日本の演劇界は稽古代が出ないのが当たり前なんです
#そんなの当たり前にするもんか
 
というわけで、「チケット代以外の収益源」が必要になるので、実は、ほぼ毎日、僕が稽古終わりに「ZOOM飲み会」や「ニシノコンサル」などを入れて、その売上を全額、制作費(キャストさんのギャラを含む)に充てていたんです。
 
終演後にオフ会気味にやったソロイベントの売上も全額、制作費に充ててもらいました。
 
そして、そのことをキャストが知らないんです。
 
これ、自分のこと(自分が頑張ったこと)なので、言葉にするのが本当にツラかったのですが、ただ、「西野が作ったお金が稽古代になっている」ということを知っているキャストと、そのことを知らずに「稼働したからギャラが貰えるんでしょ?」と思っているキャストとでは、どちらの方がモチベーションが高くなるか、どちらの方がチームが一つになるのか?をプロデューサーはシビアに判断すべきで、ついに……
 
「西野が裏で頑張っていることを伝えなきゃダメだよ」
 
というアドバイス史上、もっともダサいアドバイスをプロデューサーにしてしまいました。
#死にたい
 
でも、リアルな話…
 
まず「本人にそんなことを言わせちゃダメ」というのは勿論のこと、「どうすればチームの利益が最大化するのか?」を考え、行動するのが、チームリーダー(プロデューサー)の仕事で、あの時のファミリーミュージカル『えんとつ町のプペル』としての判断は、「皆さんのお金は運営が全て用意しておりますので、御安心ください」では、ありません。
 
芸人はプライドの生き物なので、「そっか。西野が稽古時間外で、自分達の為に動いてくれているのなら、自分も何かできることをやろう」と考えます。
 
チームとしてはそこを引き出した方が確実にプラスです。
 
昔、品川庄司の品川さんが、ネタを作らずに毎夜女の子と呑み歩いている庄司に対してブチギレた時に、近くにいた構成作家さんが、庄司さんが毎夜、飲み会で品川庄司の単独ライブのチケットを手売りしたことを伝えたんです。
「俺、品川みたいにネタを作れないから、チケットの手売りぐらいしかできない」と庄司さんが言っていたことも。
 
そうとは知らずに庄司さんにキレてしまった品川さんがそこで反省し、それをキッカケに品川庄司が一枚岩になり、その後、ブレイクを果たすわけですが……チームをこの状態に持っていくのがチームリーダーの役目だと思います。
 
話が長くなってごめんなさい。
ここで、そろそろ話をまとめますが、芸能の世界ではなくて、一般的な社会に今の話を落としこむのであれば、結論、経営者(か経営者の側近)は労働者に対して、「働いたら貰えるお金がどこから生まれているのか? 誰が犠牲になっているのか?」や、「このチームが今、何故このような打ち手を選べているのか? その裏で誰が頑張ってくれているのか?」をキチンと説明し、共有した方がいいと思います。
 
要するに、チームの利益(モチベーション)の為に「お金の流れ」を全員に共有する。
 
「あの人が頑張ってくれたおかげなんだよ」と説明することで、時に自分の手柄が減ってしまうことがありますが(※「オメーは何してんだよ」と突っ込まれる)、そんなケチ臭いものはとっとと捨ててしまって、チームの利益を最大化する為に生きた方がいいと思います。
 
現場からは以上でーす。
 
【追伸】
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