西野亮廣のエンタメsalon

西野亮廣エンタメ研究所の過去記事を中心にアップしてます

2020年01月14日のエンタメ研究所の過去記事

おはようございます。
年末の『天才万博』(毎日20杯ずつぐらいお酒を呑んだよ)の反動で、今は全くお酒が呑みたくないキングコング西野です。
さて。
今日は「次は、こんなことを仕掛けようと思ってるよ。…ていうか、この記事を書いた直後から、すぐに動き出すよ」という話をしたいと思います。
泣いても笑っても今年は映画プペルイヤーでして、このサロンでも、映画の広告戦略の話題が例年よりも多くなると思います。
そんな中、第1弾広告として仕掛けた『カバー曲企画』がバズって(連鎖をおこして)おります。
昔から僕のことを応援してくださっている方ならご存知だとは思いますが、僕は「(SNSYouTubeで)発信者が増えれば増えるほど、『極上のフリー素材』が世界を獲る確率が上がる」という考えでして、昔から僕の作品は「著作権」をナァナァにしています(フリー素材にしています)。
映画のポスターデータを「フリー素材」にしたのもその為ですね。
今回の『カバー曲企画』をもう少し分解して読み解くと、つまるところ、「映画『えんとつ町のプペル』のカバー曲をYouTubeにアップしてくださった方は、映画『えんとつ町のプペル』の【株】を持っている」という状態と言えます。
映画がヒットすればするほど、自身のチャンネルに流れてくる人が増えて、自身の収益(お金だけではなく認知度アップ)にも繋がるので、映画『えんとつ町のプペル』を応援する理由になります。
今回、映画業界を覗いてみた時に、まず最初に目がいったのは、「地球上には、これだけ発信者が増えているのに、全然、発信者に【株】を持たせてないじゃん。勿体ない」でした。
これは、いろんなところで見られる「オジサン思想による取りこぼし」なのですが、自社製品の売り上げを総取りしようとするから、自社製品の宣伝をするのが自社の人間しかいなくて、結果、取り分がメチャクチャ小さくなっちゃっています。
東京オリンピックを積極的に宣伝する人間は、「東京オリンピックが盛り上がることで利益を得ることができる人間」で、一般人の僕らからすると、「知ったこっちゃねーよ」という気持ちがどこかにあります。
「一般人が宣伝したくなるような報酬の設計を頑張れよ!」と言いたいところですが、この時、『権利問題』の壁が立ちはだかったりします。
たとえば、今回のように「映画の主題歌のカバー曲をYouTubeにアップしてくれたら、本人がシェアします!」というのも、音楽業界の偉いオジサン達は…
「いやいや、そんなのでカバー曲が出回ってしまったら、本人が楽曲リリースした時の需要が下がってしまうじゃないか(笑)。せめて、本人の楽曲リリースがあって、売り上げがある程度取れてから…カバー曲企画をやろう」
と言い出したりします。
