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2020年03月21日のエンタメ研究所の過去記事

3月21日 ※3月23日以降は『いいね』を押さないでください。

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おはようございます。
R1ヨーグルトの力を強く信じているキングコング西野です。
さて。
今日は『僕らの財源は、僕らで作る』というテーマでお話ししたいと思います。
今日は、新しい内容でも何でもありませんが、大切な話です。
昨日、『毎週キングコング』の収録で、梶原君が吉本興業にプリプリ怒っていました。
吉本興業は結構ステキな会社で、コロナウイルスの影響で公演(寄席)を規制されて瀕死状態にある『劇場』を救うべく、芸人さんに(満額では無いにしても)ギャランティーをお支払いして、現在、YouTube上で劇場公演を毎日生配信しています。
梶原君は「吉本が、ここまで動いたことは最高!」としながらも、うまく収益化していないことに納得がいっていない様子でした。
それもそのはず。
吉本興業の劇場生配信は、平均再生回数が1万回程度で、ほぼ誰も観ていないんですね。
これは「アイデアには価値が無い」の典型的な例で、「劇場公演を生配信しよう!」というアイデアは素敵なのですが(※誰でも思いつくけど)、それを実現させて、キチンと(数字で)結果が出せる人間がいないんですね。
企画が始まる前から、この展開は見えていたので、劇場生配信の出演依頼は秒速でお断りしていました。
「『エンタメでお金を生んで、皆(スタッフや家族)を食わせる』ということを目的とした時に、キングコングの時間は、もっと別のことに使うべき」という僕の判断です。
その話の流れで、「そもそも、ネットのスタッフが足りてないねん!」と怒る梶原君。
「そこは先行投資でネットに強いスタッフを雇うべきだー!」と続けて怒っていましたが、この意見に対しては(収録中にも本人に伝えましたが)少し思うところがあります。
以下の二つです。
① 基本的に『人件費』が一番高いけど、その人件費はどこから持ってくるの?
② 先行で投資したお金を回収する展開を描ける人はいるの?
です。
これは、国民が政府にぶつける怒りに似ていて、「消費税を下げろー!」とか「給付金を上げろー!」と叫んでいますが、その主張はイイとして、「そもそも、それを可能にする為の財源はどこなの?」ということを、いつも思います。
多くの人は、「国」や「大きな組織」の財源が無尽蔵にあるように捉えていますが、国は税収でまわっていますし、組織はスタッフの売り上げでまわっています。
一言目には体制を批判する方々へお訊きしたいのは…
「ならば、給付金の額が上げられるように、お前は毎日勉強し、稼ぎ、多額の税金を納めたか?」
「ならば、会社が先行投資できるぐらいに、お前は会社の売り上げに貢献したか?」
です。
体制を「他人」のように捉える風潮が僕は少し苦手で、体制というものは基本的には僕らの意識・態度の集合体であるから、その不満を作り出しているのは自分達である自覚は持っておきたいなぁと思います。
旦那が「小遣いを上げろ!」と言ってきたら、嫁は「だったら、もっと稼いでこい」と普通に返すと思うんです。そういうことっす。
吉本興業の場合は『財源』ウンヌンの前に、シンプルに「社員および芸人の知識不足&勉強不足」で、しばらく劇場&テレビが主戦場だった為「どうすればネットでバズるか?」を知らないから、ネットに費やしたお金を次々と垂れ流しているのが現状です。
(※たまらず、坪田先生にSOSを出しました)
最大のネックは、テレビで天下をとってしまったをことによって膨れ上がった「プライド」で、「自分達が遅れていることを認めたくない」がイチイチ邪魔しているように見えます。
時々、僕はTOYOTAさんや、江崎グリコさんの役員さん&社員さん向けに「現代の広告戦略」について話す講演会をしたりしているのですが、あれもキングコング西野の他ジャンルだから、お願いできたのであって、つい数年前まで否定していた「テレビ以外で活動するキングコング西野」に頭を下げるのは、なかなか難しいんだろうなぁと思います。
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▼ 僕らの『財源』は、僕らで作る
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株式会社NISHINOの社員さんやインターン生には、お金の問題と積極的に向き合うように伝えています。
「何にどれぐらいお金を使えば、どれほどのリターンがあるのか?」
「お金を作れるポイントは、本当にここだけなのか?」
といったことを常に自問自答するようにお願いしています。
先日の『株式会社NISHINOの活動報告会(無観客配信)』で新入社員の二人が、一度の公演で200万円以上の売り上げを出したことを梶原君に伝えたら、たいそう驚いていました。
社員およびインターン生、一人一人が「経営者」としての脳ミソを搭載しておかないと、エンタメの世界戦では勝てないし、守りたい人を守ることはできません。
全スタッフが『お金』と『広告』のプロフェッショナルになった上で、圧倒的なエンターテイメントを作り続けていきたいと思います。
話の流れで、株式会社NISHINOのスタッフさんへ「プチ業務連絡」になりますが、絵本の楽曲のレコーディング費用は株式会社NISHINOが出しているので、「原盤権」は株式会社NISHINOにあります。
ですが、吉本興業の社員さんには、「所属タレントが参加している楽曲の原盤権が、所属タレントの個人会社であった経験」が無いので、ほっておくと、(そこに悪意はなくても)これまでどおりのフロー(原盤権が吉本興業という形)で話が進んでしまいます。
そこは吉本興業にキチンと伝えて、そして、会社が搾取するのではなく、アーティストに多分の印税をお渡ししてください。
手前の利益なんて無視して、アーティストやファンが「応援したくなる会社」になるように持っていってくださーい。
宜しくでーす。
今日の内容が、一言目に組織の文句を繰り出してしまう方々に届くと嬉しいです。
現場からは以上でーす。

 

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