西野亮廣のエンタメsalon

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2022年02月08日のエンタメ研究所の過去記事

さて。
今日は『バレエを作る ~運用を見越して作る~』というテーマでお話ししたいと思います。

 

バレエの脚本執筆が始まる

映画や絵本やミュージカルや歌舞伎や町を作ったりしながら、今は、「バレエ」も作っています。バレーボールではなくて、白鳥の湖的なやつです。

初耳の方もいらっしゃると思うので、バレエを作ることになった経緯を簡単に説明させていただくと、バレエスタジオを運営されているオンラインサロンメンバーの「関はるか」サンが「プペルでバレエを作りたいんすけどっ!」と声を上げ、スッタモンダがありまして、「西野も制作に加わった方がいいだろ」的な感じになり、今に至ります。
#説明終わり

今回、僕は「脚本」で参加させていただきます。
「バレエで脚本? ん? バレエって台詞あったっけ?」と疑問を持たれる方もいらっしゃると思うのですが、ご安心ください。僕も思っています。

今、書いているのは(昨日書き始めた!)、映画やミュージカルや歌舞伎のような「台詞&ト書き」の脚本ではなく、「ココで○○をして、その次に主人公がA君とぶつかって、そこで△△なトラブルが起きて、そのタイミングで、この曲が始まって…」みたいな感じで、「全体の動き(流れ)」が書かれている設計図めいたものです。

※)ト書き=状況や行動を支持する部分

「演出のヒントとなれば…」と、照明や音楽や舞台装置の使い方も書いているのですが、そんなモノを書いていたところ、関さんの方から「西野さんが演出もやってくれませんか?」とお願いされたのですが、そちらに関しては丁重にお断りしました。

その理由の説明を(皆さんにも)しておかないと、なんか「イジワル」で断ったみたいになっちゃうので、お話しします。

 

日本のバレエ文化って面白い

まず、西野が「演出」を引き受けなかった理由として、「お客さんの期待値が死ぬほど上がっちゃうから」があります。

西野が『脚本・演出』で参加すると、お客さんは間違いなく「とんでもないセットで、とんでもない衣装で、ドッカーン!」を期待します。
武道館イベント(サーカスやキングコング LIVEなど)や、ミュージカルや歌舞伎のようなあの感じです。

それはそれで面白いのですが、その期待に応えるには、僕が「資金繰り」から入らなきゃいけなくなって、なかなかの時間が取られてしまいます。

ここだけの話、『サーカス(@日本武道館)』なんかは、「資金繰りも集客も演出も西野がやるんだったら、西野個人のイベントで良くね?」みたいな話も上がっています。

…まぁ、そりゃそうなりますね(笑)

このへんは本当に難しいところで、「他社さんと組む」となった場合、なかなかウィンウィンの状態を作りにくかったりします。

本腰を入れて作るのなら、映画の製作委員会のような形で、「貢献度を明らかにして、株を持ち合う」というのが一番綺麗な落とし所だと思います。
#実に大人な話

次に、西野が演出で参加しない2つ目の理由は、「西野が作り込んでしまうと、他の人が再現できない」があります。

今回は「バレエスタジオの発表会で使われる演目を作る」がゴールにあります。
関さんのスタジオだけじゃなくて、他の地域のバレエスタジオの発表会の演目の選択肢の中に入れてもらうことを考えているわけです。
「今年、何する? 白鳥の湖? くるみ割り人形? プペル?」みたいなノリで。

つまり、“他のスタジオさんが再現できるように”作らなきゃいけないんですね。
そうなってくると、舞台セットにウン億円とかかけてる場合じゃないんです。
そんなバカ(採算鬼度外視)なこと、西野ぐらいしかできないんだもん。

「西野が演出する」となったら、とんでもないモノが期待されてしまう。
その時、「今回は、他のスタジオでも再現できるように、予算を押さえました」という裏設定は、お客さんからすると知ったこっちゃないんですね。
普通に「西野の舞台を観に来たのに、今回は、なんだか殺風景だな…」と思われて終わりです。

このミスマッチを起こさない為に、「演出」に僕の名前は入れない方が良いでしょう。

さて。
面白いのは、「日本のバレエ業界の形」です。

「バレエの本場」といえば、ロシアやフランスといったところですが、日本はなんと「バレエの(生徒)人口」が世界一なんです。
調べたところ、「推計40万人」とありました。

ロダンサーの活躍の場は少ないものの、「教室」という観点だと日本はバレエ大国なんですね。
バレエの発表会に集まるのも、バレエ経験者や、そのご家族です。

つまり…

こと日本において、バレエのお客さん(メインターゲット)は、「純粋なお客さん」ではなくて、「バレリーナ(と、そのご家族)」なんですね。

なので、「客席に座っているお客さんが再現できるコンテンツ」というのが、とっても大事なんです。
「誰にも作れないモノを作る!」と息巻いていたミュージカルとは真逆です。

これからバレエを作るにあたり、このことは皆さんにも共有しておきたいと思いました。

先日の打ち合わせで、関さんから「『プペルバレエをウチもやりたい!』というスタジオが20〜30あれば、レンタル衣装屋さんに、プペルバレエのレンタル衣装を作ってもらえます。…あの、…西野さん。…もし良かったら、呼びかけてもらえませんか?」とお願いされました。

「このプロジェクトにおける西野の役割は何なんだ?」というところではありますが、しかしながら、面白いことには協力したいので、「プペルバレエ、うちのスタジオの発表会でもやりたいかも!」という方がいらっしゃいましたら、お声がけください。

「発表会版(7月3日)」と「プロ版(10月4〜6日)」の2公演を予定しているのですが、「発表会版」は小さなスタジオでも再現できるように(大きな予算がかからないように)作ります。
お見知りおきを。

現場からは以上で〜す。

 

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