西野亮廣のエンタメsalon

西野亮廣エンタメ研究所の過去記事を中心にアップしてます

2022年03月05日のエンタメ研究所の過去記事

おはようございます。
普段、何も考えずにアホみたいな顔で公園を歩いているクセに、「巣」を作る時だけ、職人技を繰り出す『鳥』の能力を計りかねているキングコング西野です。
#毎回工芸品みたいな巣を作ってるけど
#アイツらもしかして頭良いの?

さて。
今日は『メタバースと人間の進化』というテーマでお話ししたいと思います。
「今、こんなことを思っています」みたいな話です。

 

進化に用がある

変な形(あるいはやたら美しい姿)の動物や植物に興味があるのですが、アイツらをあの姿にした理由は二つで、一つ目は「生き残ろうとするガッツ」、そして二つ目が「変な環境」です。
一つ目に関しては、人間を含む全ての生物がある程度持ち合わせていますが、二つ目は“巡り合わせ”だったりします。

「砂漠」という環境は、やっぱり面白くて、なかなか食べ物にはありつけませんし、やたら暑いです。
この環境を生き抜く為には、長い間食べ物を食べなくても生きていけるように「脂肪」を溜め込んでおかなきゃいけませんし、全体に満遍なく「脂肪」をつけてしまうと「熱」が逃げないので(その結果、暑さにやられるので!)、なので「1箇所にまとめて、脂肪をためこむ必要」が出てきて、その結果が『ラクダのコブ』です。

面白いのが、「ラクダ」や「砂漠」にその意思はなくとも、しかしながら、その「コブ」のおかげで、ラクダは圧倒的に“乗りやすく”なっていて、「燃費もビジュアルも良い乗り物」として使われ、人間の生活スタイルにまで影響を及ぼしています。

退屈な環境で生まれ育った生物は、もれなく平々凡々な姿&思考で、大衆の興味を集めるようなものにはなりませんし、そのまわりの生物に「変な影響」をもたらすこともありません。

んでもって、今日の話はここからです。

昨日、メタバースの打ち合わせがありました。
「仮想空間を作っているのですが、何か御一緒できませんか?」的な内容です。
会議で見せていただいたのは、まだ開発(開拓?)途中の街でしたが、ワクワクさせてくれるものでした。

しかしながら、下手をこけば、退屈なものになりそうな匂いもしました。

会議の中で出てきたのは、「有名人を呼んで、メタバース上でライブをやってもらう」みたいなもので、加えて、街の作りを見ても、現実世界とさほど変わりません。

「この建物はなんでこんな(普通な)感じなのですか?」と訊けば、「契約上、変えられないんです」と。
メタバース上に「清水寺」を使うのなら、まずは清水寺に許可をもらって、そして、清水寺と同じビジュアルにしなきゃいけない…的な)

人気者で集客をする考えもそうだし、街の構造もそう。
なんとなく向かっている先は、「現実世界を、(少しネオン多めにして)メタバース上に再現している」というだけで、この環境では生物の進化は起きないだろうなぁと思いました。

僕が用があるのは、もっと建築基準法をガン無視した街づくりで、その環境で生まれる新しい生活様式です。
六本木ヒルズのようなものを木造で作ったら、それに伴って、そこにどんな職業が生まれるのか?」といった問いです。

それこそ、煙突だらけの町には、「ならでは」の仕事が生まれます。
煙突に登る為には「煙突掃除屋」になるか、あるいは「煙突掃除屋」に扮装するか?
そうなってくると、煙突に登るチケットとしての「煙突掃除屋の制服」が売れる。
煙突掃除屋の制服が売れる世界線なんて、そこにしかありません。

「煙突に登る」「煙突の上から街を見下ろす」という経験は現実世界では絶対にできないので(落ちたら死ぬから)、そこには、それなりの価値がありそうです。

昨日は「仮装空間で何か御一緒できないですかね?」という話だったのですが、「出演者として出る」には1ミリも興味がなくて、「現実世界にあるような街にお店を出す」にも興味がありません。

というわけで、「皆が行きたくなるような(歩き回りたくなるような)変な街を作るのならば、楽しそう(御一緒できそう)です。できるだけデタラメなことをしましょう」とお伝えして、打ち合わせを終えました。

現状のメタバースと呼ばれるものは「エンジニアさんが作った(丁寧に区画整理された)ピコピコタウン」の域を超えていなくて、それこそ宮崎駿さんのような「世界をゼロから創造する人材」がまだまだ介入していない印象です。

ただ、ハンドリング次第で、まだまだ、どの方向にでも進みそうなので、面白い方向に進むといいなぁと願いつつ、ご協力できるところは全力でご協力したいと思いました。

また進捗を共有しますね😁

ちなみに、昨日、スタッフからVRのダイジェスト映像が届いたので、最後に共有しておきます。
どうせなら、こんな町に立ち寄ってみたいです。

現場からは以上でーす。

 

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