西野亮廣のエンタメsalon

西野亮廣エンタメ研究所の過去記事を中心にアップしてます

2020年04月01日のエンタメ研究所の過去記事

4月1日(水) ※4月3日以降は『いいね』を押さないでください。
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おはようございます。
そういえば小学生の頃、「廊下は走らない」というルールをキチンと守って、走るぐらいのスピードで競歩(=両足が同時に宙に浮いている時間が無いように早歩き)をしていたのですが、あの対策に何の意味があったのか教えて欲しいキングコング西野です。
さて。
今日は『ニーズの向こう側まで掘り起こせ』というテーマでお話ししたいと思います。
ちょっと長くなるかもしれません。
ゴッリゴリの勉強回(マーケティング編)です。
皆様にも御協力いただいた(あざす!)、美容室『NORA』の前売り券サービスが好評です。
昨日、サイトを見てみると「ヘアカラー」の前売り券(※利用期限3年)も出ていて、さっそく、購入して、ウチの女性スタッフにプレゼントさせていただきました。
趣味の合わないプレゼントを贈るぐらいなら、プレゼントの受け取り手が確実に使うことが決まっている「ヘアカット」や「ヘアカラー」を贈った方が喜ばれることぐらい簡単に分かるのですが、どっこい僕らはコロナが襲ってくるまで、美容室を『ギフトショップ』として捉えていませんでした。
固定概念って、強いっすね!
「サービス購入者」と「サービス利用者」が別で、かつ、一定のサイクルで確実に需要がまわってくるビジネスを、僕は『ランドセルビジネス』と呼んでいますが、なるほど美容室も『ランドセルビジネス』だったわけです。
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▼ コロナ時代を生きる
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今朝のVoicyでもお話させていただきましだが、どうやらコロナは『流行り病』として捉えるのではなくて、インターネットが出てきた時のような、スマートフォンが出てきた時のような、『時代』として捉えた方が良さそうです。
スマートフォンによって世界が強制的に変えられたように、コロナによって、僕らの生き方や働き方は強制的に変えらます。
コロナが落ち着いたところで、去年のような毎日が再開することは無いでしょう。
このサロン内で、現在進行形でお見せしていますが、ここ数日で様々なサービスが立ち上がり、文化のアップデートが起きています。
今朝のVoicyで「節約することは超大事だけど、最先端の情報を得るコストだけはカットしない方がいい」という話をさせていただいました。
これは何も『西野亮廣エンタメ研究所』をドヤりたかったわけでも何でもなくて、ここで情報を仕入れるか仕入れないかで、その後、大きな大きな差が出るだろうな、と。
自分の話をすると、僕を大きく前に進めてくれたのは、スマートフォンで、「画面が小さい=ひな段は不向き」「個人で発信=ダイレクト課金がカジュアルになる」という情報を日本のタレントさんで一番速く仕入れ、対応したから、今、こんな形になっています。
「美容室はギフトショップとして機能する」ということを自分事として吸収されたNORAさんは、今後、ギフト面を強化していくと思います。
連日対応にあたり、その変化をゼロ距離で見ているウチの社員さんやインターン生は、時代の機微を捉え、今後、(使える歴史は使った上で)まったく新しいアプローチを仕掛けていくことでしょう。
僕らは今、突然やってきた時代の大変革期に立ち会っていて、ここから様々なサービスを新たに作っていかなくちゃいけません。
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▼ ニーズの向こう側まで掘り起こせ
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昨日、公園をジョギングをしていたら、オジサンが鳩に餌をあげていて、公園職員が「鳩に餌をあげないでください」と注意していました。
マーケティングの教材として、これほど面白い素材はないので『オジサンが鳩に餌をあげる理由』をマーケティング目線で因数分解してみたいと思います。
クレイトン・クリステンセンという頭の良いオジサンが提唱した『ジョブ理論』という面白い話があります。
僕らは商品(サービス)を売るときに、何かと「ニーズ」を考えちゃいます。
「ニーズがある」とか「ニーズのない」とか、「意外とニーズがあった」とか、何とか。
でも、「ニーズ」って、ちょっと曖昧じゃないですか?
『子育てをしている親は絵本を求めている』というニーズがあるからといって、絵本を出せば売れるわけじゃないですやね?
「『えんとつ町のプペル』が売れたのはニーズがあったから」には違いないのですが、どういう人が何を求めて、「どういう問題を解決したくて」『えんとつ町のプペル』を買ったのかを、その理由をミリ単位で把握しておかないと、ヒットの再現性はありません。
ただの一発屋で終わりです。
ちょっと難しい話になるのですが、『ジョブ理論』の『ジョブ』とは何かというと、「ある特定の状況で、人が解決したい問題」を指します。
そして、商品(サービス)は、「お客さんが解決したがっている問題」を解決する便利屋として雇われる(買われる)というのが『ジョブ理論』です。
「ニーズ」というのは、買われる商品(サービス)のことで、「ジョブ」というのは、お客さんが解決したい問題のこと。
ニーズを生み出す源泉ですね。
サービス提供者は、この「ジョブ」を捉えなくてはいけません。
SNS全盛の現代において、「前を向こう」「希望を持とう」「夢を諦めないで」というメッセージは言いたくても、なかなか言えないじゃないですか?
攻撃の対象になってしまうので。
「だけど、次の世代を生きる子供達にはやっぱり夢は持っていて欲しい。どうしたものか?」…というのが『ジョブ』ですね。
そこで『えんとつ町のプペル』という「皆にバカにされながらも星を見つける物語」を出し、なんなら、その絵本展の開催権利も出しちゃう。
子供達に伝えたいメッセージは、コイツが代わりに言ってくれるので(自分の代わりに働いてくれるので)、便利屋として雇おう(買おう)のなるわけですね。
えんとつ町のプペル』は絵本ではなくて、「代わりにメッセージを伝えてくれる人」で、これが『ニーズ』です。
話を公園の鳩オジサンに戻します。
オジサンに「鳩に餌をあげないで」と言う前に、公園職員が考えなきゃいけないのは、オジサンの『ジョブ』です。
つまり、「オジサンは、どんな問題を解決しようと思って、『鳩に餌をあげる』という行動を買ったのか?」という部分。
でね、僕、ときどき、鳩に餌をあげているオジサンに話しかけるんです。
(※コミュニケーションモンスター!)
いろいろ、お話を伺っていると、「定年退職した」「子育てが終わった」「奥さんに先立たれた」…という答えが返ってきます。
これらの共通点は『役割が無くなった』です。
『求められなくなった』と言い換えることもできますね。
オジサンには「どうにか、自分が求められないものか?」という『ジョブ』があるわけです。
その『ジョブ』を解決する方法として、「鳩に餌をあげる」というサービスを買ったわけなので、公園職員が「鳩に餌をあげないで」と叫んだところで、本質的な改善になりません。
公園職員がやらなくちゃいけないのは、「鳩に餌をあげないで!」と注意し続けることではなくて、オジサンの『ジョブ(=役割を求めている)』を突き止めて、「この公園で鳩に餌をあげている人を見かけたら、話し相手になってあげてくれませんか?」と【役割】を与えることです。
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▼ まとめ
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突然やってきた「コロナ時代」。
僕らは、これまでのサービスを踏まえつつ、新しいサービスを開発しなければなりません。
その時、「当てずっぽう」で開発してはダメで(それこそコストの無駄!)、『ニーズ』と『ジョブ』を切り分けて考えて、キチンとお客さんの『ジョブ』まで掘り起こすことが非常に重要になってくると思います。
「あの店に並んでいるあの人は、どんな問題を解決したがっているんだろう?」
これを考え続けることが大事だってばよ!(※忘れてた頃にNARUTO)
頑張ろうねー!
現場からは以上でーす!
 

