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2021年04月13日のエンタメ研究所の過去記事

4月13日(火) ※4月15日以降は『いいね』を押さないでください。
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おはようございます。
映画プペルの台湾公開(台湾ランキング5位だった!)に続き、今度は韓国での公開が迫っていて、世界戦に活発になってきたので(日本感を前面に押し出す戦略として)改名を決意した『キングコング西野』あらため、『寿司忍者JUDO』です。
さて。
今日は『音声メディアをハックする』というテーマでお話ししたいと思います。
「結果報告」ではなくて、目的を遥か先に定めたキンコン西野(ジュードーさん)の「現在地の報告」で、「これから走り出しますが、今はココにいます。とりあえず覚えておいてください」という話です。
ビジネス書と違って、事後報告じゃないところが、オンラインサロンの醍醐味です。
※ちょっと黒西野よりの話になるのですが嫌いにならないでね。
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▼ 音声で食べていくことは可能か?
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僕はいつも実験しています。
「オンラインサロンで生活していける」…どころか、「オンラインサロンを事業の柱として、大規模なプロジェクトを仕掛けていける」ということは、この数年で証明しました。
YouTubeで生活していける」は、いろんな方が証明したので、もはや僕がやる必要はなくて(そもそも向いてなさそうだし)、その実験には興味がありません。
今朝の Voicyで少しだけお話ししたのですが、「Voicyやstand.fmといった『音声メディア』だけで生活していける」には少し興味を持っています。
僕みたいに「どうなるか分からないからやってみる!」という人間は極々一部で、ほとんどの人は、(オンラインサロンの時もそうでしたが)「頑張れば食っていける(お金になる)」という確認が取れた上で参戦します。
参加動機(下心)はどうであれ、音声プレイヤーが食っていける世界を作ることができれば、たとえば「見た目にコンプレックスがある人」も救えるわけで、僕は、そういった優しい未来に用があります。
あと、
「どうなるか分からないからやってみる!」とか言いつつ、音声プレイヤーとして〝どうなるか分からなかった(食っていけるかどうか分からなかった)〟のは2年前の話で、今の状況を見ると、(ドン引きされるから皆には言わないでおいて欲しいのですが)少しアクセルを踏み込めば、ハックできると思います。
ここから、もう少し踏み込んだ話をします。
僕は自分の会社を持っているので(※社長じゃないよ)、広告費のことを考える機会があります。
僕の中で広告費は、「ブランディング費用」と「顧客獲得費用」の二つに分けて考えています。
たとえば、
宇宙ロケット(ホリエモンロケット)に出した広告費は、絵本等の売り上げには直結しませんが、「西野って、そういう挑戦を応援する人間だよね」というブランディングには大きく寄与しているという考えのもと、出させていただきました。
一方、
『映画 えんとつ町のプペル』の時に、広告費として1億円チョット出させていただいたのですが、あれは子供達に映画のチケットを直接プレゼントしているので、(ブランディングもあるけれど)「顧客獲得費用」です。
当然、「子供達に喜んでもらいたい」が一番最初にありますが、その先の「プペルを観た子供達が、学校の友達に感想を伝えてくれないかなぁ。それをキッカケにプペルを観に来てくれる子が増えたら嬉しいなぁ」という下心もあります。
「お金を払ってブランディングしたことによってプラスになっているのか?」
「お金を払って顧客を獲得したことによってプラスになっているのか?」
…そんなことを考えながら、広告の「出す/出さない」を決めています。
※ちなみに、会社ではなく、個人でやっている寄付(支援活動)は、そういったことは1ミリも考えていなくて、本当にただの趣味です。
僕の銀行口座にお金を寝かすぐらいなら、困っている人を助けることに使った方が1億万倍有意義だと思って、寄付させていただいています。
