西野亮廣のエンタメsalon

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2022年02月18日のエンタメ研究所の過去記事

おはようございます。
街中で、背後から突然、大男に襲われ(抱えられ)、死ぬほど怖い思いをして、恐る恐る犯人の方を振り返ったら、ミュージカル俳優の吉原光夫さん(プペル役)が満面の笑みで「ビックリしました?」と言ってきたのですが……そもそも吉原さんの顔面が怖いので、ドッキリと分かった後も怖さが抜けなかったキングコング西野です。
#むしろ怖さが増した
#カタギの人間の顔じゃない

さて。
今日は『橋渡し役としての不動産』というテーマでお話ししたいと思います。

 

手触り感(質量)があるものって大切な
 
昨日は『スナック西野』の収録がありました。
ゲストは、ホームレス小谷君(天才万博の主宰)と、建築士の只石さん。

只石さんは、個展会場や、武道館や天才万博のステージを手掛けたり、町(西野家を含む)を作ったりしている人です。

※只石さんのオンラインサロンはコチラ。ひたすら建築と空間の話をしています
https://salon.jp/tadaishi

小谷君と只石さんなので、当然、年末の大忘年会『天才万博』と、現在、進めている『町づくり』の話になるわけですが、どちらとも、リアル空間で作られるものです。

こんな活動をしているもんだから、NFT関連の話をよく持ちかけられるのですが…リアル空間とデジタル空間に片足ずつ置いている身からすると、やっぱり「リアル空間」の大切さを痛感します。

そんなわけで、「何故、質量あるもの(町とか劇場でおこなわれるアレやコレ、あるいは額装された作品)を押さえておくことが大切なのか?」について、お話ししたいと思います。

去年頃から『NFT』という言葉を一般の方からも聞くようになりました。
NFTの説明ができる人はまだまだ多くありませんが、NFTの認知度は、この一年でグンと上がったと思います。

ただ、このことは、あまり議論されていませんが(ほとんどの人が把握できていませんが)、今現在『NFTの定義』がまだまだ明確になっていないので、「それはNFTじゃないだろ!」「いやいやコレもNFTだ!」みたいな論争が起きていたりします。

「『ハヤシライス』をカレーライスの仲間にするか、ビーフシチューの仲間にするか?」みたいな論争です。

今、いろんな企業が独自のマーケットプレイス(NFTを売ったり買ったりできる市場)を開発していますが、X社のマーケットプレイスで買ったNFTが、別のマーケットプレイスで売れなかったりすることもあって、「それは、NFTじゃないだろう!」という声があったりするんですね。

ブロックチェーンの正義は「自律分散型」であり、アンチ中央集権(=親を抜きに自分達で経済を回してやるぜ)なので、「運営会社から外に出ることができない(運営会社と契約関係にある)NFTはNFTとして認めない」という運動が起きていたりします。

このあたりの話は、今度の勉強会(DAOって何?)で詳しく話し合いましょう。

ただ、面白いのが、「そもそも購入したNFTを転売する気が一切無い人」もいて、その人からすると、OpenSea(別の売り場)で販売することができない「エセNFT」と呼ばれるモノであろうと、運営会社が限定数(価値)をキチンと担保してくれさえすれば、それでイイ。

そんなこんなで、最近は、「ブロックチェーンとか、ウォレットとか、イーサリアムとか…よう分からへんわ。横文字やめて~」という日本人に向けて、『銀行振込みでも買えるNFTのようなもの』が普通に出回っていて、これがまた、そこそこ受け入れられていたりします。

独自の進化を遂げたガラパゴス諸島のごとく、今、日本のNFTは「横文字反対の高齢者島」ならではの進化をみせていて、個人的には結構面白いなぁと思っています。
#鎖国が生んだ文化

ただ、「銀行振込みで買えるNFT」のターゲットは、基本的には「日本のファン」で、世界の投資家から相手にされるものではなく、「ファングッズ」の域を超えないので、あまり高い値段がつくことはありません。

さて。

ここまでの話を少し整理すると、NFTには、「世界をマーケットにしたNFT」
と、
「横文字が苦手で、わずらわしい手続きもやりたくない日本人をターゲットにしたNFT」
の二つがあります。

そして、後者のNFTもそれはそれで(日本では)受け入れられていたりする。

リテラシーが低いお爺ちゃん用のイス』がキチンと用意されていて、そこに座る人がいるわけですが(※これ自体は悪いことでも何でもない)、こうなってくると、情報格差は広がるばかりです。

NFTの購入を銀行振込みで片付けてしまう人のまわりには、その人と同じような人が集まってきて、当然、スマホの内容もその人達の生活に最適化されますから、「DAO」や「メタバース」といった言葉がタイムラインに流れてくる頻度も少なくなるでしょう。

そうして「情報を閉ざしてしまった人達」に、どう『今の面白い』を届けるか?…が僕のテーマの一つです。

その時、「質量があるもの」が橋渡し役として、もってこいだと思っています。

「バカでかい建物や、とんでもないクオリティーのステージをセット」という情報は、自分の生活に最適化されたタイムラインではなくて、問答無用で、視界に入ってきます。

その時に、はじめて「?」が生まれて、「情報を閉ざした人」の方から説明を求められる。
そこで、説明するチャンスが生まれる。

「プペルのMV(作・蜷川実花)のクオリティーがハンパねぇけど、これ、どうやって作ったの?」「ああ、これはプロセスを販売してね…」といった。

日本でメタバース的な展開を加速させる(参加者を増やす)には、橋渡し役(説明がいらないバカげた質量のもの)が必要で、これを一発かましておかないと、リテラシー高めの一部の人達だけでウェイウェイ言うことになるでしょう。

というわけで、デタラメな町を作っています。
西野宅の基礎工事が終わりました。

現場からは以上でーす。

 

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