なかなか古い体質です。
今回、映画『えんとつ町のプペル』の主題歌を決める時の会議で、超大物アーティストさんに楽曲制作をお願いする話があがりましたが、僕がビックリするぐらい一瞬で却下しました。
「アーティストが抱えているファンの数」と「10000人の配信者の合計再生回数」を天秤にかけた時に、明らかに、後者の方が大きかったので、宣伝活動時の楽曲利用許可が西野亮廣の一存で決められる曲を主題歌にした方がいいと判断し、西野亮廣が作詞・作曲の『えんとつ町のプペル』を主題歌に選ばせていただきました。
おそらく主題歌は「ロザリーナ」が歌うことになると思うのですが(※所属事務所が広告戦略に口を挟んでくるのなら別のアーティストになる)、ここからの戦略としては、ロザリーナが歌う『えんとつ町のプペル』は、まだまだ発表せず、しばらく前面に押し出すのは西野が『天才万博』で歌った動画(※お客さんが勝手に撮ったやつ)です。
下手クソな西野の歌&画質の悪い動画を『素材』にして、「西野の動画よりもイイ動画を作る」という“余白”を残しておきます。
ロザリーナ」が歌って、プロ中のプロが動画編集をしてしまうと、それに比べて歌が苦手な人&動画編集が苦手な人が、今回の企画に参加しなくなるので(※わざわざ見劣りしている自分を晒す人は少ない)。
これが『極上のフリー素材』ですね。
「質が高ければイイ」というわけではなく、時と場合によっては「質が低い方がイイ」こともあります。
他方、同時進行で、海外展開もしていかなくちゃいけません。
海外では「キンコン西野の企画力」はアドバンテージにはならないので、シンプルに「憧れられる動画」「スゲー動画」を発信することが一番の広告だと思います。
そこで、日本では「カバー曲企画」を走らせつつ、映画『えんとつ町のプペル』の劇中歌を歌ってくれる「フォレストちゃん」を日本に呼んで、英語版の主題歌『Poupelle of Chimney Town』を歌ってもらって、これをYouTubeにアップしようと思います。
英語版の主題歌は、ソックリそのまま、オフブロードウェイミュージカル『Poupelle of Chimney Town 』の宣伝にも使えるので、コチラは公式でハイクオリティーのものを発信した方がいいでしょう。
「『えんとつ町のプペル』の英語版主題歌を作りたい」というクラウドファンディングを立ち上げようかと思っています。
リターンは、「レコーディングおよび撮影現場を観に来れる」等々。
整理すると…
日本語版=たくさんの方が「カバー曲企画」に参加できるようにオフィシャル素材の質を下げておく。
英語版=憧れられるように(西野やプペルに興味がない外国人に見つかるように)オフィシャル素材の質を上げておく。
こんなところです。
2020年は日本中を巻き込みながら、同時に海外に仕掛けていきたいと思います。
何卒、宜しくお願い致します。
現場からは以上でーす。
 
