2022年04月28日のエンタメ研究所の過去記事
おはようございます。
金太郎の服装を見て「隠す場所を絶対に間違ってるよなぁ」と思ったキングコング西野です。
さて。
今日は「今一度、クラウドファンディングを考える」というテーマでお話ししたいと思います。
結論は無いのですが「サービスは、いつも、こんな感じで設計してます」の共有です。
ほとんどの人がクラウドファンディングの使い方を間違える問題
僕が確実に支援しないクラウドファンディングの企画の特徴として「企画説明文が長い」というのがあります。
「私は鹿児島県で生まれて、…」みたいな、プロジェクトオーナーの誕生(自分語り)から始まる巻物のような説明文です。
皆さんも過去1000回は見たことがあるでしょう?
「はやく本題に入れよ(結論から話せよ)」という。
僕は、この巻物問題を時々取り上げては、「自分の信用度と、自分に許されているプレゼン時間をキチンと見極めろ」と言うのですが、これには皆さんから共感いただきます。
ところが、そこで「そうだそうだ!どこ馬の骨とも分からないオッサンの長文を誰が読むんだよ」と言っていた人が、自分でクラウドファンディングのプロジェクトを立ち上げることになった時に、「私の生まれは大分県で…」と巻物芸を炸裂されることが少なくありません。
「いやいや、だから素人の長文なんて誰も読まないってば!」と指摘すると、「あぁ、やってしまった…。分かってたハズなのに…」と膝から崩れ落ちる始末。
「見られる仕事」に就いていない人からすると、自分を客観視することは、どうやら難しいみたいです。
「頭が悪すぎる」と斬り捨ててしまうこともできるのですが、もう少しだけ寄り添って考えると、クラウドファンディングをやるほとんどの人が「生まれて初めてクラウドファンディングをやる」ということも要因になっているのかもしれません。
つまり、蓄積された知識や技が無い。
文章の構成も、リターンの設計も、「こんな感じでいいのかなぁ」と“当てずっぽ”です。
とくに多く見受けられるのが、目標金額を達成することが目的になってしまい、「目標金額に届かせる為に原価の高い(時間がかかる)リターンを次々と追加してしまって、利益(活動に充てる予算)が残らない」という失敗です。
『リターン貧乏』とでも謂いましょう、「それだったら、マクドナルドでアルバイトした方がよっぽどコスパが良いよ」というリターンを用意してしまうプロジェクトオーナーがいます。
#知床遊覧船もこの失敗をしていた
経営者であれば、このあたりの原価計算は当たり前のようにしますが、皆が皆、経営者ではありません。
こんな話は10年前に40万回ぐらいしたのですが、どっこい、大学を出たらトコトン勉強しない(アンテナを立てない)のが日本人です。
今僕が受け入れないきゃいけないのは、少し悔しいですが「どれだけ説明しても伝えきれない」ということかもしれません。
前提を変えなきゃいけない
今、「クラウドファンディングのプラットフォームを作りませんか?」というお話しをいただいているのですが、上記の理由で踏みとどまっています。
巻物病や、リターン貧乏を量産している今のクラウドファンディングの形を、もう少し改善できないものか?と。
クラウドファンディングの設計に関しては「ちょっとは頭を使えよ」と言うことが、そもそもの間違いで、「プロジェクトオーナー1年生は、とにかく頭を使わない」という前提で再設計することが重要なのかなぁと思っています。
たとえば、「プロジェクトの説明文を140文字以内にする」とか、
たとえば「目標金額の設定上限を1万円にする」とか、
たとえば「リターンは御礼メッセージのみにする(=リターンは設計できない)」とか。
そういった“縛り”を付けてみる。
そうすることで、大口のクラウドファンディングは、ここではやらないだろうし、もっと、カジュアルな「カンパ」みたいなノリになる。
いっそのこと、サービス名を「カンパ」にしてもいいかも。
この時の問題として、“縛り”をつけたことによって、内容チェックの運営コストに関してはグッと下げられるけれど、有象無象のプロジェクト申請がきて、その中には、権利を侵害するような企画が混じっていたりするので、そっちのチェックが大変になる。
サービスとして「カンパ(仮)」を走らせるには、このあたりがネックになってくるなぁとボンヤリ思っています。
とにもかくにも、リターンが無い(リターンは御礼メッセージだけ)のクラウドファンディングが作れると、もっと生きやすい世の中にできるなぁと思っています。
このへんは引き続き探っていきたいと思います。
また進展があれば、共有します。
現場からは以上でーす。
【追伸】
「https://salon.jp/nishino」を付けて今日の記事の感想を呟いていただけたら、西野がエゴサーチで見つけ出してニヤニヤします。
宜しくお願いいたします。
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