西野亮廣のエンタメsalon

西野亮廣エンタメ研究所の過去記事を中心にアップしてます

2022年04月27日のエンタメ研究所の過去記事

おはようございます。
金太の大冒険』という歌で子供の頃に腹筋が千切れるほど笑った記憶があったので、あらためて聴いてみたところ、壊滅的に面白くなくてビックリしたキングコング西野です。
 
https://www.youtube.com/watch?v=4hsvinS01vg
 
さて。
今日は『生活圏を再設計する』というテーマでお話ししたいと思います。
これまでの考えを整理するような回です。
 
 

分からないものは分からない
 
暇だったので、世界の国々(約200ヵ国)の出生率を調べてみたところ、日本の出生率は「1.36」で186位でした。 
#2019年のデータです

出生率というのは、女性1人が一生で出産する子供の平均数のこと。

1位はニジェール共和国(西アフリカの国)で、なんと「6.82」らしいので、今から荷物をまとめて、明日からはニジェールに住むことにします。

冗談はさておき、ニジェールニジェールで、砂漠化や食料問題、貧困問題といった様々な問題を抱えているので、「子供がたくさん生まれているから未来は明るいよねー」という話でもなさそうです。
現時点で僕が確実に分かっていることは、「ニジェールのコトはよく分からない」ということです。

ニジェールに限らず、僕は世界のほとんどの国に行ったことがないので(※来週はドイツに行くよ)、世界のことはよく分かりません。

たぶん、ほとんどの人がそうだと思います。

憶測がベースにある戦略ほど空虚なものはなくて、僕が世界を議論したところで、的外れもいいところです。

他方、国関係なく“局地的に”分かっていることはあります。
ブロードウェイやハリウッドのルールは以前に比べてかなりクリアに見えてきましたし、フィリピンのトンド地区(スラム街)の子供達の人気者になるためには何をすればいいかも分かっています。
#バスケの1on1でタコ殴りにする

日本の地方(町起こし)に関しては、「挨拶に行く順番を間違えると『そんな話、俺は聞いてない!』というクレーマーに豹変する確率が89%」というデータもとれています。
#群馬流氷科学センター調べ
#挨拶は大事だし
#挨拶に行く順番も大事

僕みたいはアホ(処理能力が低い酔っ払い)は、そういった「明らかになっていること」だけに目を向けて、手を打っていけばいいのかなぁと思います。
身分相応の戦略とでもいいましょうか。
 
 

お金を使う場所を決める
 
日本において、もう1つ確実に分かっていることは、「人口が爆増したから生活圏をビロンビロンに拡げたというのに、人口が激減している」です。
#思てた展開と違うパターン

「10人の子を持つ女性と再婚することが決まったので、数十年ローンで超巨大な家を購入したのに、婚約破棄になっちゃった」みたいな感じです。
「一人暮らしの家にトイレが2つ」という非常事態です。

ここは確実に分かっていることで、そして、なんとかしなくちゃいけない問題です。

日本は今、拡げてしまった町を上手に畳む(コンパクトにしていく)ことが求められているわけですが、町を畳むことを求められた時代なんて、これまで誰も経験していないので、誰一人として「畳む技術」を持っていません。

様々な行政が今、あの手この手でコンパクトシティーを進めていますが、成功例は多くありません。
原因は以下の3つかなぁと思っています。

・引っ越しが面倒臭い
・行政の説明不足
・コンパクトにした時の旨味が想像できない(旨味が少ない)

「住めば都」とはよく言ったもんで、一度住み着いてしまうと、「あっちの方がいいよ」と言われても、「コッチはコッチで、それなりにやってますんで」と返してしまうのが人間で、
いつでも合理的な判断ができるわけではありません。
限界集落を捨てきれず、なんとかしようと思っちゃうんです。

とはいえ、この問題を先延ばしにすると、死ぬのは僕らです。
人口が減ることが決定している以上、どこかで「まとまる(近所に住み合う)」必要があります。

どうすれば上手くまとまる(コンパクトにできる)かなぁと考えたところ、いっそのこと、「お金を落とす場所を決める」というのは1つあるなぁと思っています。

「お金は“稼ぎ方”よりも“使い方”が大事」とよく聞きますが(ホントにそう思う!)、「何に使うか?」をもう少し掘り下げて、「“どの地域の”何に使うか?」まで決めちゃった方がいいのかなぁと思っています。

そして、その地域というのは「近所(自分の商圏)」の方がいい。

たとえば、「Amazonで2000円で売られていた『えんとつ町のプペル』が、近所の本屋では2200円で売られている」
この場合、どっちで買った方が、自分の取り分が大きいか?

値段だけ見るとAmazonで買った方がお得だけれど、近所の本屋さんはウチの店にもチョコチョコ来てくれる(お金を落としてくれる)。

原価とかはこの際一旦無視して、この時、本屋さんがウチの店で2000円を落としてくれたら、実質、200円で『えんとつ町のプペル』が買えたことになって、価格でいうとAmazonの10分の1。

どう考えたって、値段が高い近所の本屋さんで買った方がお得です。

この辺の議論って、僕たち、あんまりやってなくないですか?

たとえば、お店のオーナーさんは、従業員さんに支払った給料の使い先(使う場所)を指定してないじゃないですか?
従業員の給料は、見込み客のサービスに使ってもらった方が(見込み客の懐をフカフカにした方が)、お店の売り上げが上がるのに。

でも、現実問題、給料の使い道を指定することなんてできない。
「給料は○○に使え!」なんて、とても言えない。

だったら、従業員さんがお金を落としたくなるサービス(お店)を、自分のお店の近くに作ればいい。
あるいは、誰かに作ってもらえばいい。

そうすれば、グルグルまわります。

…みたいなことって、頭では分かっていても、おそらく目の当たりにしないと(体験してみないと)入ってこないと思うんです。

理屈はおそらく間違っていなくて、あと足りないのは、「体験」です。
お金が戻ってくる体験ができる場所の創造なんて、民間では誰もやらないから、僕がやろうと思って、全財産をブチ込んで、川西ではそんな実験をしています。

実験を続ける中で明らかになってきたのは、「近所であろうと、理念が合わない店には行かない」ということです。

なので、生活圏の再設計は「理念」を待ち合わせ場所にした方がいい(理念を待ち合わせ場所にした方が近所にお金を落とし合う)のかも…というのが今のところの結論です。

日本に住む全日本人に関係のあるテーマだと思うので、まだまだ実験を続けて、都度都度共有していきたいと思います。

現場からは以上でーす。

【追伸】

https://salon.jp/nishino」を付けて今日の記事の感想を呟いていただけたら、西野がエゴサーチで見つけ出してニヤニヤします。

宜しくお願いいたします。

 

▼オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』入会はこちら ↓↓↓