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2020年01月13日のエンタメ研究所の過去記事

おはようございます。
昨日、田村Pから「舞台『えんとつ町のプペル』の何がそんなに良かったん?」と訊かれ、「なんか一生懸命頑張っている若い子達が可愛かったんだよね。キュンキュンしちゃった」と答えてしまったキングコング西野こと「普通のオバサン」です。
さて。
今日は「こんな新しいことを始めるよー」という話ではなく、先日仕掛けた実験結果を考察し、次のチャンスに備えたいと思います。
映画『えんとつ町のプペル』のプロモーションとして仕掛けた「映画の主題歌のカバー曲をYouTubeにアップしてくださったら、西野がシェアします」というアレです。
投稿者の中には、投稿から2日~3日ほどで再生回数が2万5000回を超え、チャンネル登録者数も一気200人ほど増えた方もいて、ずいぶん盛り上がっています。
映画公開までには再生回数は20万回はいくでしょうし、映画が公開されたら50万回ぐらいまで伸びると思います。
多くの方が安く見積もっていたと思うのですが、「企画発表から今日までの2~3日は、名を上げたい人にとっては異常なチャンスだった」というのが一つ目の結論です。
ここ(昨日のブログ)に書かれていることが全てなのですが、仕掛けるときは『タイミング』と『クオリティー』が非常に重要で、遅かったら話になりまんし、早い方がいいんだけれど、たとえ早くても期待値を超えていなかったら意味がない。
(※あくまで、プロとして食っていくのなら、という話です)
一定のクオリティーを超えたものを、早いスピードで出さなきゃいけなくて、その為には、普段から爪を磨いでおくことが大切です。
これが二つ目の結論。
企画が発表されてから、「動画編集の方法ってどうやるんだろう?」「撮影できる場所を探さなきゃ!」と動き出した時点で負けで、「『いつでもいけまっせ』という準備をしている者が勝つ」というシンプルな世界です。
オマケとして、今回の場合はターゲット層が期待している場所を明確にした「アレンジしすぎない」というマーケット感覚も必要ですね。
んでもって、今から話す「3つ目の結論」が、これまであまり言語化されていない結構重要なポイントだと思いまく。
トップインフルエンサー活動を始めて久しい西野亮廣に言わせると、各プラットフォーム毎に「ドレスコード」は確実に存在していて、たとえばVoicyだと屋外(後ろで車の音がブンブン鳴っていたりする場所)で録音された番組は、どれだけ素晴らしい内容を話しても、継続して聴いてもらえません。
「内容」よりも「聞き心地」の方が強いんですね。
ラジオは「生活のBGM」として利用されるのだから、考えてみりゃ、そりゃそうです。
YouTubeもコレと同じようなことが起こっていて、特に今回のような「歌モノ(しかもスケールの大きな曲)」だと、ドレスコードとして『画質』は確実に入っていて、もう少し具体的な言葉で表現すると投稿する動画の「清涼感」は非常に重要だと思いました。
今回の企画で再生回数が伸びているチャンネルは、分かりやすく「清涼感」を押さえていて、そこから歌に誘導しています。
こうなってくると、ミュージシャンには動画編集能力は確実に必要で、そこに対して、「俺は音楽で勝負するんだ!」と言っちゃうのは、高級レストランの入り口で「俺はサンダルしか履かないから、ここでもサンダルなんだ!」とゴネているようなもので、料理に辿り着けません。
これは何も「一人のアーティストが歌から動画編集まで全部やれ!」と言っているわけではなくて、僕の見立てでは、現在、もっとも再生回数を伸ばしているHighTさんのチャンネルは、音楽のクオリティーや、画質や歌詞のフォント選びのセンスを見る限り、お一人で運営しているわけではなくて、編集マンと組んで、チームでやられていると思います。
動画の時代になった以上は、バンドメンバーに「動画編集マン」を入れておくことが大切で、ギターやベースやピアノやドラムと同列で『楽器』として扱った方がいいと思います。
ここを押さえておかないと世に出ることはほぼほぼ不可能なので、音楽活動をされている方は、このことを重く見た方がいいんじゃねぇかなぁというのが3つ目の結論です。
さて。
えんとつ町のプペル』のカバー曲企画は、企画開始から3日が経ちました。
もう『スピード勝負』は無くなりました。
「遊びでアップしてみましたー」というものは箸にも棒にも引っ掛からず、ここから先は『圧倒的なクオリティー』のものしか検索に引っ掛かりません。
『タイミング』と『クオリティー』の重要性がよく分かる実験です。
どうなることやら?
引き続き見守っていきたいと思います。
現場からは以上でーす。

