西野亮廣のエンタメsalon

西野亮廣エンタメ研究所の過去記事を中心にアップしてます

2022年02月06日のエンタメ研究所の過去記事

おはようございます。
日曜日の今日は仕事のゴリゴリ話はお休みして、今、ボンヤリと考えていることを、着地点を設けずにお話ししたいと思います。
「…ん? 何の話、してんだ?」となっても怒らないでください。
すべては日曜日のせいです。

 

コツコツと

先日、幻冬社の箕輪さんがで「楽して稼げる仕事があります。連絡ください」とシャレでツイートしたところ、リプライやDMが止まらなかったそうです。

慌てて「いや、これ、詐欺ですよ!ネタです!」と訂正ツイートをしても、「楽して稼げる仕事を教えてください」という連絡は止まらなかったそう。
#つまりファクトチェックをしていない

このような手に引っかかる方(※箕輪さんのは被害者は出てないよ!)は昔からいたと思うのですが、ここ最近、「貧すれば鈍する(=貧しくなると頭の働きまでも鈍くなる)」が加速しているような気がしています。
#あくまで個人的感想です

もともと人は弱い生き物で、ラクな方に流れる性質を持っていますが、しかし同時に、ブレーキを踏む判断力も持ち合わせているハズです。

ところが、今、様々なものが、その判断力(ブレーキ力)を溶かす後押しをしていて…たとえばインターネット。

PPAPジャスティンビーバー君にシェアされて世界的にヒットしたり、小学生の落書きNFTに大きな値がついたり……「そんな甘い話があるハズがない」が否定されてしまうような出来事が…つまり「夢のように甘い話」が僕らの目の前で実際に起きて(タイムラインでまわってきて)、皆、「後に続け!」と、
確かなクオリティーや、確かなドブ板営業を投げ捨て、
天文学的確率のSNSドリームに釣られ、
天文学的確率にNFTドリームに釣られ、
今日も死屍累々の山を築いています。

「クオリティーから逃げちゃダメだ」「ドブ板営業を辞めちゃダメだ」と、どれだけ言っても届きません。

ちなみに、昨日、本田圭佑さんとランチに行き、互いの仕事の情報交換をしたのですが、世界の本田曰く「結局、大切なのはドブ板営業っすね」。

本田さんの言葉が答えなのですが、『ドブ板営業が大事』という本は絶対にヒットしません。

皆が聞きたいのは、
皆がチャンネルを合わせるのは、
皆がクリックするのは、
ラクして稼げる話」です。

ここにコロナがやってきて、皆がちょっとずつ貧しくなって、これまで以上に「天文学的確率の甘い話」や「目先の利益」に走ります。

誰かの揚げ足をとって、ヘイト集めの記事や動画をアップして、クリック数や再生回数を稼いで、5000円を稼いで、何になる?

その代償として、「自分の時間」や「自分の(見込み)応援者」を失って、トータルはマイナス。

手元にあるのは5000円札だけで、資産となるものが何も残さす、老後に突入。

ジャスティンビーバーがあなたのツイートをシェアすることは無いし、
クオリティーを無視したあなたのNFTに高値がつくことは無い。

ラクして稼げる」に走ったあなたは、まんまとカモにされて、笑っているのは人間の弱さをハックしたプラットフォームだけ。

今、僕よりも一回りぐらい年齢が上の先輩方(芸人やタレントやクリエイター)の生活が困窮しています。

皮肉なことに、彼らはリクエストに応えた結果、今、とても苦しい目に遭っている。

当時、求められていた仕事が、どれも「資産」になるようなものではなかったのです。

ただ一方で、

少し考えれば、その仕事が自分の資産にならないことぐらい分かったハズなので、「ラクな方に逃げていた」という見方もあります。

面倒の連続ですよ。
絵を描くのも、物語を書くのも、資金繰りも、挨拶回りも、ドブ板営業も、何もかも。

それらはすぐに結果に反映されるものではないので、目先の利益に走った成金からマウントをとられることもある。
だけど、そこから逃げると何も残らない。

自分の大切な人には、
サロンメンバーさんには、
そういった面倒から目を背けて欲しくないなぁと思っています。

呼びかけるだけなら誰でもできるので、まずは自分がやってみせて、「遠回りに見えるかもしれないし、地味でつまらないかもしれないけれど、こうすれば、こんな結果が出るよ」を伝えていきたいと思います。

今日もアトリエで一人。
数年後に発表する映画の脚本を書いています。

朝は珍しく筆が走っていたのですが、さっき止まっちゃいました。
夕方から、また再開して、なんとなく明日の朝まで頑張ります。

今日も地味で仕方がない毎日をおくっています。
コツコツと頑張ります。

素敵な日曜日になりますように。

西野亮廣キングコング

【追伸】
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