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2020年03月31日のエンタメ研究所の過去記事

3月31日(火) ※4月2日以降は『いいね』を押さないでください。
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おはようございます。
毎日せっせとサロン記事を書けば書くほど、サロンメンバーさんの中で、毎日の記事が「当たり前(=無料扱い)」になってしまって、いつからか「私は西野に1000円を投資している」と言われるようになり、「じゃあ、毎日の記事は何なんだよ!」とムカムカしたこともあったんだけど、最近は、「…まぁ、そう思う人がいても、それはそれでいいか」と丸くなったキングコング西野です。
さて。
新型コロナウイルスの対策で朝から晩まで走り回っておりますが、もちろん、作品制作の手は一切止めておりません。
映画『えんとつ町のプペル』の制作は順調に進めておりますし、映画の広告戦略も進めております。
コロナで沈んだ世界をエンターテイメントの力で盛り立て、夢と希望を届ける気マンマンです。
人気の出なさそうな少年漫画の主人公を地で行きます!押忍!!
そんな今日は、いつもの「ビジネス」の話はお休みにして、「モノ作り」の話を。
以前、このサロンでお伝えしましたが、映画『えんとつ町のプペル』の公開前に、映画の台本(声優さんが読むやつ)を、個展のグッズとして販売してやらうと企んでいます。
『台本+ペア前売券』というセットで。
公開前の映画の台本を買うのは「コアファン」で、「コアファン」は、ストーリーが分かっていても、「これが映像化されたら、どうなるのか?」という確認作業で映画館に足を運んでくれるだろうから、前もって台本を販売したところで、映画の観客動員が落ちることは、まず、考えられませんので問題ありません。
その台本ですが、せっかく台本を買ってくださった方には、台本ならではの特典を用意したいと思いまして、台本の最後に【あとがき】を書き加えることにしました。
台本の台詞は映画の中でも確認できますが、台本にある【あとがき】は、台本の中にしかありません。
今日は、その【あとがき】の「編集作業」を皆さんと一緒にやりたいと思います。
ここで、仕上げたものを台本の最後に掲載します。
そんなこんなで走り書きではありますが、映画『えんとつ町のプペル』の台本の【あとがき】を書いてみました。
「ここは、こういう言い回しの方がいいんじゃないの?」というところがあれば、コメント欄まで御意見ください。
(※ちなみに、こねくりまわした言い回しは嫌いです)
「こういう言い回しの方がスッキリするよ」というのが好きです。
宜しくお願いします。
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【あとがき】
えんとつ町のプペル』という物語が出来上がったのは2011年の年末ごろ、それが絵本として世に出る約5年前です。
「空を知らない町」を舞台に、煙突掃除屋の少年とゴミ人間が繰り広げる冒険活劇を書き進めているうちに、僕は不思議な力が働いていることに気づきました。
執筆作業が後半に向かうにつれ、キャラクター達が僕の腕を引っぱり、「こっちだ!」とストーリーを展開してくれるのです。
実は、似たような経験は普段からありました。
「シチュエーション」と「キャラクター」の設定がしっかりと練れていれば、キャラクター自身が台詞や行動を選び始めるんです。
しかしそれは、作家の天才性によるものではなく、「このシチュエーションだと、このキャラクターは、この台詞以外ないよね」といった『空気』の仕業です。
「シチュエーションとキャラクターの掛け合わせ」が自ずと答えを導き出すことって、普段の生活でもありませんか?
僕はパスポートや免許証の写真を撮る時に、自分の意思とは関係なく「あひる口」を炸裂させてしまいます。ナルシストすぎてツライです。
どうか助けてあげてください。
僕の「あひる口」が「写真撮影」に紐づいているように、言葉や行動はシチュエーションに紐づいていることが往々にしてあります。
作家は、その「シチュエーション」に紐づいているキャラクターの言葉や行動を「芋掘り」の要領で掘り起こします。
芋づる式に次から次へとキャラクターの言葉や行動が掘り起こされることもあれば、途中で、引いている蔓(つる)がプツンと切れてしまうこともあります。
こればっかりは、掘ってみないと分かりません。トホホ。。
ところが、『えんとつ町のプペル』の執筆時に感じた不思議な力は、それらとは一線を画すものでした。
今回の台本(映画『えんとつ町のプペル』)で御理解いただいたと思いますが、たしかに「えんとつ町」というシチュエーションは徹底的に練りましたし、劇中に登場するそれぞれのキャラクターは、キャラクターの背景(家庭環境)からミリ単位で作り込みました。キャラクターが自らに台詞を選び出すには十分なほどに。
ですが、今作品の執筆中に感じた不思議な力は、「2に3を掛けたら、6になるよね」といった数学的なノリで台詞や行動が掘り起こされた感じではありませんでした。
特に、「ルビッチ」「プペル」「アントニオ」…この3人は、書き起こす作業が追いつかないほどのスピードで喋っていました。
「何者かが宿っている感じ」とでも言いましょうか。
そこには、作者とは別の〝意思〟が確かにありました。
不思議な力の正体は何となく分かっています。