 

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2020年01月12日のエンタメ研究所の過去記事

おはようございます。
『キャリオク』のCM撮影に向けて、1キロぐらいダイエットしようとしているキングコング西野こと「乙女」です。
さて。
昨日、ベーシックインカムと称して「大きな挑戦するサロンメンバーに月50万円の活動支援金を給付しまーす」と公に発表したところ、大変な反響がありまして、僕のTwitterのタイムラインにもたくさんのコメントが届きました。
その中で、「キンコン西野は、もっとも優しくて、もっとも厳しい応援を選んだ」という旨のコメントがありまして、核心をついているなぁと思った次第です。
ブログでも書かせてもらいたしたが、大阪時代は「西野は他のことを一切しなくていいから、とにかく面白いことだけをしろ」と言われ、ずっとロザン菅さんに食わせてもらって、東京に出てきてからも、タモリさんから同じようなことを言われました。
週1~2で呑みに連れていってもらって、絵本のロケハン(下見)の為のホテルや飛行機チケットなどもタモリさんが取ってくださいました。
絵本の参考資料をまとめてくださったのもタモリさんです。
ビックリするぐらいの特別待遇で、おそらく周りからは羨ましがられていたと思うのですが、本人にしてみれば、大きな大きな感謝を抱いている一方で、「尊敬している先輩のリソース(時間やお金)を奪ってしまっている」というプレッシャーは半端なかったです。
「なんとしてでも結果を出して、この恩を返さねば!」という気迫で走っていました。
学生で『エッフェル塔の個展の責任者』を任された瀬戸ちゃんや、3万5000人の目の前で「活動支援金で毎月50万円あげます」と言われてしまった小野さん(ミュージカル『Poupelle of Chimney Town』のリーダー)も、きっと、あの日の僕と同じで、そこには、受けた恩恵(チャンス)相当の代償(プレッシャー)がついてきています。
「圧倒的な結果を出さなかったら、もう、ここ(自分が好きな場所)にはいられない」と思わされてしまう状況って、結構、キツイっすよ。
そんなことを踏まえて、今後の小野さんの挑戦に注目していただけると嬉しいです。
そして、今日は、その話の延長のようで微妙に違う話をさせていただきたいと思います。
オフブロードウェイミュージカル『Poupelle of Chimney Town』の土台作りについてのお話です。
新事業を立ち上げる際、やはり手堅いのは『スモールスタート』(※最初は小規模展開し、需要の増大に応じて規模を拡大させていくこと)です。
ただ、それも「時と場合」で、場合によっては「極力コストをかけない」ということが、結果的に「無駄使い」になることがあったりします。
スナック『Candy』が分かりやすい例かもしれません。
五反田のスナック『Candy』を立ち上げる際、バカみたいに(本当にバカみたいに)内装費をかけて、世界観を作り込みました。
しかし、その「バカみたいにコストをかけて作り込んだ内装」が集客装置となり、内装の写真が出回り、オープン直後から1円の広告費を支払うこともなく(※たべログにも載っていない)、今日もたくさんのお客さんが足を運んでくださっています。
その一方で、スナック『Candy』の名前だけを借りて、居抜き物件で、内装をイジらずに(コストをかけずに)スタートさせた地方の『Candy』などは、毎日、広告費を支払い続けています(※オーナーが自分の時間を割いてSNSで宣伝し続けています)。
宣伝し続ける人の「人件費」を考えた時に、圧倒的に安くついているのは「内装費をバカみたいにかけた」五反田の『Candy』で、プロジェクトを立ち上げる時というのは、ここを計算しておかなくちゃいけません。
ミュージカル『Poupelle of Chimney Town』を展開していく際、リーダーの小野さんは方々に仕事を発注することになるでしょう。
その際、イベントの主催が「小野さん」個人だと、仕事を受ける側は「いやいや、大丈夫なの? トンズラこいたりしない?」という疑問を抱いてしまいます。
その都度、小野さんは、その人に会いに行き、「これは安心してもらっていいプロジェクトなんだ」という説明を何度も何度も説明して、信用してもらわねばなりません。
その信用獲得までにかかる小野さんの「人件費」こそが最大のコストなので、昨日、ミュージカル『Poupelle of Chimney Town』の運営会社をニューヨークで立ち上げることを決めました。
僕はその会社の経営には一切タッチしませんが、『株式会社NISHINO』が全額出資します(*^^*)
ミュージカル『Poupelle of Chimney Town』の運営もしつつ、ニューヨークで勝負を仕掛けたいサロンメンバーの待ち合わせ場所的な役割も担ってくれるといいなぁと思っていたりします。
そんなこんなで難しいことはよく分かりませんが、エンタメで世界を獲りに行きます。
現場からは以上でーす。
【追伸】
1月21日から始まる舞台『えんとつ町のプペル』のソールドアウト日が続出していると聞き、昨日、慌てて2月3日の東京公演のチケットを取りました。
ナンジャカンジャで3回観に行きます(どんだけハマってんだよ!)。
劇場ロビーをウロついておりますので、見かけたら、気軽にお声がけくださーい。
あと、この動画最高っす(※最後まで全部観ちゃった)↓

 

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2020年01月11日のエンタメ研究所の過去記事

薄々お気づきかもしれませんが、3日前に稽古の見学に行ってから舞台『えんとつ町のプペル』に激ハマリしているキングコング西野です。

さて。

そんなこんなで、自分の中で『えんとつ町のプペル』熱が高まっております。
東京公演を観るだけでは我慢ならずに、追加で神戸公演(1月21日)のチケットも取っちまいました。
新幹線に乗って、神戸に行きます!!