「音声メディアだけで生活していけるモデルケースになろう」と決めた時に、僕が持つのは(今お話ししたような)「企業側の視点」です。
つまり、「キンコン西野のラジオになら広告費をいくら出すかなぁ」です。
算盤を弾いてみましょう。
音声メディアなので再生回数にブレ(アタリorハズレ)がありません。
キンコン西野のVoicyの直近1ヶ月の再生回数は毎日コンスタントに「4万回再生」。
YouTubeにアップしているMVのように、「同じ人が何度も視聴している」ということは考えにくく、音声メディアの4万回再生は、そのまま「4万人が聴いている」と考えていいと思います。
日曜日は「チャプター」が分かれていて、チャプターごとに再生回数がカウントされるので、再生回数自体は大幅に増えますが、惑わされてはいけません。
聴いている人数は変わらず「4万人」と考えていいと思います。
そして、面白いのはココです。
音声メディアの場合は動画と違って〝スマホ画面の前にベタ付き〟ではない為、CMをスキップする方が面倒なので、CMが飛ばされることがほとんど無い。
これは本当に大きくて、そのことが顕著に現れるのが僕がVoicyでやっている「オンライン講演会の告知」です。
同じ告知を毎朝同じ人に向けて繰り返しているのに、毎日、講演会の参加者が増えていきます。
たしかに、僕自身、他のパーソナリティーさんの「同じCM」をスキップしたことは一度もなく、何度か聴いているうちに、興味を持つことがあります。
「毎朝4万人に確実に届く」は、広告としては、かなり手堅いです。
僕なら「100万円」は迷わず出します。
『映画 えんとつ町のプペル』を公開する時に、「広告をどこに出すか?」という算盤を弾きまくっていたのですが、あの感覚でいくと、「4万人が毎朝確実に聴いているラジオで映画の宣伝を1ヶ月間毎日してもらえる」が100万円で買えるのは、かなり安い。
ここにプラスαで、キンコン西野の音声は、YouTubeにもアップされて、ブログ、note、Facebookに文字起こしされるので、トータルのリーチ数はもうチョイ。
鼻が利く企業なら、ほっとくわけがない。
どう考えても、現時点で「音声だけで食っていく」は実現可能です。
ただ、「その業界に才能が集まるかどうか?」となると話は別。
トッププレイヤーの収入が「月収100万円」では才能は集まりません。
大きな爆発は起きない。
最低でも、その10倍は必要だと思います。
 テレビが取り上げるのも「音声で年収1億円!?」です。
年収1億円を突破しようと思ったら、月収850万円をクリアしなければなりません。
僕なら、キンコン西野のラジオに「100万円」は出しても、「850万円」は絶対に出しません。
おそらく、一般的な社長の考えと大きくズレてはいないと思います。
つまり、
現時点では「広告収入」だけで、音声メディアの億プレイヤーになることは不可能です。
可能性があるとしたらダイレクト収入との合わせ技だと思います。
「ここからどう持っていくのか?」を皆さんと共有し、「おお、なるほど。ここでこの手を打ってきたかぁ〜!」を皆さんと共有したいので、現在地を正直に白状します。
現在、僕のVoicyでは「個人スポンサー枠」を1万5000円(一回放送分)で販売していて、1ヶ月の売り上げは45万円。
そこからBASE(オンラインショップ)の手数料が引かれるので、僕の音声の1ヶ月の収入は「約40万円」ほど。
「自分の時間を削って(労働時間を増やして)、放送回数を増やす」という収入の増やし方もありますが、それだと億プレイヤーにはなれません。
「労働時間を増やす」という解決方法では辿り着けない場所があります。
億プレイヤーになるには、「価値を上げる」や「仕組みを改める」という方法が必須で、
これは、すべてのサービス、すべての経営者・労働者が向き合わなければいけない共通の課題です。
「勤勉」を美徳とする日本人が最も苦手な分野かもしれません。
僕の中で、まだ答えは出ていないのですが、ここからどう持っていくかを見ておいてください。
そのやり方が、皆様のお仕事や生活の参考になると嬉しいです。
ご安心ください。
僕が興味があるのは「仮説」と「検証」だけです。
集まったお金は寄付します。
現場からは以上で〜す。
 
 
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