西野亮廣のエンタメsalon

西野亮廣エンタメ研究所の過去記事を中心にアップしてます

2022年02月22日のエンタメ研究所の過去記事

おはようございます。
倒産した会社の社長と株主がガチ揉めしている動画がまわってきて、その中で「あなた、私に『忍者の格好をして飛べ!』と言ったんですよ!」という社長の言い分に対して、「そんなことは言ってない!」と株主が反論していたのですが、そんな口喧嘩の行く末よりも、「忍者の格好をして飛ぶ」が気になって仕方がないキングコング西野です。
#業界用語か
#はたまた忘年会の余興か

さて。
今日は、昨日の記事の少し延長戦になるのですが、うちの後輩の話をしたいと思います。
(※そういえば僕は「運動部→芸人」という経歴なので、「うちの部下(弊社の新人)」という言葉に馴染みがなく、「うちの後輩」と言っちゃってますね)

宜しくどうぞ。

 

スタッフを育てるのではなく…

昨日お伝えしたとおり、自分が死んだ後もエンタメ(サービス)を止めない為には、後輩スタッフの育成は必要不可欠です。

芸人の世界では「上司と部下」という関係はなく、「先輩と後輩」あるいは「師匠と弟子」という関係が一般的です。

「先輩と後輩」という“屋号を合わせていない”(ロザン菅ちゃんと、キンコン西野みたいな)関係でも、「師匠と弟子」のような繋がりになっていて、「上司と部下」の関係とは一線を画します。

さて。
「上司と部下」と「師匠と弟子(先輩と後輩)」は、何がどう違うのでしょうか?

僕個人には、「システムで育てたか、人で育てたか?」と定義しています。

システムで育てるものが「部下」で、
人で育てるものが「弟子」という整理です。

ここでのポイントは、「業界は関係ない」ということです。

つまり、一般的な会社に勤めて、「うちの上司」「うちの部下」と呼び合っていようが、【人】で育てた割合が多ければ、結果的に、「師弟関係」になっている。

師弟関係(師弟制度)の面白いところは、「合理性がバグっている」というところだと思っていて、「日頃、師匠の悪口をガンガン言いながら、呼び出されたら飲みに行く」みたいなことが当たり前のように起きています。

決して「契約」や「合理性」の類いで繋がっているわけではない「師弟関係(師弟制度)」が、僕は、今の時代にピッタリな気がしています。
#詳しくはNORAの広江さんや尾原さんに聞いてください

というのも、師弟制(あるいは世襲制)じゃない限り、基本的には、都度都度で合理的な判断(刹那的な損得勘定)をしてしまうので、繋がっていかず、基本的には一代で途絶えてしまうんですね。

なので、都度都度リセットされてしまう。

ただ、グローバル企業が唯一ハックできないのが「時間(歴史)」で、「私も師匠には随分お世話になったクチですが、最近の貴方は師匠に似てきましたね。頑張ってください」は、逆立ちしても作れないんですね。

海老蔵さんのファンが、勸玄君の成長を見届ける」みたいなアレです。
あればっかりは、どんなに大きな会社でも買収・コピーすることはできません。

そういった代替不可のものを押さえにいった方がいいなぁというのが僕の考えで、今のCHIMNEYTOWNに至ります。

システムで育てていないので(そもそも一人一人やることが違いすぎるから体系化がムズい!)、そりゃあもう、手間がかかってなりません。

後輩が半端なことをしたら、すぐに呑みに誘って、「なぜダメだったのか?」「では、今後はどうすればいいのか?」を朝まで議論します。

僕がロザンの菅さんや、品川さんや、タモリさんにやってもらったようなことです。
志の輔師匠は、今でも、僕の作品を毎回観に来てくださって、その後、必ず「あそこは○○だね。あそこって~」と時間を割いてくださいます。

これを繰り返すと、「志の輔師匠に『ツマラナイ』と思われたくない!」という独自のモノサシが生まれて、“いい塩梅で”世間のニーズを無視することができるので、いいなぁと思っています。

僕の好きな映画監督ビリー・ワイルダーの作業部屋の壁には、『How would Lubitsch have done it?(ルビッチならどうしただろう?)』という紙が貼られているそうです。

「ルビッチ」というのは、ビリー・ワイルダーの師匠の名前です。

これ、僕にもあるんです。
「この局面、後藤ひろひと(僕の師匠)なら、どうしただろう?」と考えることが。

システムで育ててしまうと、そのマニュアルが時代と合わなくなるケースがあります。
今の劇団四季浅利慶太さんが残したシステムで回っていますが、浅利慶太さんが生きていれば、今の劇団四季とはまた違った方向を提案していたかもしれません。

すみません。話がそれました。戻します。

人が育てること(師弟制度)を決めてしまうと、とにもかくにも手がかかります。
昨日もお伝えしたとおり、育てられる側も、そして育てる側も、たくさん失敗します。

ただ、実際にやってみて思うのは、システムで育てた時よりも、複利的な成長曲線を描き、たしかに最初はスットコドッコイですが、ある地点からギューン!といきますので、なかなか悪くないです。

そんなこんなで、ミュージカル『えんとつ町のプペル』のプロデューサーであり、『CHIMNEYTOWN USA』の代表の瀬戸口(24)が、ブロードウェイに本格的に挑戦すべく、今日からニューヨークに活動の拠点を移すそうです。
#行ったり来たりするんだってさ

ついこないだまで酒場で「くやしいぃ!」と号泣していた若者です。

まだまだ半端者ではありますが、たしかな志を持った男です。
応援していただけると嬉しいです。
宜しくお願いいたします。

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