西野亮廣のエンタメsalon

西野亮廣エンタメ研究所の過去記事を中心にアップしてます

2022年04月23日のエンタメ研究所の過去記事

おはようございます。
「Voicyを配信する」「サロン記事を投稿する」「キンコン西野のサイン本屋さんのサイン入れ&梱包&ポスト投函」という毎朝の仕事に、「小3の時の日記をインスタに投稿する」という謎の作業が追加されて忙しくなっているキングコング西野です。
#日記の投稿は要らないだろ

さて。
今日は、「またゼロからやり直す」というテーマでお話ししたいと思います。
前向きな話です。

 

何度でも何度でも

昨日は、『映画 えんとつ町のプペル 2』の会議がありました。
本当に久しぶりのオフライン会議で、「最近、どうっすか?」的な雑談もできて嬉しかったです。
#ZOOM会議だと雑談があまり無いよね

今朝のVoicyでもお話ししましたが、海外エージェントのジェフが「第9回 アジャル国際映画祭」の最優秀長編映画賞のトロフィーを持ってきてくれて、廣田監督と記念撮影をする一幕もあり、オフラインの魅力を感じました。

さて。
今回の会議で争点となったのは『映画 えんとつ町のプペル 2』の位置付け(どこに着地させるか?)について。

会議開始1分で、スタジオ4℃の田中社長がホワイトボードに「P1、P2、P3」と書かれて、てっきり僕は『映画 えんとつ町のプペル2』のストーリーの「プラン1、プラン2、プラン3」のことだと思っていたら、それが全然違っていて、「プペル1、プペル2、プペル3」のことでした。

つまり、「2以降も続けるっしょ」ということで満場一致していて、「続けるか、続けないか?」に関しては、チームの皆が議論するまでなかったのです。
実に痛快でした。

しかし、まぁ「言うは易し」で、続けていくことが前提となると、当然ですが「続けられる設定」にする必要があります。

具体的に言うと、「海賊王になる」という旅の目的がある『ワンピース型』にするか、都度都度、ストーリーがリセットされる『ドラえもん&クレヨンしんちゃん型』にするかで迷うところ。

ここで、「プペルとルビッチが向かう先々でトラブルに巻き込まれる」というのは良いとして、そもそも「プペルとルビッチが次の国に行く理由(モチベーション)は何なんだ?」という話になります。

ルフィーだったら「海賊王になる」という目的があるので、「次の島」に向かうのには納得感が、目的がないプペルやルビッチ(とくにルビッチ)が「次の国」に向かうのは、変な話です。

目的が無いとなると、「のび太」や「しんちゃん」のように、「外からトラブルがやってくる」という形をとるのが自然ですが、『えんとつ町のプペル 1』で「外の世界がある!」と声を上げて、それを証明したルビッチが、地元に引きこもるのも変な話です。

やはりルビッチは外の世界に飛び出していくのでしょう。

そうなると、外の世界(次の国)に行く目的が必要になるわけですが、この「目的」について、昨日の会議では意見が割れました。

僕的には「ルビッチは父の後を追う」が良いと考えていたのですが、「ルビッチはシンプルに好奇心で外に(次の国に)行く」という意見も出て、「好奇心だけで次に進むのって、不自然じゃないですかね? そんなヤツ、います?」と言う西野に対して、「いやいや、西野さんが、そんなヤツじゃないですか」とスタッフ。
#たしかに

面白いことに会議は「西野」と「西野以外」で意見が分かれます。
当然、忖度するつもりは1ミリもありませんが、同時に「論破すること」が会議の目的でもありませんので、「なるほどなぁ」と思いながら会議を進めました。

開国を選んだ(外に目を向けた)国は、まずは海外視察隊を結成するのがお決まりで(※日本だと「岩倉使節団」)、外の世界の存在を知ってしまった『えんとつ町』も、やはり視察隊は結成します。

「2」の脚本執筆開始当初は、ルビッチを、この視察隊の船に乗せて外に出るか、それとも、「民間(自分達)」で外に出るか?の二択がありました。
どちらも魅力的だったのですが、僕は後者を選びました。

「国の仕事」としてではなくて、「個人的な理由」で、海の外に行かせたかったんですね。

ただ、昨日の会議で皆の意見を聞いていると、「国の仕事」として(国務に便乗して)外に出るのもアリだなぁと思えてきて……そっちで話を進めるとなった場合、「これまで書いてきた脚本を修正する」というやり方だと、必ずどこかで無理が出てきます。(誤魔化しが効かなくなる瞬間がくる)。

というわけで、、

今日のタイトルにありますとおり、これまで書いた(サロンメンバーさんに共有した)脚本は一旦全部白紙して、もう一度、ゼロからやり直すことにしました。
意見をくれたスタッフさんに感謝です。

この判断で、ここ数ヶ月の作業がフッ飛んだわけですが、それはまぁ紙面上の話であって、僕の頭の中では、「あそこの土地は、もう掘ったぞ(あそこの土地には○○があって、△△が無かった)」という確認がとれてたので、無駄な時間ではなかったと思います。

そんなこんなで、今日から、あらためて『映画 えんとつ町のプペル 2』の脚本を書き始めます。

この「損切り」を皆さんに共有することで、サロンメンバーさんの応援や、そして、「違うよなぁ…」と思いながらも誤魔化し誤魔化しやっちゃっている(サンクコスト効果の罠にハマっている)サロンメンバーさんのキッカケに繋がればいいなぁと思います。

「違う」と思った時はズバン!と辞めて、またゼロからやり直し。
何度でも何度でもだ。by ドリカム

今日から、また頑張ります。
あなたも頑張って。

現場からは以上です。

【追伸】

https://salon.jp/nishino」を付けて今日の記事の感想を呟いていただけたら、西野がエゴサーチで見つけ出してニヤニヤします。
宜しくお願いいたします。

https://youtu.be/zgLAWm68XVg

 

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