えんとつ町のプペル』の執筆当時、僕は「魔女狩り」の真っ只中にいました。
芸人の道を選び、同世代のライバル達と切磋琢磨しながら、誰よりも速く「テレビ」という山を駆け上りました。
しかし、必死に駆け上がった山の上から見えた景色は、希望に満ちたものではなく、「この先走るハズだった道が途中で途絶えている」という『絶望』でした。
25歳の頃の話です。
端から見ると、仕事は順調そのもの。
自分達の番組の視聴率は毎週20%を超えていました。
だけど、ここに未来はない。
すぐに周囲の人達に「この先は何もない。今すぐハンドルを切ろう!」と提案しましたが、「何を言っているんだ? 今、誰よりも上手くいっているじゃないか」と相手にされませんでした。
避難を呼びかける僕に対して、こういった声もありました。
「そんなことは分かってるよ。だけど、口にするなよ」
折り合いをつけた人達の声です。
それでも走り続ける為に、「道が途中で途絶えている」という現実から、懸命に目を逸らしている人がいたのです。
彼らもまた、戦っていました。
それでも僕はやっぱり、「まだ誰も見たことがない世界」を見たかったので、テレビの世界から足を洗い、国境にとらわれずにチャレンジできる絵本の世界に飛び込んでみました。
すると間もなく猛烈なバッシングが始まります。
「頭がおかしくなった」と言う人もいれば、「空気を読めよ」と言う人も。
鼻で笑う人もいれば、「俺も折り合いをつけたのだから、お前も折り合いをつけろよ」と圧力をかけてくる人もいました。
影響力を持つテレビの人達がそれを始めてしまったので、「魔女狩り」は国民全体に飛び火し、「理由はよく分からないけど、とりあえずキンコン西野は叩いておけ」という時期が随分続きました。
僕の仲間までもが攻撃の対象になったほど。
「なんで、西野なんかと仕事をしてんだよ」と。
嘘みたいな話ですよね? ホントにあったんです。
「ルビッチ」「プペル」「アントニオ」…この3人は、僕が「魔女狩り」に遭っていた時に実際に存在していた「誰か」で、だから、それぞれのキャラクターは作者の筆よりも早く喋り出したのだと思います。
おかげで、『えんとつ町のプペル』は僕の自叙伝的な物語に仕上がってしまって、その分、思い入れも強いです。
映画の主題歌の歌詞に「巡り巡る物語」という一文を入れました。
僕や、この物語の登場人物達が経験したことは、きっと、この先、いろんな場面で起きるだろうと思います。
もちろん、キミの目の前でも。
その時、この『えんとつ町のプペル』という物語が、キミの応援歌になれたら、これほど嬉しいことはありません。
僕は新作を書かないといけないので、そろそろ仕事に戻ります。
最後に映画『えんとつ町のプペル』の主題歌の歌詞を記載しておきます。
生きてりゃ苦労も多いけど、負けないで。
ずっと応援しています。
 

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2020年03月30日のエンタメ研究所の過去記事

3月30日(土) ※4月1日以降は『いいね』を押さないでください。
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おはようございます。
昨夜、ゾイド(恐竜型ロボット)のパイロットに選ばれて興奮した夢を見て、それが夢だと気づかなかった自分に絶望しているキングコング西野です。
さて。
このオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』には、上場企業の社長からホームレスまで、様々な方が在籍しています。
システムエンジニアさんと主婦もいて、仕事内容も違えば、使用する言語も全然違います。
このことを受けて、「発信する内容に合わせて、別々のサロンを作っちゃえば?」というアドバイスもいただきました。
西野亮廣エンタメ研究所(ビジネス版)』『西野亮廣エンタメ研究所(ファン版)』みたいな感じで。
たしかに、そうやって分けた方が僕にとっても、サロンメンバーにとっても、ストレスなく運営できるのかもしれませんが(いや、確実にできると思います)、僕は、その提案をお断りしました。
少し昨日の話の続きにもなりますが、僕が提供するエンタメのコンセプトが「みんなで作る」だからです。
『全員クリエイター、全員オーディエンス』です。
エンタメで世界のトップをとった時の打ち上げの場で、天才クリエイターと一般の親子が肩を並べていたら最高です。
小学1年生の男の子が『えんとつ町のプペル美術館』を指して「これは僕が作ったんだよ」と言っていたら最高です。
僕は、その未来を迎えに行きたいので、プロだけで話を進めるつもりは毛頭ありません。
たとえ時間がかかっても、爺ちゃんや婆ちゃんや父ちゃんや母ちゃんや息子や娘と一緒にエンタメを作っていこうと思います。
でも、だからといって「素人さんが混じっているから」を言い訳にはしたくなくて、お客様からお金と時間を頂戴してエンタメを提供する以上は、主婦が混じっていようが、子供が混じっていようが、ハイクオリティーのものを提供していきたいです。
それだけに、これまでエンタメを作った経験がない人からすると僕の要求は重いものになってしまうかもしれません。
少し耳の痛い話をしてしまうかもしれません。
ですが、必ず面白い場所にお連れするので、耳を傾けていただけると嬉しいです。
今日は『自分のエゴで素材を殺すな』というテーマについて話し合い、ルールを共有しておこうと思います。
 