さてさて。。

今日のお話は話そうかどうか迷ったのですが、僕たちの挑戦する意味(その根元)に関わることだし、なかなか表ではお話しできないことなので、僕の独断でお話ししたいと思います。

今年の秋にオフブロードウェイで上演を予定しているミュージカル『Pouplle of Chimney Town』の件です。

 
実は、このミュージカルの主演には、俳優の「小出恵介さん」の名前があがっていました。

ご存知の方も多いかと思いますが、大阪府青少年健全育成条例違反の疑いで書類送検され、後に不起訴となったわけですが、イメージダウンは免れず、所属事務所との契約は解除。
かれこれ3年近く、表舞台からは姿を消しています。
 
個人的な付き合いは一切ありませんが、「ニューヨークで語学の勉強をしながら、俳優として再起をかけて頑張っている」という話は聞いています。
もう言っちゃいますが、プロジェクトリーダーの小野さんが通っていた演劇学校の友人なのだそうです。
再起をかけて頑張る小出さんの姿を見て、「小出さんでやりたい!」と小野さんから申し出がありました。

これに対して、大人(特に吉本興業)が煙たい顔をするのは容易に想像がつきます。
それは「やり直しをかけている人を見捨てる」といったイジワルな理由ではなく、「小出恵介さんを器用することで始まるであろうネガティブキャンペーンから、『西野亮廣』と『えんとつ町のプペル』を守る」という優しさからです。

とくに、今年は(もう何年も準備をしてきた)映画公開の年でもあります。
「ネガティブなイメージが付くのは、なるべく避けたい」という判断は責められるものではないと思っています。

しかし、これは本当に僕個人の考えなのですが…

たしかに、小出恵介さんは本当にたくさんの人に迷惑をかけてしまいました。
被害者の方、被害者のご家族、ファン、スタッフ、それこそ吉本興業にも迷惑をかけたでしょう。

ただ、現在進行形の犯罪者ではありません。

不起訴にもなり、社会的制裁も十分すぎるほど受けて、罪を償い、再起をかけて頑張っています。
一度過ちを犯したら帰ってこれないような「許されない社会」を僕は望みませんし、何より、「臭い臭い」と忌み嫌われながらも上を見ている今の姿こそが「ゴミ人間・プペル」そのものじゃないかと思っています。

いつまでも鳴りやまない世間の批判は、俳優であれば、板の上で見せたもの結果で黙らせればいいと思っています。
その為には「チャンス」が必要です。

スタッフさんから「小出恵介さんの名前があがっているのですが…」と渋い顔で相談された時に、「いいじゃん」と返しました。
心配したのは英語の方で(ミュージカル『Poupelle of Chimney Town』は全編英語)、僕や作品のネガキャンに関しては何の問題もありません。

僕は、そんなもので潰されるほど弱くないです。

ミュージカル『Poupelle of Chimney Town』においての僕の役割は「原作・脚本」であって、僕がトップでハンドリングしているプロジェクトではないので、この後、キャスティングがどうなるかは知りませんが(蓋をあけてみたら、別の人が主演になっていることもあるでしょうが)、舞台制作の裏側で、こういったやりとりがありました。

キチンと罪を償った人がやり直せる世界が好きです。 
これは、今回の作品に限った話ではなくて、僕が仕掛ける全てのプロジェクトに共通する理念なので、こうして皆様にお話しさせていただきました。

現場からは以上でーす。

 

