西野亮廣のエンタメsalon

西野亮廣エンタメ研究所の過去記事を中心にアップしてます

2022年02月05日のエンタメ研究所の過去記事

おはようございます。
「人生は野菜スープ!」という吹き出しが入っていたりする幻冬舎の見城社長のLINEスタンプ(※どのシチュエーションで使うねん)を世界で一番使用しているキングコング西野です。

さて。
今日は『経営者の視点を持たないスタッフは必要とされない』という、世の経営者さんがなかなか言えない“本当のこと”を包み隠さずお話ししたいと思います。

今日は世の「社員さん」に向けた記事です。

 

とっとと冷や水をかける

CHIMNEYTOWNにインターン生が入ってきたこのタイミングで、この内容をお届けしちゃうと、なんか牽制しているみたいでイヤなのですが…しかしまぁ、(ほとんどの経営者が内に秘めている)本当のことなので、キチンとお話します。

『経営者の視点を持たないスタッフは必要とされない』という話です。
経営者目線で言うと「今時、そんなスタッフ、いらない」です。

昔から「指示待ちのスタッフ」「言われないと動けないスタッフ」「自分で考えられないスタッフ」は現場で煙たがられてきました。
本の学校教育が量産する最もスタンダードな人材です。

学校にゴリゴリ洗脳されてきた子達は、社会に出てからも「宿題」めいたものが天から降ってきて、それを“こなせば”自分に価値が付くと信じてやみませんが、そんなのは成長社会(1997年頃まで)の価値観で、気づいていない方も多いですが、今はなんと2022年なんです。

高品質な(だけの)商品を作ったところで、売れないし、ならば「安さ勝負」に打って出たところで、競合がもっと安く提供するわ、挙げ句、グローバル企業が無料で提供するわ…ふんだり蹴ったり。

「足りていないもの」を満たす(埋める)ことで、仕事が成り立っていたのに、あたりを見渡すと、「足りていないもの」が無い。
お腹も空かせていないし、移動にもあまり困っていない。

恐ろしいのは、成熟社会に入り20年が経とうとしている中、今日も元気に「成長社会の生き残り方」を教える小学校中学校高校。

「大学でマーケティングを学びました」と言われたので、「今の時代を捉えられるマーケターが大学の先生になるわけねぇだろ。大切なことを誰から学んでんだよ」と返したら、完全に怒られました。
#その先生の給料が1億円とかなら分かる

話がそれました。戻します。

20年近く社会(現代)を見てこなかった子達が社会を見た時の絶望感たるや半端なくて、CHIMNEYTOWNに来た子達が最初にくらうのは「僕は、これまで何をやってきたんだ…」という自己嫌悪だったりします。

酒が入り黒西野が顔を出した時は、「キミがこれまでやってきたのは、ただの『暗記』で、残念ながらキミはまだ一度も頭を使ったことがない」と言います。
#絶対に性格が悪いやつ

僕が大好きな『花男』という漫画では、父ちゃんが、学校の勉強を頑張る息子を海に放りなげて、「冷たいか? それが『海』だ」と言い放つ名シーンがあるのですが、CHIMNEYTOWNでは、今日も若手スタッフが海に放り投げられています。

「チャンスはやるから、痛みや恐怖の類いを一度背負ってみろ」といったところです。

会社としては若手に任せるとそれなりの代償を支払うことになりますが、「自分で考える身体」に変えるのは、早ければ早い方がいいんだろうなぁというのが、しばらく上司をやってみた(今のところの)僕の結論です。

 

キミの手札が弱いことぐらい分かっている。その手札でどう戦うか?を見せろ。

以前、新R25さんの対談で、「強さ」と「優しさ」の話になりました。
縦軸が「強さ」で、横軸が「優しさ」の4象限です。

そうすると、右上から時計回りに…
①強くて優しい
②弱くて優しい
③弱くて優しくない
④強くて優しくない

となります。

③と④は問題外で、なんだか②は「イイ人」みたいになっていますが…資本主義社会では、②は成立しません。

溺れかけている人の手を引くには、自分の身体を片腕で守れるだけの強さが必要だからです。

結論、人に優しくある為には「右上」に行くしかないのですが、これだけルール変更が秒速で起きて、臨機応変に対応していかないと死んでしまう時代だと、「この状況で、この手札で、どう戦えば生き抜けるか?」という経営者の視点を持っていないと「右上」には行けません。

強くなる為には、人に優しくある為には、手札の威力を最大化する「したたかさ」が必要だと思います。
上手くやりぬく賢さです。

この記事は、経営者や個人事業主だけじゃなくて、勤め人も読んでくださっていると思います。
#うちのインターン生とかもそうだね
たぶん、もっと考えて、もっとしたたかさを持った方がいいと思います。

たとえば…

キングコング西野がイベントをするとします。
そりゃ、キングコング西野が告知するのが最も効果的なのは間違いありません。

その時、「僕のフォロワーに告知したところで、実際の数字には反映しないし、まぁ、いいか…」と考えたりすることがあると思うのですが、それはとっても頭の悪い判断で、そういう時の告知というは「表向き」じゃなくて、「内向き(社内向け)」のアピールで、経営者って、そこを見てるんです。

その下心(したたかさ)も込み込みで、「あぁ、この子は自分で考えられる子なんだな」と判断し、その子に次のチャンスを渡します。
現代を生きる僕らは、その積み重ねで「強さ」と「優しさ」を獲得していくわけです。
もう、単純作業をたくさん繰り返したら、強くなれる時代じゃないんですね。

自分で考えなきゃ、強くなれない。
自分で考えなきゃ、優しい人になれない。

そして、どこまでいってもサービス業ですから、誰も、優しくない人とは働きたくない。

「影響力の少ない社員の告知は何の為にはあるのか?」ぐらい中学校で教えてやれよ…とは思いますが、こんなことは、向こう100年、どの先生も教えてくれないと思うので、サロンでチョコチョコ言っていきます。

現場からは以上でーす。

 

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