西野亮廣のエンタメsalon

西野亮廣エンタメ研究所の過去記事を中心にアップしてます

2021年12月20日のエンタメ研究所の過去記事

こんばんは。
ジワジワとバレないように配信の遅れを取り戻しているキングコング西野です。
#昨日より4時間ぐらい詰めた

さて。
今日は『人生の時間割を再考しよう』というテーマでお話ししたいと思います。

なんか、アメリカに来てから、若干、サロンに投稿する記事の質が変わりましたよね。(笑)
自分でも、薄々感じています。

でも、まぁ、今回の旅で受けている刺激はそれぐらい強烈で……そしてそれは決して、僕一人だけの(あるいはエンタメ業界だけの)問題ではないことも感じています。

日本のエンタメに対する危機感はこれまで以上に増し、日本に対する危機感もこれまで以上に増しました。
#マシマシタ ?

今日は、すっかりアメリカかぶれした西野が今(ホントに今!)思っていることを包み隠さず、そのままお話しします。
人生の時間割の話です。

 

 キミの時間を本当にそこに使ってもいいのか?

正直、「2022年に何が流行るか?」なんて分かりませんが、たとえ、もっと先の未来であろうと、確実に分かることがあります。
それは、「人口」や「年齢」の問題です。

41歳の僕は、10年後には確実に51歳になり、20年後には確実に61歳になるのです。
これほど分かりきっていることはないのにも関わらず、20年後、30年後の未来の話になると、ほとんどの人が、自分事として捉えません。

ちなみに、厚生労働省が発表したデータによると、日本は2050年には、人口が1億人を切り、そこから減少の一途を辿るそうです。
ビックリしますよね。ここから30年弱で、日本人は2500万人ほど減るそうです。

2500万人というと、たぶんオーストラリアの人口と同じぐらいです。

日本から「オーストラリア一個分」が無くなるわけですから、日本人がどれだけ頑張ったところで、日本向けにサービスを展開する以上、売り上げは落ちます。

1億2500万人が1億人になるのだから、単純計算すると、売り上げ(集客)が現在の「4/5」になります。が、この話は、そんな甘くはありません。

その頃(2050年)の日本は、人口の4割が65歳以上というシルバーカントリー。
西野曰く「日本列島の形をした老人ホーム」です。
ここで、お聞きしたいのですが、あなた(あるいは旦那さん)が手がけられているサービスに、65歳以上のお客さんは、どれぐらいいらっしゃいますか?

…考えてみると、ちょっとゾッとしますよね。

総務省が発表している家計調査(2017年)によると、(世帯主が)40歳〜49歳の月の平均の消費支出金額は「31万5189円」、50歳〜59歳が「34万3844円」、そして、60歳〜69歳が「29万84円」です。
50代をピークに消費支出金額がガクンと下がり、そこから下がり続けます。
そして、「消費しなくなる世代」がメインターゲットとなるのが30年後の日本です。

税金の未来には詳しくないので、あまり勝手なことは言えませんが、しかしながら、「ものすごい数の高齢者を、少ない若者が支える」という構造上、僕のような素人でも、若者の税金の負担が厳しくなることは容易に予想できます。
その頃の若者の可処分所得(自由に使えるお金)は一体どれぐらいあるのでしょうか?
今よりも期待はできなさそうです。

そんな中。。

昨日、友達がシェアしていた記事が(かなり口は悪いけど)一理も二理もありました。
記事の内容をザックリまとめると、「今、東大を目指すヤツ、めちゃくちゃバカだろ」といったもの。

「東大」という肩書きが通用するのは日本国内だけで、当然、世界では相手にされません。
「なぜ、わざわざシュリンク(縮小)していくマーケット(日本)でしか使えない免許を取りにいってるの?」というのがその記事の言い分で、そこだけ切り取ると少しキツイ言い回しですが、これは「東大に入れるぐらい頑張る才能があるのなら、世界で使える肩書き(日本の大学トップじゃなくて、世界の大学トップ30のどこか)を取りにいきなよ」というメッセージでした。

今回のアメリカ旅で、アメリカのクリエイティブの懐に潜り込んでみて感じたことは、昨日の記事で書いた通りで、「全然、通用してんじゃん」でした。

そして、その次に思ったのは、自分のことではなく、大阪や東京で切磋琢磨した友人(ライバル)のこと。

才能がある人間には、次から次へと仕事が舞い込んできます。
僕らは人気商売で、浮き沈みの激しい世界で生きていますので、「安心」が欲しくて、ついつい、そのオファーに飛びついてしまいます。
「レギュラー番組が一つ決まろうものならガッツポーズ」というのが芸人の常識です。

ただ、いろんな世界を見てみると、そこに疑問を覚えます。

「お前の才能と、お前の時間を使う先は、本当にそこでいいのか?」

という疑問です。

どんな職に就こうが、得られるものはあるでしょう。
ただ一つ確かなことは、「そこに費やした時間は確実に返ってこない」ということです。

今、思うのは、実にお節介な話ではありますが…「たくさんの選択肢を知った上で、才能と時間の使い所を正しく選んで欲しい」ということ。

日本(日本人)は今、どんどん内側に向いています。
それによって、選択肢を狭めてしまっていて、才能や時間の使い所で損をしてしまう…というのは、やっぱり見てられません。

視野を広げて欲しいし、お子様がいらっしゃる方は、お子様の視野を広げてあげて欲しいです。

近所の兄ちゃんがブロードウェイやハリウッドに行って活躍していたら、「なるほど。そういう道もあるのか」となると思うので、そこに持っていけるように引き続き頑張ります。

今日は『人生の時間割を再考しよう』というテーマでお話しさせていただきました。

現場からは以上で〜す。

【追伸】
サロン記事の感想を呟かれる際は、文章の最後に『salon.jp/nishino』を付けてTwitter(本アカ)で呟いていただけると、西野がネコのようになついて、フォローさせていただく場合がありますので、感想よろ!

 

▼オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』入会はこちら ↓↓↓