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西野亮廣エンタメ研究所の過去記事を中心にアップしてます

2020年09月04日のエンタメ研究所の過去記事

9月4日(金) ※9月6日以降は『いいね』を押さないでください。
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おはようございます。
様々な情報をかき集めて、どうやら僕が勤めている会社は「渋谷にあるレンガ造りのビル」というところまで突き止めたキングコング西野です。
さて。
昨日と一昨日、「土地(物件)を所有している人と運用する人は、状況に応じて柔軟に切り分けた方がいいよね」という話をさせていただきましたが、今日は特に『土地』に焦点を絞ってお話ししたいと思います。
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西野亮廣のハックの歴史
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「1年で結果が出せなかったら辞める」と親に約束をして田舎を飛び出したので、僕はデビュー1年目からそれなりに焦っていました。
そこで最初に狙ったのは漫才コンクールです。
当時はまだ『M‐1グランプリ』が無く、業界関係者(お笑いファン)全員が注目していたのが、『ABC新人漫才コンクール』や『NHK上方お笑いコンクール』といった関西の漫才コンクールでした。
コンビ結成10年までの若手芸人がしのぎを削るわけですが、まさかここに10年を費やすわけにはいきません。
「関西の漫才賞は1年目で総ナメしてやろう」と考えた僕は、先輩方の漫才が揃いも揃ってセンス勝負(ボケの切り口勝負)で漫才を作っているところに目をつけ、梶原君に「センスなんて要らないから【ボケ数】で勝負しよう」と提案してみました。
ネタ時間内に一つでも多くのボケを詰め込む為に、漫才のテンポを上げ、それに応じてテンションも上げました。
テンポで押しきる漫才は、(今では考えられないですが)当時は同業者やお笑いファンから大きな批判を浴びましたが、漫才コンクールで決勝に上がると、『ボケ数で勝負するキングコング』と『センスで勝負するキングゴング以外の9組』という並びになるので、単純計算、キングコングが優勝する確率は50%。
この戦略がハマり、キングコングは一年目で関西の漫才賞を総ナメします。
これが僕の芸能生活の最初の「ハック」です。
テレビの世界に入ってからは聞き役(リアクター)に徹しました。
「あいつ芸人のクセに全然ボケねぇな」と随分と批判をされましたが、1~2年目で番組のMCができる芸人(皆の【フリ】になる芸人)が一人もいなかったので、「若手芸人に番組を持たせよう」という話になった時に、キングコングの名前が結構な頻度で挙がったそうです。
ここも上手くハマり、デビュー直後から、多くの冠番組をいただきました。
これが僕の二つ目の「ハック」。
その後もアレやコレやと手を打ち、勿論、ハズレることも多々ありましたが、『絵本』にしても、『ビジネス書』にしても、『クラウドファンディング』にしても、『オンラインサロン』にしても、それなりにハックしてきました。
たぶん、キチンと策を練って、城を落とすのが得意なのだと思います。
そんな僕でも(何様)、上手くハックできないものがあります。
『土地』です。
『土地』は「コンクールで勝てばいい」とか「売り上げを伸ばせばいい」といった単純な競争ではなく、どれだけお金を積まれても「この土地は爺ちゃんが守り続けてきたものだから譲らん!」といった『感情ブロック』が入ってきたりします。
メチャクチャ当たり前の話ですが、土地って、譲ってもらわない(売ってもらわない)と手に入らないんです。
僕が個人でどれだけ結果を出しても、無理な時は無理なんです。
人の流れがある土地はなかなか簡単には譲ってもらえません。
土地こそが最強の『既得権益』で、ハックの難易度はSSクラスです。
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▼ 土地の価値はあんまり変わらない
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2013年に大きな津波がフィリピンの島の飲み込んだ時に、ホームレス小谷にお金を握らせて、被災地にお金を落としてくるようにお願いしたことがありました。
そして「被災地の状況も日本に伝えてね」と。
当時、津波で町が流された後の町の人達の行動が印象的で、なんと、皆、瓦礫の上に大急ぎで家を建てるのです。
測量などはせず、「ここから、ここまでは私の土地!」という超ドンブリ勘定。
実はコレ、空襲で焼け野原になった地域や、紛争が終わった後の地域でも同じようなことがおきていて、要するに「土地をとれるチャンス」なんです。
津波で流されようが、町として機能していた場所は利便性が高い土地です。
空襲や紛争のターゲットとなる場所は、そもそも「多くの人が住んでいるところ(住みやすいところ)」だから利便性が高い土地です。
被災後は一旦、土地の値段は安くなりますが、「人の流れが生まれやすい土地」であることには変わらないので、土地そのものの価値は変わらないんですね。
コロナで土地(物件)を手放す方が多くいらっしゃいますが、これって、津波や空襲や紛争の後と似たような状況で、もしも利便性が高い土地が空けば、絶対に取っておいた方がいいっす。
もう一度言いますが、「人の流れがある土地」こそが最大の『既得権益』なので。
吉本興業の最大の功績は、人の流れがありまくる大阪ミナミのド真ん中に巨大な劇場を建てたことで、これは空襲でも起きない限り、ひっくり返せません。
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▼ 土地の所有者と土地の運用者を分ける
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現代、あらゆるサービスにおける圧倒的な無駄は、「全プレイヤーが自分の宣伝をしなくちゃいけなくなっている」というポイントだと思っています。
板前さんにまでインターネット上での宣伝力が問われてしまっていて、それにより、板前さんが料理に割く時間を削って、ブログを更新しなくちゃいけない。
板前さんが、土地・物件の持ち主が、全員(SNS上での)発信上手なわけがないので、ここは「発信者に株を持たせる形で(アフィリエイト的なノリで)発信・集客を委託した方がいいよね」というのが昨日・一昨日の話です。
土地を持っている人は「土地の価値」を改めて見直すべきだし、土地を持っていない人は「土地」を安く見積もらない方がいい。
自戒を込めて言いますが、貴方が奪えたモノは「奪われやすいモノ」で、今、手元にある財産はいずれ無くなります。
体力がある今のうちに、土地を取るか、土地を持っている人と組んで、既得権益側に回っておくことをオススメします。
既得権益』というと、あまりイメージが良くないですが、『既得権益』自体は【お城】で、悪い使い方をすれば悪くなるし、良い使い方をすれば、人を守ることができる。
発信力(影響力)があるうちに『不動産』を押さえた方がいいと思います。
現場からは以上でーす。
(※株式会社NISHINOで不動産業をやりたい。せっかくならサロンメンバーの不動産屋さんと組みたい)
【追伸】
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