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2020年01月10日のエンタメ研究所の過去記事

おはようございます。
昨夜、蜷川実花さんから「ここで呑んでるから、今から来てー」とリンクが貼られていたので、飛んでみたリンク先が『スペインのサッカー育成組織について延々と説明しているWikipedia』だったキングコング西野です。
どこだよ!
さて。
数年前、映画『えんとつ町のプペル』の企画をスタートさせる時に、スタジオ4℃(アニメ制作会社)さんと、電通さんと、吉本興業に言ったのは、
「10年後は違うと思いますが、少なくとも“今”は、僕が日本で一番、人を巻き込む能力に長けています。これから、多くの方が『ん?』と疑問を持ってしまうような施策を仕掛けることになると思いますが、それら全ては『思いつき』でやっているものではありません。必ず全員を勝たせるので、広告戦略に関しては、一旦、僕に全権委ねてください」
という、傲慢極まりない言葉でした。
そして、「この条件を飲んでくれないと、僕は、この作品をやりません」とも。
結果、その後に手を組むことが決まった東宝さんを含め、皆さんの御理解をいただいて、たとえば、制作中の3Dモデルを公開したり、映画『えんとつ町のプペル』のカバー曲を(オリジナル楽曲の発表前に)YouTubeにアップしてもらう企画が打てたりしています。
3~4日前にスタートさせた「カバー曲企画(映画の曲をカバーしてくれたら、西野がRTするよ)」では、再生回数1万回を超える配信者がポコポコ出てきて、こうなってくると、ここからは「映画プペルの曲をカバーしてYouTubeにアップしたら再生回数が稼げるのね」という人が増えてくると思うので、映画公開までには、総再生回数は1000万回は超えると思います。
かけた広告費はゼロ円です。
ポイントは、「YouTuberやアーティストの支援(認知度拡大のお手伝い)をしながら、映画『えんとつ町のプペル』という『自分の活動』にポイントが入っている」ということで、少し下品な言い方をすると「他人を応援すればするほど、自分が得をする」というシステムを設計することが重要だと思います。
昨日お話した挑戦するサロンメンバーのベーシックインカムの話ですが、昨日のうちに打ち合わせの場を設けて、とりあえず2020年9月まで、ブロードウェイチームに毎月50万円の活動支援金をお渡しすることが決まりました。
ベーシックインカム」というの名前はパワーワードで、議論を生む為のフックで、実際のところは、「投資」に近いです。
見返りは、お金ではなく、「『西野亮廣エンタメ研究所』がブロードウェイに仕掛けている」というブランドです。
やはり、ここでも「他人を応援すればするほど、自分が得をする」という環境に落としこんでいます。
大切なのは以下の2点です。
①「西野と絡んだら取り分が大きくなる」という状況を作る。
②「今回の取り分は、西野と絡んだらから大きくなったんだ」という自覚が持てる相手としか組まない(=フリーライドの自覚が無い人とは距離を置く)。
この上で、『原作・脚本』として参加させていただいている今度の舞台『えんとつ町のプペル』(@ネルケ)のスタッフさん達を見たときに、「収益のお手伝い」がしたくなってきました。
「ちゃんとした人達だなぁ」と思ったのと、本当にシンプルに作品が素晴らしかったので、「いい作品を生んだ人には相当の報酬があるべき」と思ったので。
すぐにマネージャーの須藤君に連絡して、
・物販コーナーで絵本(サイン付き)を売ること。
・絵本の収益は全額ネルケさんに入れること。
・絵本の在庫は全てコチラが買い取ること。
…の3つを伝えました。
ネルケさん的にはノーリスクでグッズ収益が入るという状態です。
在庫の買い取りに関しては、どうせ、僕らは先々で被災地やスラム街の子供達に絵本をプレゼントするので、僕らにとってもノーリスクです。
一昨日、稽古を見学させてもらって、心の底から感動し、ネルケさんを勝たせたくなってきました。
今朝、我慢ならず、1月21日の神戸公演(初日)のチケットもとっちゃいました。
神戸でも、東京でも観たいし、作品が成長していく過程も観たいので。
「パートナーを具体的に勝たせて、ついでに自分も勝つ」ということを今年は更に徹底していきたいなぁと思っています。
現場からは以上でーす。

 