 

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①コチラは『えんとつ町のプペル』の【素材】です。 ご存じの方もいらっしゃるかとは思いますが、この【素材】の著作権はフリーで、たとえば『えんとつ町のプペル 光る絵本展』を開催される方は、この【素材】を自由に使っていただいて構いません。

 

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②コチラは、とある地方の『えんとつ町のプペル 光る絵本展』の入り口の看板。 スタッフが手作りでゼロから看板を作ってしまったせいで、予算がかさみ、イベントのクオリティーがグッと落ちてしまっています。 当然、これで「やったー!看板ができたー!」と喜んでいるのは素人の運営スタッフだけで、アカの他人である「お客さん」からすると、「高いお金を払って、中学生の文化祭のような出し物を見せられる」といった状態。 当然、ここでの評判は他の地域に広がります。 「えんとつ町のプペル展に行ったけど、内輪ノリで、気持ちが悪かったよ」と。 結論、「なんで、素材をそのまま使わないの? 手を加えたことによって、運営スタッフ以外全員が不幸になってんじゃん」です。 ここで、皆さんと共有しておきたいのは、「自分達の満足度よりも、お客さんの満足度をとろうよ」です。

 

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③これは、5月に開催される講演会のポスター。 撮影スタジオでプロが撮ったプロフィール写真です。 当然、この写真の【素材】は著作権フリーです。

 

 

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④そして、こちらが同じく5月に開催される講演会のポスター。 主催者が自分達で撮った写真を使って、「自分達なりのオシャレ」を練り込んでしまったせいで、ご覧のとおり「ファン以外は喜ばないクオリティー」に仕上がっております。 ここもやっぱり考えなきゃいけないのは、「自分達の調理の腕前」と「食材」のバランスで、そこを把握しておかないと、「新鮮な魚にケチャップマヨネーズをかけて、調理をすればするほどマズくなる」という事態に陥ります。 この仕事もやはり、喜んでいるのは運営スタッフだけで、お客さんは後回しです。

写真の説明はありません。

⑤こちらは世界観が作り込まれたスナック『CANDY』川西店

 

写真の説明はありません。

⑥こちらは『えんとつ町のプペル』の【素材】。
もちろん著作権フリー。

 

 

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⑦そして、コチラが、スナック『CANDY』の壁に貼られたポスター。。 ポスターに関しては、使える素材を使わずに、子供に絵を描かせて、クオリティーをグッと下げ、イベントの不安感をグッと上げてしまっています。 このポスターも喜んでいるのは、ポスター制作をしたスタッフと、絵を描いた子供の親だけで、内輪ノリが前面に出てしまって、お客さんの満足度は後回し。 そして、そのポスターを貼ることの是非もありますが、それより何より「貼り方」です。 せっかく作り込んだ建物の世界観を丸潰しで、これがやれてしまうということは、「世界観を潰している」という自覚かない。

 

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【まとめ】 これまでエンタメを提供したことがない人間は、少しでも気を抜くと、すぐに「内輪ノリ」に走り、そして自分達が「内輪ノリ」に走っている自覚がありません。 でもね。 「みんなで一緒にエンタメを作る」と決めた以上、僕はここと向き合い続けなきゃいけないと思っています。 「自分達のことばかりじゃなくて、もっともっと、お客さんのことを想像してくれよ!お客さんは期待に胸を膨らませてやって来てくれるんだよ!スタッフのオナニーは辞めて、お客さんをめいっぱい満足させようよっ!」という台詞は、これから数千回、数万回言い続けることになると思います。 でもそれは、決して、内輪ノリに走ってしまったスタッフを攻撃しているわけではなくて、そのまま内輪ノリを続けてしまうと、そのスタッフが食っていけなくなるから言っています。 そして、これは僕からのお願いなのですが… 近くにいると見えにくい部分もあるし、言いにくい部分もあるけど、なにより目の前にいるスタッフを守ってあげなくちゃいけないのだから、スタッフが内輪ノリに走っている場面に出くわした場合は、みんなで指摘し合いませんか? その方が優しいじゃん。 指摘されたスタッフは、それを声を真摯に受け止め、間違っていれば改善すればいいし、そこに考えがあれば意見をすればいい。 とにかく僕らはもっともっと話し合わないと、このままだと素人のエンタメごっこで終わってしまう。 そんなものに興味ないでしょ? 僕らはエンタメで世界を獲るんだから。 宜しくお願い致します。 最後に一つ約束して欲しいことがあります。 僕がこうして実例をあげて、「これは違う!」としてしまうと、文章だから温度も伝わらないし、場合によっては非難しているように読み取れてしまいます。 決して非難しているわけではありませんが、でも、指摘されちゃった側からすると少し傷ついてしまうと思うので、改善する方向で話を進めつつも、皆でフォローしていただけると嬉しいです。 仲間がどれだけ間違っても、僕は一人も置いてきぼりにするつもりがありません。 表面上の優しさではなく、“仲間が死にかけていたら殴って止めてやる”本当の意味で優しいチームでありたいです。 現場からは以上でーす。

