西野亮廣のエンタメsalon

西野亮廣エンタメ研究所の過去記事を中心にアップしてます

2022年02月19日のエンタメ研究所の過去記事

おはようございます。
昔、「上から読んでも『山本山』、下から読んでも『山本山』」というテレビCMがあって、そのコピーは今でも覚えているんだけど、山本山が何の会社(商品?)なのかを1ミリも覚えていないキングコング西野です。

今日は「こういう風に考えるとスッキリするかも」という“考え方”についてのお話ししたいと思います。
普段からよく言っている「資産化することが大事!」という話を、もう少し分かりやすい形で。

それでは、今日も、Let's サロン!!
#いっこうに流行らない

 

不安の根源は「お金」が減ることじゃない。 「労働力」が減ることだ

老後の不安を抱えていない人はあまりいないと思うのですが、多くの人は、不安解消の打ち手として『貯金』に走ります。

「60歳ぐらいまで働いて、そこから先は年金と貯金を食い潰しながら生きる」というグランドデザインが一般的になっていますが、このデザインには欠陥があります。

それは、「貯金食い潰しモード」に入ったら、生きれば生きるほど銀行残高が減っていくので、『極力、お金を使わない』を正解にしてしまうことです。

「日本は、高齢者がお金をため込んでいるからダメなんだ!」とよく言われますが、高齢者の脳内は「お金を使う→銀行残高が減る→不安」という図式になっているので、「そうは言われても使えないよ…」というのが本音だと思います。

「極力、お金を使わない」と決めると、当然、「そもそも、これまで何にお金を使ってきたか?」を考え始め、その結果、「人付き合い」
という答えを割り出すことになります。

人に会いに行くにも交通費がかかるし、食事をすれば、またお金がかかる。
誰とも会わずに、咳をしても一人。家で自炊するのが、一番の節約です。

60歳まで働き抜いて、その後は人生を謳歌できるかと思いきや、そんなことができるのは一部の人達で、多くの人の老後は、節約に生きることになります。

嫌みったらしく言語化すると、「孤独な人生をおくる為に、60歳まで頑張って働く」というのが現実です。

ちょっと、イヤですよね。
なんで、こんなことになっちゃうのでしょうか?

諸悪の根源は「60歳で労働を止めてしまうこと」です。
#これに尽きる

60歳で労働を止めて、入金をストップさせてしまうから、「支出を減らして、生き延びよう!」という結論を出さざるをえなくなる。

というわけで「60歳以降も働けばいいじゃん」と言いたいところですが、働きたくても働けないのが実際のところ。
体力は落ちるし、もの覚えも悪くなる。
そして、体力が落ちて、もの覚えが悪くなった人材を雇いたいと思う会社もない。

どれだけ前向きな想いを持っていても、そこには生き物としての厚い壁があります。

大切なことなので繰り返しますが、あらためて整理する必要があります。

どうして貯金をしなくちゃいけないのか?
答えは「労働力(生産量)が落ちるから」です。

結論、労働力さえ落ちなければ、貯金なんて1円も要らないんです。
だって、月末に入ってくるんだから。
#当たり前のことをゆっくり言っています

なので、老後の不安を払拭する為の正しい打ち手は『労働力を落とさないこと』です。

 

その労働で得たものは何だ?

とはいえ、肉体は老いていきます。
それは抗えません。

当然、肉体に働かせていたら、労働力は落ちます。生産物は減ります。

なので、労働力を落とさない為には“肉体以外のもの”に働いてもらう必要がある。

そんなこんなで、ここが今日の記事のサビなのですが、仕事には二種類あります。
「『お金』が対価になっている仕事」

「『労働力』が対価になっている仕事」
です。

前者は説明するまでもありません。
大切なのは後者で、これは「労働力を得るために労働する」というアクションです。

イメージしやすいところでいうと、『不動産』なんかがそうですね。
「頑張ってマンションやアパートを建てて、マンションやアパートに働いてもらう」という考え方です。

この考えを、もっともっと拡張させた方がいいと思っていて、それこそ今朝のVoicyでも喋りましたが、「プペル歌舞伎のドロップ幕のデータを売って、ドロップ幕の制作費をペイする(=ドロップ幕に働いてもらう)」なんて、昔は、できなかったんです。

舞台の労働力といえば、「キャスト」と「スタッフ」のみ!!
ドロップ幕は、あくまで舞台美術であって、公演終了後の「労働力」ではなかった。

ですが、デジタルデータの販売がカジュアルになったり、ブロックチェーンがデータの価値を守ってくれるようになったから、ドロップ幕を働かせられるようになった。

今、多くの人が『お金』を労働の対価として働いています。
もちろん、それも大切です。

ですが、すぐに自分事にはできない話だけれども(僕も「何に働かせてやろうかな?」と毎日考えているけれども)、

「時代が、肉体以外のものを労働力にしやすくしてくれた」

ということには、今の時代を生きる僕らはもっと目を向けるべきだと思います。

現場からは以上でーす。

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