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2020年01月09日のエンタメ研究所の過去記事

おはようございます。
お正月の終わりと共に「数の子」とお別れしなければならない悲しさに打ちひしがれているキングコング西野です。
数の子ちゃん、必ず、また来年会おうね。
さて。
今日の記事の前半は日記のような内容になりますが、最後はそれなりの結論をご用意しているので、お付き合いください。
昨日、舞台『えんとつ町のプペル』の稽古の見学に行ってまいりました。
今朝のブログにも書かせていただきましたが、とにかくクオリティーがヤバくて、本当に最高だったんです。
今回の舞台は、「たった3ヶ月で制作しなければならない」という鬼のような環境だったのですが、そのことが逆に出演者&スタッフの魂に火をつけました。
昨日は衣装も美術も揃っていない中、「初の通し稽古」だったのですか、鬼気迫るものがありました。
演出の児玉明子さん(元・宝塚歌劇団)の本物っぷりが、ちょっとヤバいレベルです。
児玉さんと、もっともっと仕事をしたい。
「やっぱり観に行けばよかった」という後悔だけはして欲しくないので、是非、観に行ってください。
ちなみに僕は2月1日の17時の回を観に行きます(もちろん客席で)。
ギリギリまで稽古見学をさせてもらった後は、タクシーに飛び乗って、今度はブロードウェイミュージカル『Poupelle of Chimney Town』のスタッフさん達との会食へ。
車中、YouTubeをタラタラ見ていたら、フリーランスがまた「お金の稼ぎ方」についてチンタラ喋っていて、「稼ぎ方も大事だけど、コイツら本当に『使い方』の話をしねーな。だから、稼ぐお金の桁が何年経っても変わらねーんだよ」と悪態をつく黒西野。
だけど、大人だったら夢を見せてくれよ。
きっと、その落差もあって、その後のブロードウェイチームの姿勢が余計に輝いて見えたのだと思います。
「日本人でブロードウェイを獲る!」と息巻くリーダーの小野さん(元・劇団四季)は、勢いあまってすぐにコケるし、いい歳ブッこいてビービー泣くし、お世辞にも「器用」とは言えない人だったりするのですが、その姿が『えんとつ町のプペル』の本当の主人公の『ブルーノ』(映画版と舞台版で出てくるよ)とダブって見えて、汚れ知らず。
こういう人の背中を、もっと沢山の人に見せたいと思いました。
いい感じに酔っ払った御一考は近所のスナック『Candy』へ流れます。
昨夜(毎週水曜日)は、大学生の日(大学生がママをする日)だったようで、大カオス。
大学生、大人、覚悟が決まっているヤツ、まだ覚悟が決まらないヤツ…しかし皆、前しか見ていなくて、こういう景色を見ると泣きそうになります。
いよいよ酔っ払って、いい時間になったので、帰ろうとしたら、そこからまさかまさかビリギャルの坪田先生と幻冬舎の袖山さん(坪田さんや僕の本の担当編集者)が来店。延長戦へ突入。
そこでも、また、前向きな話。未来の話。
その裏で絵本制作チームのLINEグループがピコピコ鳴っていて、開いてみると、キャラクターデザインをしてくださっているYKBXさんから「チェックをお願いします」とキャラクターのラフが届いていました。
的確でとっても優しい指示を出す蜷川実花さんと、すかさず「西野は今、酔っ払っています(戦力になりません)」と返信する田村P(笑)。
ここも、また未来しか見ていません。
日記は程々にして、この辺から、まとめに入りたいと思います。
今、僕の周りは挑戦で溢れていて、昨日あらためて思ったのですが、「これを一時的なものにしてはいけないなぁ」と。
僕は誰よりも挑戦するし、挑戦する人を誰よりも応援したいと思っています。
挑戦を続ける為には、「想い」だけではなく、挑戦する「環境」が必要です。
そこで、(まだ会社の人には話していないのですが)有意義な挑戦をするサロンメンバーには株式会社NISHINOが毎月お金を出して、ベーシックインカム(基本給)を用意するといいんじゃないかなぁと思っています。
それこそ、ブロードウェイミュージカル『Poupelle of Chimney Town』を軌道にのせるまでには「お金」が必要です。
生活が追い込まれてしまうと、クリエイティブの質は明らかに下がります。
月50万円でも支援があれば、少しは助かるハズで、「ブロードウェイの挑戦を支援している」は西野亮廣エンタメ研究所の広告費として格安だと思っています。
ベーシックインカムという言い方がアレだったら、「オンラインサロンの広告費」でもいいかも。
あと、支援された側は、いよいよ引き下がれないww
挑戦する人を具体的に応援する制度を作って、ここが、挑戦が集まる場所になった方がいいと思っています。
どうすかね?
ご意見、お待ちしております。
現場からは以上でーす。
 