 



2020年03月29日のエンタメ研究所の過去記事

3月29日(日) ※3月31日以降は『いいね』を押さないでください。

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おはようございます。
「ボクとキミの形が違うのは穴を埋め合うためだ」と僕が言うと、途端にスケベに聞こえてしまうキングコング西野です。
さて。
連日、新型コロナウイルスのネガティブニュースが流れてきます。
基本的に僕が「起きちゃったことは仕方がない」主義者というのもありますが、「状況をキチンと整理して、冷静に対応すれば、乗り越えられない壁じゃない」と思っていますので、今日は、「今、何が起きているのか?」「今、何をやるべきなのか?」を、いろいろ整理していきたいと思います。
今回の記事は、たぶん結構、参考になると思います。
長くなりそうなので、今日と明日で「前編/後編」で分けさせてください。
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▼ 眠っている価値を発掘するチャンス
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先週、スナック『CANDY』(五反田本店)のママのモンちゃんから、「CANDY、しばらく休んだ方がいいっすかね?」と連絡が来たので、「そうだねー。とりあえず2週間ほど休んじゃおう!」と返事をしました。
ただ、「店を閉める=売上が落ちる」という結論は雑すぎるので、ここで、「店を閉めたことによって、売れるものは何があるんだろう?」と考えます。
直後、モンちゃんに「CANDYは、そもそも空間(えんとつ町テイスト)に価値があるんだから、『利用者3人以下』を条件に、1日1万円で貸しきれる権を売りましょう」と伝えました。
『3人以下』としたのは、「狙っている異性を口説く際に二人っきりでCANDY借りたい人の言い訳」を用意してあげる為です。
『2人以下』で販売してしまうと、その権利を買った人が「誰か狙っている人でもいるの?」と突っ込まれる可能性が出てくるので、購入にブレーキがかかってしまいます。
結果、CANDYの1日貸し切り権(1万円)は、2週間分が即完で、ママは無事に生きていけます。
「『店を2~3人で貸しきれる』を販売する」という答えに辿り着いたのは、間違いなく『新型コロナウイルス(大勢だと感染のリスクが高くなる)』がキッカケで、そこから、「ならば、どうすれば?」と考えはじめて、「よくよく考えてみたら、CANDYって、空間に価値があるよね」となったわけです。
昨日、美容室『NORA』さんを応援すべく「ヘアカットの前売券」を20枚買わせていただきましたが、そういえば、月1回髪を切りにいっても、20ヵ月かかるので、『NORA』さんのヘアカットの前売券はサロンメンバーさん(限定20名様)にプレゼントさせていただこうと思っています。
そんなことを考えていたら、長野で美容室を経営されているサロンメンバーの高橋さん(http://belpa.jp/)が、「NORAさんのヘアカットの前売券を5枚買ったのですが、僕は長野にいて、お店にいけないので、株式会社NISHINOの若手スタッフさんで使ってください」と前売券をプレゼントしてくださいました。
美容室のヘアカットが『ギフト』として販売できることが証明されたわけですね。
今後、『ヘアカットの前売券』は自分用とプレゼント用の二つを用意しておいて、プレゼント用の商品紹介ページには「備考欄に、プレゼントする相手の名前(フルネーム)を必ず記入してください」と書いておくといいと思います。
誕生日プレゼントや、日頃お世話になっている方に「ヘアカット」を贈れる流れは最高っす。
おそらく、今回のコロナちゃんのおかげで、ギフト経済が加速するでしょう。
(※コロナちゃん、あざす!)
話をまとめると、今は、「自分が提供しているサービスの奥に眠っている価値を掘り起こすチャンスである」ということですね。
コロナちゃんがいなければ考えもしなかった、「お? 意外とコレ、売れんじゃん」が、これから結構出てくると思います。
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▼ 瞬間の売上が落ちただけで、ニーズが落ちているわけじゃない
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これは、明日(後編)に繋がる話になるのですが、僕らが絶対に見誤ってはいけないのが、「 瞬間の売上が落ちただけで、ニーズが落ちているわけじゃない」ということ。
ここを見誤って、改善を焦ってしまうと、「もともと存在していたニーズ」が落ちるケースが出てきてしまいます。
人気のハンバーグ屋さんが「風邪がメチャクチャ流行っているので、定番ハンバーグの味を変えます!」とか言い出したら、ワケが分かんないじゃないですか?
ここは、冷静に取捨選択した方が良さそうだなぁと思っていて、今回、コロナで悲鳴を上げているサービス業者は2種類です。
①コロナの影響で店が傾いている人
②コロナの影響もあるんだけど、そもそと、それより前から店が傾いている人
このうち、②はサービス内容および自身の考えを改善した方がいいと思います。
「売り上げ」は勿論のこと、「ニーズ」も落ちているので。
②の人が「コロナのせい」にしたい気持ちは痛いほど分かるのですが、今のサービス内容のまま、どうにかこうにか今回の波を乗り越えても、根本の設計に問題があるので、延命処置でしかありません。
延命できたとしても、自分は確実に年齢を重ねていて(体力が落ちていて)、新しいチャレンジが今よりもできない身体になっているので、延命が裏目に出るリスクは極めて高いです。
勝負師に最も必要な「損切りのセンス」が、ここで出るわけですが、あなたに守る人がいるのならば、「自分の感情を殺して判断する」ということも選択肢に入れておいた方がいいと思います。
話をまとめると、「今回は流行り病なので『売り上げ』と『ニーズ』を冷静に分けて考えた方がいいよ」です。
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▼ 明日(後編)の記事は…
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明日の記事は、今日のことを踏まえて『お客さんの価値』について、お話ししたいと思います。
「僕らが何故、お客さんを守らなければならないのか?」を、感情を(一旦)抜きにして、簡単な算数で御説明します。
現場からは以上でーす!
【追伸】
ニューヨークチームを応援する動画を作りました。
広告費は微々たるものなので、動画の最後(備考欄)にワンコイン(500円)の寄付ができるボタンを作りました。
「寄付」としてしまうと、いろいろややこしいので、「『西野の御礼メッセージ(約1000文字)』を販売する」という立て付けにしております。
御礼メッセージは、今回の挑戦に対する想い、そして、『御礼メッセージ』を買って支援してくださった方への御礼の言葉です。
最後に、メッセージの冒頭部分だけ載せておきます。
※この収益は今、ニューヨークで戦っている日本人チームに全額寄付させていただきます。
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【御礼メッセージ(¥500)の前半部分】
「どうせ無理だ」
この国はそんな空気に満ちていて、
夢を持てば笑われて、声を上げれば叩かれてしまいます。
歳を重ねた多くの大人は批評家となり、その背中を見て、子供達が育ちます。
一体いつから、こんな国になったのかな?
一体いつから、夢を持つことが許されなくなったのかな?
こんな世界を、こんな窮屈な世界を、
次の時代を生きる子供達に渡すことを、僕らは一体いつから許したのかな?
僕は、やっぱりそれが嫌で、ある時から抗い始めました。
日本中から笑われ、公衆の面前で何度も何度も殴られました。
それでも夢を諦めきれず、一人でジタバタ足掻いていると、
一人、また一人と、自分と同じような目に遭っている同士が現れ………
【御礼メッセージ(¥500)】の 続きはコチラ→https://poupelleny.thebase.in/items/27357370
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2020年03月28日のエンタメ研究所の過去記事

