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2020年11月22日のエンタメ研究所の過去記事

11月22日(日) ※11月24日以降は『いいね』を押さないでください。
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おはようございます。
サロンメンバーさんとのジョギング大会で子供とデッドヒートをしている時に、「どうせ、最後でブッちぎるんでしょ?」と子供から言われたキングコング西野です。
さて。
今日は『広告は商品を売るためにある』というお話しをして、後半はスタッフの皆様への「業務連絡」をしたいと思います。
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▼ 広告の為の広告になっていく問題
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広告の世界にありがちなのは、次の展開です。
①商品を売りたい
②その為には「見てもらう広告」が必要
③「見てもらう広告」になる為には「面白い」が必要
④「面白い」を追求する
⑤「商品を売る」という最初の目的を忘れる
……いわゆる「手段の目的化」というやつです。
一番、身近な例でいうと『テレビ』がそうですね。
勘違いしちゃいけないのは、『踊る!さんま御殿』であろうと、『世界の果てまでイッテQ』であろうと、番組スポンサーさんの商品CMであるということ。
商品説明だけを垂れ流しても見てもらえないから、「CMの中に面白い要素を挟もう」となり、『番組』が存在しています。
学校の先生が難しい話の合間に挟むジョークみたいなものです。
それでいうと、『テレビ』の場合は、ほとんどの日本人が①~⑤までの流れを忘れています(というか、そもそも知らない場合もある)。
短期的な売り上げで見るか、中長期的な売り上げで見るか…そこは各スポンサーさん次第ですが、スポンサーさんにしてみれば「商品が売れなければテレビ番組にお金を出す理由」が一つもありません。
よく「昔のテレビの方が面白かった!」みたいな不満を聞きますが(※梶原君もよく言っています)、いやいや、面白い番組は山ほどあったのですが、それを視聴者が選ばなかったのです。
もっと生々しい話をすると、日本人が歳をとっただけの話です。
ここでは「学ぶことを放棄した人」のことを「歳をとった人」という呼び方で進めさせていただきますが、(先日のVoicyでもお話しさせていただきましたが)「歳をとった人」の興味に『未来』は入っていません。
『最新テクノロジー』なんてもっての他。
彼らの興味(面白い)は『健康』と『学びを放棄した自分でも参加できるトークテーマ』と『成功者の失敗』です。  
テレビは、テレビそのものが広告媒体なので……
①商品を売りたい
②その為には「見てもらう広告」が必要
③「見てもらう広告」になる為には「面白い」が必要
④「面白い」を追求する
⑤「商品を売る」という最初の目的を忘れる
という手順を踏みますから、どのチャンネルをつけても、『健康』と『学びを放棄した自分でも参加できるトークテーマ(※不倫など)』と『成功者の失敗』になるのは必然です。
最近、少し気になるのは、「コロナの感染拡大を煽って煽って視聴率を稼いでるけど、同時に経済も落ち込ませているから、そもそもテレビに支払われる広告費が落ちてんじゃねーの? それにテレビのメインターゲットはネットで買い物する人じゃなくて、オフラインで買い物する人達だと思うんだけど、大丈夫?」といったところ。
「テレビCMを出したい!」というスポンサーが減れば、競争原理に基づき、CMの値段が下がってしまうと思うのですが……つまり、⑤を見落としているような気がしているのですが、どうなんだろ?
