西野亮廣のエンタメsalon

西野亮廣エンタメ研究所の過去記事を中心にアップしてます

2022年01月23日のエンタメ研究所の過去記事

日曜日の今日は仕事のゴリゴリ話は少しお休みして、今、ボケーっと思っていることをツラツラと書いてみます。

とにもかくにも激動の1週間でした。
なんといっても、新作歌舞伎『プペル ~天明の護美人間~』の千秋楽の公演中止。
厳密にいうと、千秋楽と、千秋楽前日の二日間が公演中止となりました。

出演者の精神的なダメージもありましたが、主催者が背負う事になる「公演中止に伴う金銭的なダメージ」も大きく、ザッと3000〜4000万円といったところでしょうか。

そんなわけで、公演中止が決まった瞬間に、3000〜4000万円を一人(ときどき田村P)で稼いで、その全額を実行委員会(主催者)に渡すことを決めました。

「いい人ですね」と言われるのですが、「いい人」とかそうのじゃなくて……『公演中止による損害を回収することは可能である」というところを見せないと、今後の「公演中止」の判断に迷いが出てしまいます。

僕らが最も大切にしなきゃいけないのは、お客さんであり、キャストであり、スタッフです。
彼らの安心安全の確保に迷いが出てはいけません。
リーダーが公演中止を躊躇う理由の一番は「お金」なので、まずは、その問題を徹底的に潰す。

今、新型コロナウイルスの影響で、いろんな公演が中止になっていますが、「公演中止に伴う金銭的ダメージ」を少しでも軽くする運動(予算の回収)が、キャスト側から起きていないことに少し疑問をもっています。
「俺はキャストだから知らねーよ」じゃなくて(※そんなことを言い出したら、僕は脚本家だぞ)、この問題に手をつけないことが、巡り巡って(中止の判断を遅らせて)、お客さんやチームメンバーを危険に晒すことになることに想像を働かせるべきだと思うのですが…これは考えすぎでしょうか?

「判断」というのは、個人が判断しているのではなくて、“状況が個人に判断させている”ので、「正しい判断をする状況」を作っておくことが大切だと思います。
とにもかくにも、3000〜4000万円は僕個人で稼いで、そいつを全額お渡しして、回収の前例を作ります。

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空き時間に、そんなこと(予算回収)をやりながら、昨日からホテルに籠って、新作の執筆に入っています。
もう僕もイイ年齢だし、相手はサロンメンバーさんなので、全て晒け出していいと思うのですが…新作の執筆に入った時の僕が、僕の中で最もナイーブです。

普段の生活だと、あまり怖いものはないのですが(※お化け屋敷が怖いぐらい)、この時ばっかりは「もし、書けなかったらどうしよう…」とビクビクしています。
筆が進まない膠着状態が続けば続くほど、「ああ、やっぱり、ダメなのかもしれない。最初からやり直した方がいいのかな…どうしよう」とメソメソ。
「女々しい」の境地に辿り着き、たぶん、おっぱいもチョット出てきます。

今回は映画『えんとつ町のプペル 2』の脚本と、絵本『ボトルジョージ』の脚本の執筆で、ホテルに籠っています。
そして残念ながら、昨夜は筆が1ミリも進みませんでした。
頭を切り替えようと思って、SNSを覗くとTLに流れてくる「仕事が上手くいっている人」を見ては、「いいなぁ〜」と溜息をこぼす朝。

外から見ると、『キンコン西野』は「なんだか上手くいっているヤツ」といった感じかもしれませんが、こうして蓋を開けてみると、「予算の問題をなんとかしなきゃいけない」と思い続けているし、筆が進まなくて、メソメソして、他人を羨ましがっています。
「才能」や「男らしさ」のカケラもありません。

いつかは変われると思って頑張っているのですが、新作の執筆の時は、いつもこうで、きっと、これからもこうです。
「私は、ダメだなぁ〜」と頭を抱えている方に、僕のこの、みっともない姿を知って欲しいと思って、今日はこんな記事を書かせていただきました。

ダメ人間同士、お互い半歩ずつ進んでいきましょう。

それでは素敵な日曜日をお過ごしください。

西野亮廣(キングコング)

 

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