3月28日(土) ※3月30日以降は『いいね』を押さないでください。

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おはようございます。
賃貸業(兼業)で2億円を稼いで処分された女性教員のニュースを見て、「とはいえ、こういう先生から勉強を学びたいなぁ」と思ったキングコング西野です。
さて。
今日は『数字を正しく読む』というテーマでお話ししたいと思います。
すべての仕事人に関係してくるお話です。
最初に、僕自身、「新しい=良い」「古い=悪い」と捉えているわけではなく、これからお話しするのは「『好み』の話である」ということを、まず、お伝えしておきます。
僕はよく、「わざわざオンラインサロンに入らなくても、西野さんの考えは、YouTubeやVoicyで聞いているから…」と言われたりするのですが、サロンメンバーさんは御存知だとは思いますが、YouTubeやVoicyで話しているのは、良い言い方をすれば「普遍的な内容」を、イジワルな言い方をすれば「7~8周遅れ」の内容をお届けしています。
理由は、「僕が、『今、面白がっていること』を本気で話したら理解されないから」です。
「は? 何言ってんの?」
「よく分からないけど、なんか、理屈くさい」
という反応が返ってくることが目に見えていて、僕自身、そのスピード感で進むのはストレスなので、表では古い話をして、自分が今面白がっていることはオンラインサロンで話すようにしています。
「日本では日本語で話して、アメリカでは英語で話す」みたいな整理です。
(※ちなみに西野はアメリカでも日本語です)
そんなこんなで、今日の本題です。
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▼ 数字を正しく読む
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ウチは「西野がVoicyにアップした音声を、マネージャーの須藤君がYouTubeにコピペする」という方法をとっているので、YouTubeチャンネルと、Voicyチャンネルの内容は「まったく同じ」なのですが、どっこい、「再生回数」には、大きな違いが出ています。
ある週のYouTubeとVoicyの再生回数を見てみたのですが(※添付画像アリ)、回によって、「2.7万回再生~23万回再生」までブレがあるYouTubeに対して、Voicyの再生回数は、ほぼ毎日「2万8000回再生」です。
「この数字をどう読むか?」というのが今日のテーマなのですが、結論から申し上げると、「YouTubeでは、新しいことがやりにくい」ということが見えてきます。
刺さる回と刺さらない回の違い(売り上げ)が、数字で出てしまうからです。
こうなると人は数字を追い始めます。
刺さる回を増やそうとします。
つまり、「多くの人が理解できること」をやろつとするわけですね。
それは本当に『素晴らしいこと』ではあるのですが、くれぐれも『新しいこと』ではありません。
僕の仕事仲間がクローズドな場所で、「YouTubeは、マーケティングを強いられるので、頭が古くなる」という記事を書いていたのですが、それは僕もまったく同感で、「別で職を持っていて、そのプロモーションとしてYouTubeをやっている人」とは違い、「YouTubeを軸にしている人」から漂ってくる古臭さ(オジサン臭さ)は、確かにあるんです。
なんか、2~3年ぐらい遅いんです。
これは当然の結果で、YouTubeマーケティングに使える分析ツールが整いまくっているおかげ(数字を狙おうと思ったら狙えるおかげで)、歩幅が狭い視聴者の速度に合わせにいってしまうわけですね。
視聴率を追い求めたテレビ(および、多くのテレビマンの思考)が古くなったのと同じ現象です。
テレビもYouTubeも宣伝媒体や伝統芸能としては素晴らしいと思うのですが、「誰も見たことがないものをコンスタントに届けてくれる媒体か?」というと、そうではありません。
YouTubeとVoicyの再生回数の話に戻すと、新しいことができるのは、視聴習慣が確立されていて、話す内容と再生回数に因果関係が無いVoicyの方で、もっと言うと、何を書こうが「必ず毎朝読んでもらえるオンラインサロン」の方が新しいことができる環境にあります。
くれぐれも(もう一度)言っておきますが、「新しい=良い」「古い=悪い」というわけではなくて、僕個人的には、誰も見たことがないことが【好き】なので、そういうものが発信できる環境としてオンラインサロンを運営しております。
今朝は、「数字に引っ張られると古くなるよ。圧倒的に面白いことをしたければ、まずは『マーケティングなんてしなくてもいい環境』を作ることが大切だよ」という話を、日本で一番マーケティングが上手い男(※数字でも結果を出しているオジサン)がさせていただきました。
現場からは以上でーす。
 

