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2022年01月18日のエンタメ研究所の過去記事

おはようございます。
お正月の『志の輔らくご』のことを「初詣」と呼んでいるキングコング西野こと「志の輔沼の住人」です。
#今年も無事に初詣に行ってきました
#本家の初詣には行っていない

さて。
今日は「『売り方』で売る時代の終わり」という、少しヒリヒリした話をしたいと思います。

 

自分が買わないものを売ろうとするタコ

現代病の一つに、「自分はSNSのタイムラインに流れてくる“他人の宣伝”をガン無視するクセに、自分の商品やサービスをSNSで宣伝してバズらせようとする」があります。

「自分が要らないものは、相手も要らない」という至極シンプルな理だと思うのですが、被災地に千羽鶴を送るタコ(二次災害製造機)が消滅しないのと同じように、「自分が要らないモノを懸命に売り続けるタコ」はいなくなりません。
#そんなことよりも口が悪い

そりゃ新海誠監督の「お知らせ」ならば、「どんどんくださーい!おかわりーー!」といったところですが、
「何の結果も出していないし、何の信用も獲得していない、まだ何者でもないタコブサイク」がSNSで四六時中宣伝したところで誰かに届くわけがなく(※お前も、そんなヤツに興味ねぇだろ!)、「なんで、お前が、結果を出した人のスタンスで、お届けしてんだよ」といったところ。

さすがに口が悪いですが、ただ、「自分が買わないものを売ろうとするタコ」は、よく見かけますよね?
「あ。俺…やっちゃってる」と心当たりがある人もいると思います。
#ごめんね

構造的にはコレと同じ問題だと思うのですが……コンサルをやっていると「どうやって売っていけば(集客していけば)いいですかね?」という相談をよく受けます。

「…いや、そういった相談を受けるのがコンサルだろ」といったところなのですが……どういうわけか皆さん、「売り方に問題がある」が前提にあるんです。

でも、自分がお客さんになった時に、自分の目の前に流れてきた(=売り方の上手い)ウンコみたいなサービスや商品や作品を買います?

現代人って、そんなウンコに手を出すほど、選択肢が不足してますって?

Amazonで注文すれば翌日に商品が届いて、
自宅では、Netflixやらが世界レベルのコンテンツを毎日届けてくれる。

先日のサイレントオールド(※歌舞伎から滝沢歌舞伎に流れた年輩のお客さん)の話と同じで、選択肢に溢れた時代を生きる僕ら(お客さん)の目は、ここ数年で一気に厳しくなってませんか?

ここは絶対に整理した方がいいと思っていて、ザックリとまとめると「『売り方で売れる時代』は確実にあったけど、もうその時代は終わって、本物志向の時代に入ったよね」というところだと思います。

数千万回言っていることですが、ディズニー作品(圧倒的クオリティー)か、我が子が描いたイラスト(圧倒的コミュニティー)にしか、時間やお金を払わなくなってきていて、中間はマジで要らない。

先日、とある絵本作家の卵から「僕の絵本はどうすれば売れますかね? 忌憚ない意見をください」と言われたので、「絶対に売れないよ。キミのことを誰も知らないし、絵が下手だし、ストーリーが絶望的におもんないから」と忌憚ない意見を返しました。

そんなモノをなんとか売ろうとすることが(※売り方を工夫して売ろうとすることが)、グローバルクオリティーか、ローカルコミュニティーと戦わなきゃいけない現代においては、本当に時間とお金の無駄で……いいかげん、己の非力を認めて、そして、『売り方で売る時代』が終わったことを受け止めた方がいいと思っています。

問題は、「自分の作品は5割増しで見える」という“手塩にかけて育てた補正”がかかってしまうことと、近くにいる人ほど「こんなウンコみたいな作品、誰も要らねーよ」が言えないこと。

堀江さんや鴨頭さんがやっている焼肉屋さんって、上手くやっているように思われがちだけど(上手くやっているけど)、シンプルに「他より美味しい」んです。

時代は明らかに成熟して、「抜け駆け」のようなマーケティングは1ミリも通用しなくて、多くの人が思っているよりも、ずっとずっとフェアな「本物だけ残る世界」が始まっています。

ここを受け入れないと本当に終わっちゃうと思ったので、耳の痛い話をさせていただきました。

お互い、
売り方ではなく、商品を磨きましょう。

現場からは以上でーす。

 

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