西野亮廣のエンタメsalon

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2022年03月10日のエンタメ研究所の過去記事

おはようございます。
夜の函館山(雪山)を走って頂上まで登ったキングコング西野こと「シンプルにヤバい奴」です。

今日は「根拠や裏付けを意識する」というテーマで書きたいと思います。
すごくボヤっとした話になりますが、僕が結構、大切にしている感覚です。

 

『根拠』や『裏付け』といったもの
 
「論理」は他の人に説明する(納得してもらう)際に用いるものであって、行動の指針にするとロクなことがないなぁ…というのがココ数年の感想です。

僕が信用しているのは、「普遍的な打ち手(もはや兵法)」と「“最近の経験に基づいた”勘」で、特に後者の「なんとなくコッチの方向だな…」という気持ちには、そこそこ従っています。

そして、そのとおりに動いて上手くいった時に、後付けで整理&説明の為に「論理」を追加します。

ポイントは、指針にしているのは「最近の経験に基づいた勘」であって、「昔の経験に基づいた勘」や「勘(山勘)」では無い…という点です。

戦線から遠のいた(昔活躍した)リーダーが“勘経営”を発動させてチームを地獄に陥れている場面を時々見かけるので、このあたり(いつまで勘を指針にするか?)は注意が必要です。

さて。

そんな僕が「なんとなくココは意識しておいた方がいいなぁ」と毎度思うのが、『根拠』や『裏付け』と呼ばれるものです。

金本位制の頃の通貨でいうところの「金」のようなものです。

たとえば、僕たちキングコング日本武道館で漫才をしましたが、うっすらと皆さんの中には「普段、劇場に立っていない」という気持ちがあったと思います。

数字だけの話をすれば、「武道館&配信は、劇場出番何回分だよ」ということになるのですが、そういった理屈めいたことではなく、皆の中では「劇場に出ている」が大きな意味を持っている。

芸人の目的は「笑わせること」なので、週末に劇場に立って、数十人~数百人のお客さんを笑わせることよりも、週末にYouTubeで数十万人を笑わせた方が良さそうなもんですが、どっこい、「劇場に立っている芸人=真の芸人」みたいなイメージがあります。

ただ、『根拠』や『裏付け』といったものは「拡大」との相性があまり良くありません。

たとえば「金」を裏付けにしている以上は、「金」の量以上に通貨が増えることはなく(ちょっと増えるけど)、経済が大きく発展することはありません。

「劇場の漫才出番」という根拠に関してはいえば、キングコングオリエンタルラジオは、その根拠を手放すことで「拡大」に向かったのだと思います。

「どちらが正解か?」という話ではありません。
どちらも正解だと思います。

ここでは、「劇場の漫才出番に関しては、根拠を手放す道を選び、それと引き換えに得たものがあります」という話をしています。

一つ言えることは、「芸人は週末に劇場に立ってナンボや!」という声に従っていれば、キングコングは武道館公演を叶えられなかったということ。
これは間違いありません。

『根拠』や『裏付け』を持つことが、吉と出るか、凶と出るか?
そればっかりは、おかれた状況と、その人の力量次第で、なんとも言えません。

ただ、意識しておくことは大切だと思います。

インフルエンサーにしても、初期は『根拠』や『裏付け』が必要ありませんでした。
「フォロワー数が100万人=すごい!」みたいな世界線です。

ところが、今は『実業の結果』や『肩書き』といった根拠が無いインフルエンサーの声は届きにくくなりました。
メディアが成熟したのでしょう。

ここに関しては(今は)根拠があった方がいいのかなぁと個人的には思ったりしています。

今、僕がボンヤリと考えているのは“DAO(仮想空間のコミュニティー)の根拠”です。

ここから、各地でDAOが乱立することになると思うのですが、その時にイニシアチブを取るのは、初期は「強いキャラクター」ですが、次第に「リアルな土地(そこにある建物)」に移っていくと思っています。
#イニシアチブって何ですか

宗教でいうところの「教会」や、
ディズニーでいうところの「ディズニーランド」みたいな。

実際にその場所に通っていなくても、「いつかは行ってみたい」という“想い”が、その人がそのオンラインコミュニティーに属す理由になりそうです。

DAOの世界線は、想えることが大事で、想っている時間が大事で、その時、リアルな土地、リアルな建物がモノを言うんだろうなぁというのが僕の見立て。

そんなこんなで『えんとつ町』の工事をグイグイ進めています。
今後、このリアルな町と、DAOやメタバースが、どう絡んでくるのか?

見届けていただけると嬉しいです。
気が向いたら参加してください。
12日は川西に帰ります。
#フットサル
#餅をまく儀

現場からは以上でーす。

【追伸】
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