ま。ここで言いたいことは、「テレビのそもそもの目的は『商品を売ること』なので、日本人が老いてしまって、不倫や覚醒剤といったトークテーマしか面白がれなくなった(参加できなくなった)ので、テレビに『昔のような胸がドキドキする内容』を求めるのは違うよね」という話です。
昔は日本人が若かったから『胸がドキドキする内容』に広告効果があったわけですね。
今の日本は「日本列島の形をした老人ホーム」なので、テレビに胸ドキを求めるのは、ポリデントのCMに対して、「もっと若いイケメンを出せ!」とクレームを入れているようなものなのでナンセンスざんす。
テレビは、「手段の目的化」に、国民全員が気づいていないパターンです。
もう一度言いますが、テレビは『広告』です。
そして広告の目的は一つ。
「商品を売ること」
それ以上でも、それ以下でもありません。
商品が売れない広告など必要ないのです。
以上のことを踏まえて、スタッフの皆様に「業務連絡」です。
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▼ 東急プラザ渋谷で開催する個展のことなのですが……
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まもなく『東急プラザ渋谷』で、『えんとつ町のプペル展』が始まります。
11月28日~31日は、一階のフリースペースでおこない、12月4日~31日は、展示スペースを東急プラザ渋谷の全フロアに拡大する……と聞いています。
今回お願いしたいのは12月4日~31日までの全フロアの展示内容なのですが、「スタンプラリーで各フロア(各展示スペース)をまわる」ということで話が進んでいると思います。
それは良いと思うのですが、たぶん、「スタンプラリーの目的」をハッキリさせて、スタッフ全員で共有しておいた方がいいと思うので、僕から言いますね。
今回の「スタンプラリーの目的」は以下の2つです。
①お客さん滞在時間(回遊率)を上げて、東急プラザ渋谷の売り上げを伸ばす。
②映画『えんとつ町のプペル』の集客に繋げる。
絶対にやってはいけないのは、①と②を後回しにして「スタンプラリーの為のスタンプラリー」を作ってしまうことです。
「スタンプラリー、楽しかったね。じゃあ、帰ろっか」となってしまっては意味がないッス。
飲食フロアのスタンプポイントの滞在時間を数秒伸ばして、「もう、ここで食べて帰ろっか!」と判断する人を一人でも増やさなきゃいけないし、
スタンプポイントそのものが、映画『えんとつ町のプペル』の集客装置になっていなくちゃいけない。
何の為には僕らが時間をかけて作って、何の為にお客さんを歩かせているのか?
今一度、スタッフ全員が把握しておく必要があります。
「スタンプラリー」は広告です。
そんなこんなで、西野からの提案です。
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▼ 各フロアに映画のワンシーンを流す
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映画『えんとつ町のプペル』の中でも……
①ゴミ山に落ちてきた心臓にゴミがアレコレとくっ付いて「プペル」が誕生するシーン
②「ルビッチ」が「プペル」を見つけてから、トラックの荷台の上で出会うシーン
③ゴミ処理場のアクションシーン
④トロッコのアクションシーン
これらのシーンは台詞がない(説明不要で、途中からでも見れる)シーンです。
この映像を東急プラザ渋谷の各フロアに設置してください。
続きの映像が見たければ、次のスタンプポイントに行かないと見れないので、ここで「エンタメとしてのスタンプラリーの目的」はクリアしています。
そして、スタンプを押した後も、映像が1~2分続くので、その場所の滞在時間が伸びて、東急プラザ渋谷の売り上げの後押しができます。
さらには、その映像そのものが映画の宣伝になっているので、映画の集客に繋げることができます。
「東急プラザ渋谷に行かないと見れない映画の予告編」みたいなノリです。
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▼ 時間がないので、すぐにとりかかろう!
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クリアしなきゃいけないのは、これらの映像の使用許可だと思います。
東宝さんか、スタジオ4℃さんに連絡を入れてください。
もしも、ウネウネと渋っていたら、ソッコーで僕に連絡をください。
僕が「ウネウネ言っちゃダメ」と言います。
どれだけ遅くても、今日の午後(あと45分後)までには話をまとめましょう。
(※「誰がやるの?」とお見合い事故にならないように、この記事を読んだ後、20秒以内に担当者の確認に入ってね)
そんなこんなで、後は宜しくお願い致しまーす。
僕は仕事をしてきまーす。
現場からは以上でーす。
【追伸】
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