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2020年01月08日のエンタメ研究所の過去記事

おはようございます。
「お正月休みのまま年末まで行ってくれねぇかなぁ?」と考えるぐらいまで腐っているキングコング西野です。
さて。
今日は「世界戦に向けて、僕らは何を大切にすればいいのか?」というお話をしたいと思います。
こんなことを言ったら「生意気だー!」と怒られるのですが、国内戦においては、『アイデア』と『スピード』と『絶望的な量の努力』を押さえておけば、ある程度なんとかなると思っています。
『過程をエンターテイメントにする』的なこともできます。
ところが、一歩、海の外に出てみると「キングコング西野が迫害を受けた物語」なんて知ったこっちゃありませんし、『えんとつ町のプペル』の制作行程のユニークさなどは一秒も話にあがりません。
求められるのは「作品の質」のみ。
そこは、北斗の拳ばりに「腕力勝負」の世界です。
『アイデア』『スピード』『絶望的な量の努力』は最低限のスペックで、世界戦に参加する連中は、基本、全員揃えています。
ここに、アメリカや中国やインドは『国の力』が足されたりするもんですから、なかなか強敵です。が、勝ち目はあります。
「お金」も「人口」も減り続けている日本が、エンターテイメントで世界相手にドンパチする為に必ず押さえておかなくちゃいけないのは、『ポジショニング』です。
「日本ならでは」というものですね。
それは「0→1」の発明的なアクションではなく、去年の10月あたりから僕がやたら口にしている「日本人が織って成してきた文化に“あやかる”」というやつです。
世界を相手どった時に、『ポジショニング』は無視できないので、僕らが目を向けなきゃいけないのは「日本人の軌跡」で、つまるところ、「日本人とは、どういう民俗か?」という問いです。
今年のお正月は、その勉強に時間を割いたのですが、日本の過去を一通り洗った結果、どうやら「浮世絵」が面白いです。
日本発のエンターテイメントで、世界(少なくともヨーロッパ)を席巻した、あの「浮世絵」です。
浮世絵って、どう考えたって変じゃないですか?
顔はグニャリと、ひん曲がっているし、『赤富士』なんてのもあります。
富士山は青色じゃん。夕陽があたったとしても、ギリ青色じゃん。でも、赤く描かれていたりします。
一方、ヨーロッパの絵画は、人も街並みも、まるで写真のように正確です。
なぜ、日本の絵は「ヘンテコ」で、ヨーロッパの絵は「正確」なのでしょうか?
ここには明確な理由がありました。
ヨーロッパ(大陸)は、生まれも育ちも文化も見てきたものも何もかもが違う様々な人がゴチャ混ぜに暮らしているので、絵で情報を伝えるときに「正確」じゃないといけないんです。
一方で、日本(島国)は日本人しか住んでいないので、前提知識が一つに共有されているわけですね。
つまり、「富士山が青い」ということは皆が知っている。
なので、「俺は青い富士山を、こういう風に描くぜ!」「俺は、富士山を、このように見ている!」という「俺なりの富士山合戦」が始まる。
「情報に画一性があったから、表現に多様性が生まれた」という話です。
この歴史は、日本発のエンターテイメントを仕掛ける上で、一つのヒントになりそうです。
ついでに言っちゃうと、ヨーロッパのアート(絵画)と日本のアート(浮世絵)に、あれほどの違いを生んだ理由は「ターゲットの違い」にあったりします。
絵画(油絵)は絵の具を上重ねしていきます。
よって、基本、同じ絵は二枚と存在しないんですね。
一方、浮世絵は木版画なので(印刷されることが前提なので)、基本、色を重ねることはありません。
そして、印刷なので、同じ絵が何枚も存在します。
一人の大金持ち(パトロン)からウン億円を回収するのが「絵画」で、たくさんの人から500円ずつ回収するのが「浮世絵」です。
技法の違いの前に、そもそも「お金持ち向けのエンタメ」と「民衆向けのエンタメ」という“ビジネスモデルの違い”があったわけですね。
今風に言い換えると、「広告費ビジネス」と「ダイレクト課金ビジネス」の違いです。
当時のヨーロッパの名だたる画家は、この「たくさんのお客さんから少しずつお金を回収することが前提で作られたエンターテイメント」に、ひっくり返ったわけですね。
浮世絵というのは、クラウドファンディング的で、オンラインサロン的で、僕らが今やっていることに近いです。
んでもって、これこそが島国の『ポジショニング』だと思っています。
隣の芝生は青く見えるので、ついつい一人の大金持ちに出資してもらえる環境を追いかけてしまいがちですが、それは日本人がやることじゃねぇなぁというのが今年の寝正月の結論です。
浮世絵が木版画(印刷)によって遂げた独自の進化を、現代で転用しようとしているのが僕らです。
引き続き頑張ります。
現場からは以上でーす。
 
 
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