 

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2020年03月27日のエンタメ研究所の過去記事

3月27日(金) ※3月29日以降『いいね』を押さないでください。
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おはようございます。
一番美味しい刺身は『タコ』に決定したキングコング西野です。
さて。
今日は『細分化された報酬』についてお話ししたいと思います。
経営者の方や、経営者を目指している方に届くといいなぁと思います。
昨日、ZIP(五反田の会議室)で、社員さんや、インターン生らと打ち合わせがありました。
打ち合わせ内容は「大阪の個展」「購入した旅客機の置き場」「ニウエのゴミ処理施設」「プペル美術館」「ラオスの森を買う」…など様々。
その中で、現在、コロナウイルスで打撃を受けているニューヨークのブロードウェイチームの支援の話になりました。
オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』としては、挑戦者のベーシックインカムとして、月50万円の支援を続けていくことに加えて、応援動画(YouTube)を作って、その動画の収益を全額寄付する方向で話を進めています。
そんな中、「そもそも、YouTube動画の収益って、どれぐらいだっけ?」という話になります。
YouTubeは再生回数に応じて広告収入が入るのですが、規約上、1再生あたりの広告収入を明かしてはいけないことになっているので、仮に、僕らのチャンネルの広告収入が「1再生=0.5円」だとします。
となると、そこで500円を集めようと思った、1000回再生されなくちゃいけないわけですね。
5000円集めるには、1万回。
5万円集めるには、10万回。
50万円集めるには、100万回です。
ここで僕らは基本に立ち返り、「たとえ、多くの人に届かなくても、キチンと刺さりさえすれば、その心意気を500円で買ってくださる(寄付してくださる方)がいるんじゃないの?」と考えます。
「500円の寄付」ボタンを用意すると、
500円を集めるには1人。
5000円集めるには、10人。
5万円集めるには、100人。
50万集めるには、1000人に深く刺さればいいわけですね。
整理すると、50万円を集める方法は…
①100万人に見られる(広告収入)
②1000人に刺さる(ダイレクト課金収入)
の二パターンがあることがあります。
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▼ 広告をとるか、ダイレクト課金をとるか
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YouTubeは「10分以上の動画」だと広告を差し込む場所を指定し、確実に広告を入れることができるのですが、「10分以下の動画」は、「動画の前後に広告が入るかもしれないし、入らないかもしれない」という仕様になっています。
んでもって、今回、新入社員のセトちゃんが作った応援動画が「7分」なんですね。
これだと、何回かに一回は広告収入が入らず、ニューヨークチームへの支援が減っちゃうんです。
対策としては、動画を「3分」追加して、「強引に10分の動画にする」という方法があるのですが、何度、見返しても、応援動画の尺としては、「7分」が心地良いんです。
ただ、7分だと、何回かに一回は広告(収入)が入らない場合があります。
そこで、僕らは考えます。
「1000回連続で広告が入らなかったとしても、それが『刺さる動画(コアファンを生む動画)』で、最後に『500円の寄付ボタン』さえ、つくっていれば、そりゃ1000人に1人ぐらいは500円を寄付してくれるんじゃないの?」
1000人に1人ぐらいは、心意気を買ってくださる方がいそうじゃん!
要するに、『お金を出してくれるフォロワーは1000人力』という話です。
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▼ 『報酬』を考える
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前置きが長くなりましたが、(まさかまさか)ここからが本題です。
この話の元ネタは「けんすうサン」のオンラインサロン(アル研究室)なので、詳しく知りたい方は、アル研究室に駆け込んでください。
現代、経営者は「報酬が細分化されている」ということを知らなければなりません。
10年前までは、『報酬』といえば「現金」を指していましたが、現代、「フォロワー数」が「現金」になることをインスタグラマーや、YouTuberが証明しました。 
その辺の20代の子達を集めて、「100万円と、1万フォロワー、どっちが欲しい?」と聞くと、ほとんどの子が「1万フォロワー」を選ぶでしょう。
「1万フォロワー」がいれば、100万円以上の「現金」を作ることができるからです。
こうなってくると、『報酬』として、「10万円をくれる会社」と「フォロワーを1000人増やしてくれる会社」のどちらが選ばれるかは明白です。
若ければ若いほど、お金の価値は低く見積もって(=フォロワーさえ、いれば、お金はいくらでも作れるものになって)います。
「現金」を求めている子に「フォロワー」を与えても搾取になるし、「フォロワー」を求めている子に「現金」を与えても搾取になりかねない…と、けんすうサンは言います。
まったく、その通りだと思います。
「これだけ頑張ってるのに、ウチの会社は現金しかくれない」という世界です。
これに加えて、「フォロワー」の中でも、今は、「ただフォローしているフォロワー」と「お金を出してくれるフォロワー」の二つに分かれていて、「お金を出してくれるフォロワーを10人作る」という『報酬』は、10万円、いや、もっともっと高いものになっています。
一つたしかなことは、
「現金だけを渡して、何者にもしてくれない会社には、才能が集まりにくい」
です。
経営者は、社員が、「現金を求めている社員」なのか、「ただフォローしてくれるフォロワーを求めている社員」なのか、「お金を出してくれるフォロワーを求めている社員なのか?」、はたまた、「キャラクターを求めている社員なのか?」を判断し、『報酬』を設計しなくてはいけません。
一昨日、ウチのインターン生の「まーちゃん」が実験として有料でnoteを販売したらしいのですが、1記事で5万円の売上が出たそうです。
時代は刻一刻と変化しています。
しっかりと耳をすませておくことをオススメします。
現場からは以上でーす。

