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2020年10月15日のエンタメ研究所の過去記事

10月15日(木) ※10月17日以降は『いいね』を押さないでください。
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おはようございます。
蜷川実花さんに「予算のことなんて一切無視して、MVを作って」とお願いしたところ、昨日、スタッフから「『セット費』ではなくて、『建築費』で請求がきます」と連絡が入ったキングコング西野です。
さて。
今日は『テレビとYouTubeの関係がサードステージに突入しつつあるよね』というテーマでお話ししたいと思います。
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▼ ファーストステージ
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キングコングのコミュニケーションツールとして、また梶原君のリハビリとして、僕らがYouTubeを始めたのは今から7年前。
もっとも、その時の梶原君はYouTubeの魅力に気づいていなくて、本人は、あまり乗り気ではありませんでしたが。
どれだけYouTubeの未来を語っても、乗り気にならなかった梶原君。
当時、YouTubeというのは「テレビに出たくても出る実力がない人達」が扱うツールで、タレントがYouTubeをやることは「都落ち」のように捉えられていたんです。
まぁ、当時の梶原君がYouTubeに興味を示さなかった理由は分からないでもありません。
テレビとYouTubeのファーストステージは、「テレビが1軍メディア、YouTubeが3軍メディア」という位置付けでありました。
ただ、その頃から未来は始まっていて、スマホに割く時間がに増えていました。
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▼ セカンドステージ
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「セカンドステージ」に入ったのは2016年頃からでしょうか。
この頃から、「テレビを観る/観ない」以前の問題で、「そもそも家にテレビが無いし」という声が目立つようになってきました。
テレビ番組をテレビで観るのは基本的には高齢者で、若者は、「テレビ番組を観るにしても、YouTubeに違法アップされている番組を観る」といった調子で、(少しややこしい表現ですが)「YouTubeをテレビ番組のハード」として扱い始めます。
こうなってくると、表現者(タレント)に求められるスキルは、スマホの小さな画面で結果を残す能力で、したがって、それは【団体芸】ではなく、【個人芸】。
【瞬発力】ではなく、「お前、一人で、どれぐらいの時間、画面をもたせることごできるの?」という【持久力】が求められるようになりました。
ハードがテレビからYouTubeへと変わり、画面の大きさ「1/30」ほどになり、それによって、タレントの在り方や、求められるコンテンツが大きく変わりました。
生々しい話をすると、あれだけ重宝された「ガヤ芸人」の居場所がジリジリと無くなり、「芸人やったら、ひな壇に出ろや」という意見は絶滅しました。
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▼ サードステージ
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数年前。
タイかベトナムシンガポールのホテルに泊まった時に、部屋のテレビのトップ画面が「YouTubeの検索画面」だったのを見て、衝撃を受けました。
テレビが「テレビ番組のハード」ではなく、テレビが「YouTubeのハード」になっていたのです。
もちろん、現地の言葉を使えない方に向けた対応でもあったのですが、「テレビがYouTubeのハードになる未来」は、まもなく日本の家庭におりてきて、一般化し始めました。
こちらのツイートを御覧ください。
これは、YouTubeに『えんとつ町のプペル』のダンスバージョンのMVが、御家庭のテレビで観られている光景なのですが、これなんてまさに「テレビがYouTubeのハードになっている瞬間」で、これまで、テレビとYouTubeは可処分時間の奪い合いだったのですが、これは可処分時間の奪い合いでも何でもありません。
テレビがYouTubeにハードごと乗っ取られています。
子供がこのMVに夢中になっている間、その家庭では、テレビ番組が観れないんです。
この流れは間違いなく加速します。
その時、求められるのが、「スマホでも楽しめて、テレビ画面でも見たくなるYouTube動画」で、とりわけ、お母さんを休ませてくれる(子供の興味をひいてくれる)動画は重宝されると思います。
本来、それはテレビ番組の仕事だったのですが、どっこいテレビ番組は広告費(番組制作費)の中で作らなければなりません。
そんな中、とんでもない予算をかけて作られた動画が同じ棚に並んでしまうと、そちらが選ばれてしまいます。
(まだ内緒ですが)昨日、蜷川実花さんに撮っていただいたMVは、Hydeさんに御出演していただき、akaneさんに振り付けをしていただき、全国ネットの4時間特番ほどの予算で作られて、
西野亮廣エンタメ研究所』のYouTubeチャンネルにアップされます。
広告費で回しているテレビ番組が、ここに太刀打ちするのは、なかなか難しいと思っています。(※「Netflixのドラマが強い」みたいなノリです)
テレビ番組が「予算」でマウントをとられてしまうようになると、いよいよです。
あと、「そもそもテレビの放送尺に合わせて、テレビ画面サイズで動画を作ってYouTubeにアップして、どこかのタイミングでテレビの枠を買っちゃって、流す」というのはあると思います。
そんなこんなで、「YouTubeには時間を割かない」と言っている僕が、(昨日のMV撮影みたいに)YouTubeに熱を入れている時は、「テレビ画面をハックする用の動画を作っている」と思っておいてください。
ていうか、はやく、昨日のMVを皆に見せたいです。
とんでもないのが撮れました。ホントにっ!
現場からは以上でーす。
【追伸】
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