西野亮廣のエンタメsalon

西野亮廣エンタメ研究所の過去記事を中心にアップしてます

2022年02月14日のエンタメ研究所の過去記事

おはようございます。
「1週間読まずに置いていた本は、結局、一生読むことはない」という、メッセージがよく分からない『ことわざ』を思いついたキングコング西野です。
さて。

今日は『飛行機ホテル【延長戦】』というテーマでお話ししたいと思います。

ごめんなさい。
昨日で終わらせるつもりだったのですが、西野亮廣、熱くなってます!
よろしくどうぞ。

 

 

サロンメンバーと宿を作る
 

一昨日は「何故やるのか?」の話をさせていただき、昨日は「どうやるのか?」の話をさせていただいたのですが、「どうやるのか?」がまだまだ話し足りません。

僕は、先々、皆様にもご協力いただくつもりでおりまして、このような大きなプロジェクトを進める場合は、やっぱり「説明」「情報共有」が何よりも大切だと考えています。

というわけで今日は、「どうやるのか?」について、“より細かい部分”をお話しします。

伊豆大島に作ろうとしている宿は「森と海と空を、独り占め」がコンセプト。

今回は海の向こうの富士山がバッチリ見れる方角(土地)を確保し、格納庫の大窓(飛行機の向き)も、お風呂も、“真正面に富士山がくるように”作るのですが、天候によっては「見れない日」もあるので、「富士山が見れる宿」という打ち出し方は控えた方が良いと考えています。

このあたりは西野先生お得意の「期待値コントロール」ですね。
「富士山」というキーワードは出さずに集客をして、「今日は運が良かったので富士山が見れました」とした方が満足度に繋がるでしょうし、逆に、「見れない日」でも不満に繋がりません。

特に「オフシーズン」と「雨の日」の満足度デザインに関しては、もう少しまとめてから、また別の機会にお話ししようと思いますが(ホテルシリーズはまだまだ続くぞ!)、とりあえずココでは「何事も『期待値コントロール』が大事だよね!」という感じで、まとめておきます。

ところで。

今回の『CHIMNEY HOTEL(仮)』の運営会社について、まだキチンとお話しできていなかったので、お話しします。

とってもとっても大切な「株」とかの話です。

YS-11第二次世界大戦後に初めて日本のメーカーが開発した旅客機)は知人と「共同購入」という形で購入したのですが、その時に「Y S-11」を保有する『CHIMNEY air』という会社を作りました。

なので知人とは『(株)CHIMNEY air』の株を持ち合う…という形でスタートしました。

その後、知人の株を買い取る形で、「『CHIMNEY air』(YS-11)は、100%自分達のもの」としたのですが、今回、「伊豆大島で何か面白いことをご一緒できませんか?」と声をかけてくださったサロンメンバーさんと話が盛り上がり(何度も伊豆大島に通いました!)、「だったら本気でやりましょう!」と、『CHIMNEY air』(YS-11)の株を“持ち合う”ことになりました。

「飛行機を買ってから、ホテル事業の立ち上げまでの間に、株主が移動したよ」というご報告です。

そんなこんなで、伊豆大島のホテルの運営会社というのは、サロンメンバーさんと共同オーナーを務める『CHIMNEY air』です。

突貫工事でつけた名前なので、ホテルの方向性がもう少しまとまれば、もしかすると社名変更するかもしれません。

以上、少し大人の話でした。

続いて、今回のプロジェクトで、ものすごく大切になってくるであろうポイントについてお話しします。


 

「箱」で呼ぶんじゃない。「人」で呼ぶんだ。
 

宿を作ることが決まってから、積極的に、そして意識的に宿に泊まるようになりました。

集客に成功している宿、苦戦している宿、高い宿、安い宿…とにかくたくさん泊まって、その「成功」と「失敗」と「高い」と「安い」の理由と原因の仮説を立て、確認してまわる日々。