 

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2020年03月26日のエンタメ研究所の過去記事

3月26日(木) ※3月28日以降は『いいね』を押さないでください。

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おはようございます。
薄々お気づきかもしれませんが、新型コロナウイルスを逆手にとってやろうと思っているキングコング西野です。
昨日、新入社員のセトちゃんが立ち上げたクラウドファンディング(ドイツの「大矢さん」を応援するプロジェクト)には、1日で50万円を超える支援が集まりました。
本当に、ありがとうございます。
(※引き続き御支援をお待ちしております↓)
お金を支援していただくことは勿論のこと、僕を含め、「サービス提供者」にとっての最大の支援は「応援していただくこと(※ファンになっていただくこと)」で、新型コロナウイルスは、『ファンを作る絶好の機会』だと思っています。
僕の見立てでは、昨日、御支援くださった方や、シェアしてくださった方や、応援の気持ちを持ってくださった方は、ドイツに行かれた際は"ほぼ100%"の確率で、「大矢さん」のお店を訪ねられると思います。
そう考えると、新型コロナウイルスは、トータルで見ると完全にプラスで、リーダーや経営者は、「どのように設計すれば、トータルでプラスになるか?」を考えることが非常に重要だと思います。
今は、間違いなく「トータルでプラスに持っていきやすい(応援者を増やしやすい)ボーナスタイム」です。
ところ狭しと並んだ40万の船団に攻め込まれて、「やっべ!」と焦るか、「船と船の隙間がないんだから、どれか1隻に火をつけりゃ一発じゃん」とニヤニヤするか。(#赤壁の戦い)
この辺りが腕の見せ所ですね。
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▼ 人が消えたニューヨークの花屋さんの売り上げをどう作る?
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昨日、サロン記事のコメント欄を見ていたら、ブロードウェイ地区のド真ん中で花屋さんをされている「Yoshiko Akasaka」さんから、SOSのコメントがありました。
ニューヨークは今、不必要な外出は禁止されていて、街に人はいません。
加えて、お花が必要とされるイベントは軒並み中止になっていて、大変な状況です。
「この状況にある花屋さんをどう助けるか?」というのが、今回のクイズなのですが、これに関しては結構カンタンだと思います。
延期にはなりましたが、ブロードウェイでミュージカル『えんとつ町のプペル』をすることは決まっているわけです。
この公演に「イベント花(ロビーに飾られるヤツ)を出したい」と考える日本人は少なからずいるわけで、その際、当然、「地元の花屋さん」に発注します。
加えて、今回は、日本人がブロードウェイに挑戦した舞台の『初演』です。
この、二度と手にいれることができない『初演』には圧倒的に価値があります。
そこで、昨日、スタッフを介して「Yoshiko Akasaka」さんに連絡を入れて、お話をさせていただき、【ブロードウェイミュージカル『えんとつ町のプペル』に贈るイベント花の予約販売サイト】を立ち上げてみました。
この際、お花を、そのまま【花】として販売してはダメで、「日本人発のブロードウェイミュージカル『えんとつ町のプペル』の初演に花を贈った」という【経験(エピソード)】を販売した方が、お花の購入理由が高くなるので、お花に『ネームプレート』を付けることを義務付けて、加えて、購入者さんの名前が入った花が、ミュージカル『えんとつ町のプペル』の劇場ロビーに展示されている写真を撮って、購入者さんに送るように指示させていただきました。
えんとつ町のプペル』が盛り上がれば盛り上がるほど、その写真は価値を持ちます。
数年後、100億円を出しても買えません。
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▼ 見えてきたコロナ対策
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外出できないから、店に行けないだけで、世界から人がいなくなったわけではありません。
つまるところ、コロナショックを耐え忍ぶことさえできれば、また日常が戻ってきます。
ドイツの「大矢さん」や、ニューヨークの「Yoshiko Akasakaさん」を応援する方法を考えた時に、耐え忍び方の選択肢の一つとして「前払い(予約販売)」という答えが見えてきました。
そして、この時期の「前払い(予約販売)」は、お客さんの「応援」が強めに乗っているので、お店のファンになってくれる可能性がグッと上がっています。
ここを突くことが重要だと思います。
こうして、サロンメンバーさんを具体的に応援する様子を共有することで、「なるほど。それなら、ウチでもやれるかも」という気づきに繋がると嬉しいので、引き続き、困っているサロンメンバーさんを助けに行きたいと思います。
明日は、新型コロナウイルスの話題は一旦お休みして、『新時代の報酬設計』について、お話ししたいと思います。
今日も1日頑張りましょう!
現場からは以上でーす。
【追伸】
オフブロードウェイミュージカル『えんとつ町のプペル』に贈るイベント花のオンラインショップを立ち上げました。
収益は、ブロードウェイのお話屋さんに全額お渡しさせていただきます(※そもそも、お花の売り上げなので)。
サロン記事のシェアはNGですが、このオンラインショップのシェアは是非是非!!

 

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