西野亮廣のエンタメsalon

西野亮廣エンタメ研究所の過去記事を中心にアップしてます

2021年12月21日のエンタメ研究所の過去記事

こんにちは。
アメリカ滞在によるサロン記事の更新の遅れを取り戻しつつあるキングコング西野です。
#今回でかなり詰めたぞ
 
さて。
今日は、いつもと趣を変えて、色々と整理する回にさせてください。
現地レポートのような内容になりますが、結構、重要な回だと思います。
それでは。
 
 

母ちゃん(主婦)でも参加できるサロン
 
まずは、このサロンの方向性について、あらためてお話ししておきたいのですが……僕が、このサロンを運営する際のペルソナ(架空のユーザー像)の一人は「僕の母ちゃん」です。

僕の母ちゃんはサラリーマン家庭の専業主婦で、家計と時間をやりくりして、4人の子供を育てあげました。
定期的に美容院には行っていましたが、自分の服を買っているところは見たことがありません。
サラリーマン家庭で子供を4人も育てていれば、自分の身なりまではお金が回らないのでしょう。
子供ながらに、母ちゃんがいろんなものを犠牲にしていたことは感じとっていました。
 
このサロンを立ち上げる時に最初に浮かんだのは、その母ちゃんの顔で、その瞬間に「このサロンは、あの日の母ちゃんも楽しめるような内容にしよう」と決めました。
様々な折り合いをつけて「母」となった母ちゃんの活力となるようなコンテンツにしようと。
 
僕のサロンの値段が「980円」なのも、僕のサロンの記事が内容のワリには横文字が少ないのも、全て、それが理由です。
 
そして、兵庫県川西市にある築30年の家の台所と、世界戦の裏側(メイキング)を繋ごうと思い、せっせと頑張って今に至ります。
お洗濯や、お料理の合間に、チョコっと覗いて、「へぇ〜、ブロードウェイって、そんな感じなんやぁ〜」といった感じで楽しんでいただければ。
 
数年前に、このサロン内で、「僕の母ちゃんみたいな人(サロンメンバー)を世界戦のバックステージに連れていく(世界戦の裏側を共有する)」と宣言しましたが、ここにきて、ようやく約束が守れそうです。
今、見えているのは、ずっと前から狙っていた景色でした。
 
前置きが長くなりましたが、そんなこんなで、ようやくスタートライン(本来の目的)に立てたので、今日は努めて冷静に僕らの「現在地」をメンバーの皆様に共有したいと思います。
現時点での「結論」などはなく、今日のところは「今、こんな感じのところにいるよね」といった内容です。
 
少し箇条書き気味になりそうな気がしています。
お付き合いください。
 
 

国内の立ち位置
 
まずは、国内の状況を整理すると…
日本国内にも素晴らしい才能はたくさんいますが(ホントに!)、ビジネスモデルから創りあげ、エンタメを大規模に仕掛けるクリエイター(表現者)は、あまり見当たりません。
 
「あまりいない」は、「一部、いる」という意味でもあります。
 
ビジネスモデルから創り上げているかはさておき、規模感でいえば、旬のアイドルやアーティスト、CDがたくさん売れた時代に(家族ぐるみの)支持を集めたアーティストが仕掛けるアプローチは、やはり大規模です。
 
漫画でいうと、「少年ジャンプ→TVアニメ」のパターンは、やっぱり圧倒的で、ビジネスモデルも作品の内容も本当に素晴らしいです。
#良いものはイイ
 
一方で、
 
そこの鍔(つば)迫り合いに…もっと言うと「世界に知られることのない日本一」の獲得に、僕の40代を使うべきではないと考えています。
すぐ隣を走るライバルに勝って、ここで自己を満たしても仕方がないわけで、これ以上、深追いはせず、キチンと世界に矢印を向けようと思う。
 
 

アメリカの映画コミュニティーの入り方
 
…こんなレポートみたいな内容で大丈夫ですか?
#我慢してください
 
「圧倒的クオリティー」はドレスコードで、想像していた以上に「コネクション」がモノを言う世界だと言うことが分かった。
「繋がり」を作る為には、時間と予算が必要で(※試写会をやるにも予算が必要)、それを的確に運用する知識&経験が必要。
「繋がり」を作る作業に関しては、僕らが手探りでやるのではなく、キチンと知識&経験があるチームに、キチンと業務委託した方が良いでしょう。
 
今回のクラウドファンディングで、余分に支援が集まれば、その分は全額、現地の配給会社さんにお渡しして、「映画のプロモーション」および「コネクション作り」に使っていただく。
 
とにかく、「コネクション作りにコスト(スケジュールや予算)を割く」という意識を今以上に持たないと、世界では確実に通用しない。
通用しないどころか、試合にも出られない。
 
 

『映画 えんとつ町のプペル』の次の作品のこと
 
現在、絵本でいうと、2本の新作の制作をチマチマと進めております。
(※ミュージカルと歌舞伎が入ったので、後回しになっちゃった)
 
それとは別で、映画の次回作のことも考えねばなりません。
 
今回、アメリカに来て痛感したのは、「『映画 えんとつ町のプペル 2』は、今回のように、世界中の映画祭から招待されることはない」ということです。
 
それは、『鬼滅の刃』や『エヴァンゲリオン』が、海外の映画祭に絡んでこないように、やはり、賞レースで取り上げられる作品と、娯楽作品は、住む場所が違います。
当然、「どっちが偉い」とかいう話ではありません。
どちらも素晴らしいです。
 
基本的には「シリーズもの」は賞レースには不向きで(完全にNOじゃない)、再び、海外の映画祭を回りたいのであれば、全く別の作品を作る必要があるでしょう。
それか、それらを無視して、『えんとつ町のプペル 2』を作るか。
 
こう書くと、「どっちを選ぶ?」という話になりがちですが、許されるならば、両方、取りに行きたいなぁと思っています。
えんとつ町のプペル 2』のストーリーはもうできているので、これはこれで形にしたいし、それとはまた別で、またゼロから、海外の映画祭を総ナメするような新作も作りたい。
 
サロンメンバーの皆さんと共有しておきたいのは、「2を作っているということは、今回は賞レース狙いじゃないんだな」といったようなこと。
このことを理解し合えていると、方向性がクリアになって、足並みを揃えやすいなぁと思って、こんな話をさせていただきました。
 
 

まとめ
 
駆け足でお届けしてまいりましたが、ザッとこんな感じです。
実は、サロンメンバーの皆様とは、まだまだ共有しておきたいことがあるので、また日をあらためて、どこかで同じような回を設けたいと思います。
とりあえず、手持ちのカードを整理して、正しく切っていきたいと思います。
 
世界、狙いましょう。
現場からは以上です。
 
【追伸】
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