西野亮廣のエンタメsalon

西野亮廣エンタメ研究所の過去記事を中心にアップしてます

2019年12月20日のエンタメ研究所の過去記事

12月20日(金) ※12月22日以降は『いいね』を押さないでください。
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おはようございます。
真冬の札幌で『かまくら』を作ることが決定してしまっていたキングコング西野ことアル中記憶喪失です。
さて。
先日、渋谷にオープンした無料のコーヒー屋(ホントはグッズ屋)さん『SHIBUYA FREE COFFEE』の運営のことで、サービス業やチーム設計の勉強になるような出来事があったので、皆様に共有しておきます。
はじまりは、『SHIBUYA FREE COFFEE』を担当しているスタッフの瀬戸ちゃんからの、こんなLINEから。
「渋谷のコーヒー100杯の無くなるタイミングですが、話題が広がっているのか日に日に早まってきてます!」(by 瀬戸)
『SHIBUYA FREE COFFEE』は、「コーヒーを50人に贈れる権」という提供枠(1万円)をオンラインショップで買ってくださっている菩薩人間様のおかけで、無料でコーヒーを御提供できています。
逆に言うと、提供枠が買われないことには、フリーコーヒーは、うまく回らないんですね。
そこで、最初の1週間は「1日=限定100杯」として、「1日に2名の菩薩人間様(コーヒー提供者)が現れてくださったら無事に店が回るよ~」という感じで設計したのですが、噂が噂を呼んで、100杯限定のフリーコーヒーが無くなるスピードが日に日に早くなっているというのです。
こんな感じです↓
12/16(月) 17:00
12/17(火) 16:40
12/18(水) 16:36
12/19(木) 16:10
(※ちゃんとデータをとってて偉いぞ!よくやった!)
そして、この結果を受けて、瀬戸ちゃんから、こんな提案がありました。
「今週は平日100杯でやってるんですが、この数字はまた来週分から考え直すとして、やっぱり、FREE COFFEEというコンセプトでやってるので、店頭で試飲がないタイミングはない方がいいなと感じてます。
そこで……
baseで「VIPの提供枠」を作って改善できないか試してみたいと思ってます↓
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・1口500杯 10万円
・購入者にはパッケージが金のコーヒー(BITTER.MILD)を贈る。
・店頭での提供の表示を少し豪華にする。
・VIPの方が変わるたびに、インスタの投稿で紹介する
毎日、限定の提供数(今は平日100杯)が終わった後は、VIPの方の提供で試飲が引き続き提供される。
その数を毎日数えておいて、累計で500杯(仮)にいくまでVIPの方の提供が毎日続く。
━━━━━
という形です!」(by 瀬戸)
なるほどなるほど。
10万円(500杯)のVIPの提供枠を作って、補完しようという作戦です。
僕自身、前々から「VIPを設計しろ。飛行機はVIPで飛んでいる (https://voicy.jp/channel/941/62523)」と言ってきたものですから、『VIPで回す』という考えは、かなり前向きに捉えているのですが、今回の提案に対しては、NGを出させていただきました。
瀬戸ちゃんに対する僕の返信はコチラです↓
「たぶん、『10万円(超VIP)の提供枠」案はインセンティブ(報酬)設計が失敗していて…『10万円の提供枠』を用意した途端に、『1万円の提供枠』が一気に売れなくなると思う。
『1万円の提供枠』には元々「ドヤれる」という報酬があったのに、『10万円の提供枠』を用意してしまったばっかりに、【10万円までは出さなかった人】となってしまって、ドヤれなくなる。
店の売り上げは極端に落ちると思うよ」(by 西野)
つまり、「『1万円枠(50杯プレゼントする)』を買ってくださった方の報酬が減るから、やめといた方がいいよ」という話ですね。
それでも、今回の瀬戸ちゃんの意見を採用するとするのなら、【店頭での提供の表示を少し豪華にする】という部分を削った方がよくて、お客さんから見て、今回のフリーコーヒーが『1万円の提供枠』なのか『10万円のVIP提供枠』なのかを分からなくしてしまえば、まだ『1万円の提供枠』を買ってくださる方への報酬は減らさずに済むと思います。
いずれにせよ、報酬を設計する際は、「達成感や満足度や幸福度が『他人と比べて自分はどれほどか?』という相対的”なものである」ということを意識しておくことが大切です。
これは、親や先生や経営者といった、リーダー全員が気をつけておいた方がいいと思ったので、今朝はこんなお話をさせていただきました(*^^*)
『SHIBUYA FREE COFFEE』の実験は、まだまだ続きます。
現場からは以上でーす。
 
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