ホームページには「徒歩10分」と書かれていても、「体感時間」までは書かれていないので、やはり、自分の足で確認するしかありません。

そうして、いろんな宿を転々としていた中、先週お邪魔した(サロンメンバーさんが運営している)北海道の宿『MAOIQ(マオイク)』は本当に勉強になりました。


※MAOIQのH P→https://maoiq.jp/

オーナーさんが建築士さん(違ったっけな?)ということもあり、建築の話もたくさん聞かせていただいたのですが(※「このデケエ窓のメンテナンスって、どうやってるんですか?」など)、なにより、MAOIQが『飛行機ホテル』同様「一棟貸切」というスタイルだったので、学ぶことだらけ。

僕は、メディア映えするような議論をほとんど信用していなくて、「現場(死線ギリギリ)でもがいている経営者」の声を信用しているので、こういった「実際に一棟貸しの宿を運営されている方の声(現場の声)はヨダレもの。
結局、2夜連続で呑みに行かせていただきました。

いろいろ込み入った話をさせていただいたのですが、やっぱり気になった「コロナ禍をどう過ごされたのですか?」という質問もさせていただきました。
そこで返ってきた答えが最高だったので(脳内メモをとりまくり!)、共有させていただきます。

以下、オーナーの「ヨースケさん」の言葉です。

「コロナが襲ってきて、客足が本当に途絶えてしまって、そこそこ絶望したんです。どれだけ宣伝をかけたところで、新しいお客様が来てくださることはほとんどない。

だけど、やっぱり諦めたくなくて、この状況の中でやれることを探したところ…お恥ずかしい話ですが、出てきた答えは『これまでお越しくださったお客様に声をかける』だったんです。

そうして、『ダメもと』で声をかけてみたところ、なんと、本当にたくさんの方が『リピーター』として来てくださったんです。

皆さん、助けに来てくださったんですかね(笑)?

でも、これ…たくさんのお客様を抱えるホテルだったら、ちょっと難しかったかもしれません。
ウチは「一棟貸し」なので、物理的に、お客様と一対一で向き合うことになります。

そうすると、私みたいな者にも『今年も会いに来たよ』と言ってくださるお客様がいて…そして今、相変わらずのコロナ禍ですが、そういったお客様に支えられています」

聞けば、MAOIQはリピーターが本当に多いのだそうです。

たしかに、僕自身、「毎年行く場所」はあまりありませんが、「久しぶりにあの人に会いたい」はあります。
自分がリピートしている場所は、「箱」ではなく、「人」が理由になっていることがほとんど。

それにつけて、「ウチは『一棟貸し』なので、物理的に、お客様と一対一で向き合うことになります」は説得力しかありません。
事実、こうして一対一で部屋呑みまでしているんですもの。

#二日目は街の焼肉屋さんに行きました
#代行タクシーが掴まらないトラブル付き

この話は、そっくりそのまま、伊豆大島に作る『飛行機ホテル』に言えると思いました。

どれだけ立派な「箱」を作ったところで、人というのは、そもそも「箱」のリピーターになるよりも、「人」のリピーターになる方が近い。

『飛行機ホテル』に必要なのは、「困った時にだけ近くにいてくれる人(コンシェルジュ)」で、この人材を確保しない限り、絶対に成功はないと思いました。

試しに一度、一定期間、僕がアルバイトで入ってみようかなぁと思っています。
空港や港から宿までの「送り迎え」など。

このへんも、いろいろ探った上で、また共有させていただきます。
飛行機を買おうが、デケエ土地を確保しようが、富士山をゲットしようが、素敵な建物(お風呂)を作ろうが、最後の最後は絶対に「人」だよね…というお話でございました。

最後に、「セールスポイントにするつもりがない(オマケにするつもりの)伊豆大島から見える富士山」の画像と、「仕事がはかどったMAOIQ(https://maoiq.jp/)の部屋の画像」を貼っておきます。
 

マオイクの暖炉
https://vimeo.com/677017249/8db477fcb6

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