西野亮廣のエンタメsalon

西野亮廣エンタメ研究所の過去記事を中心にアップしてます

2021年01月09日のエンタメ研究所の過去記事

1月9日(土) ※1月11日以降は『いいね』を押さないでください。
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こんにちは。
『映画 えんとつ町のプペル』のストーリーを深読みしたお客さんから、「あのシーンって、○○の意味が含まれてますよね?」と言われ、そこまで考えてなかったクセに「よく分かったね」と答えているキングコング西野です。
朝からバタバタしとりまして、記事の更新が遅れちゃってすみません💦
さて。
今日は、次の時代のエンターテイメントを作る若手にエールを贈りたいと思います。
ちょっと厳しい物言いになりますが、とびっきり愛していることを先にお伝えしておきます。
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▼ ものすごーく努力してます
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腰を据えて仕事をするのはまだ少し先で、とにかく今は『映画 えんとつ町のプペル』のドブ板営業を続けております。
新型コロナウイルスの影響で、トークショーで各劇場を回るのが難しくなったので、「西野と一緒に観る」に切り替えたわけですが、「一緒に観る」となると一箇所で100分(上映時間)を要してしまいます。
トークショーは30分だったので、多い時で1日に6回転できましたが、今回はそうもいきません。
しかしながら、お客さんと一緒に観られる経験は今しかできません。
さらには、客席から何度も何度も観ることで(※現在、13プペ目!)、見えてくるものもありました。
それもこれもコロナが呼び寄せた結果なので、どうやらコロナはマイナスだけではないようで、やはり「与えられた環境でどう動くか?」が大事です。
昨日もお伝えしましたが、コロナ禍はとにかくトライ&エラーを高速で繰り返して、その結果と選択肢をサロンメンバーの皆さんに共有し、願わくば転用していただき、
そして、僕の姿勢(ジタバタもがいている背中)でもって、サロンメンバーの皆さんにエールを贈れたらいいかなぁと思っています。
同時に、僕の目的は「300年続くエンターテイメントを作ること」だったりするので、後輩の育成もしなければなりません。
現在の若手社員やインターン生は勿論のこと、このサロンには未来の社員やインターンが在籍しています。 
株式会社NISHINOを目指さないにしても、エンターテイメント畑に参戦しようと考えている若手が、このサロンにはいます。
何千人いるか知りませんし、彼らがどれだけの才能を持ち合わせているかも知りませんが、少なくとも全員、僕よりも努力していないことは明らかで、こうしてドブ板営業を共有することで「それでいいのか?」というメッセージを贈っています。
僕なりのエールです。
♯悔しかったら狂ってください
そんなこんなで、ここからは若手の皆様に向けた手紙です。
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▼ エンタメビジネスの現実を知ってください
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次の時代のエンタメを背負うことになる皆様には、『映画 えんとつ町のプペル』で勝負を仕掛けている今この瞬間を、どうか1秒も見逃さないでいただきたいです。
「スゲーなー」と観て終わらせるのではなく、「なぜ勝ったのか?」「なぜ負けたのか?」を分析・整理・ストックするクセをつけてください。
データをストックしない勝ちは「勝ち」ではありません。
『映画 えんとつ町のプペル』が名乗りを上げた今回の勝負を、皆さんはどう見ていますか?
どう分析していますか?
ちなみに、僕は毎日ここで「次はこの手で攻めます」と皆様に打ち手を共有していますが……その打ち手の結果(数字)を毎日検索していますか?
「どの打ち手がどれだけの効果があったのか?」を知れるチャンス(生きた教材)が皆さんにはあったのですが、それを活かしましたか?
…おそらく、打ち手とその結果を照らし合わせるような作業はせず、「へぇ〜、西野さん、次にこんなことをするんだ。…お、なんか、ポケモンを抜いた。どうたら結果が出てるぞ」ぐらいの解像度でしか追えてなかったと思います。
まずは自分がその程度の凡人だということを受け止めてください。
結論申し上げると、今回の勝負(映画の国内戦)は、純粋な作品力の勝負ではなく「ビジネスモデルの戦争」です。
「漫画連載→テレビアニメ化→映画化」という鉄板のビジネスモデルと、人気俳優をできるだけ詰め込んだビジネスモデルが、これまで日本の映画界を占拠していました。
今週から新作も公開されて、今の映画ランキンングの上位は…
となっております。
ここに割って入るには「作品力」だけでは不可能です。
特に、今は「ハズレくじを引きたくない」が一段と強くなっているので、「面白いかどうかは分からないけど、ハズレは無さそうだよね」というものが当たっています。
そして、宣伝の弾が切れない作品が当たっています。
つまり、“宣伝の弾が切れないビジネスモデル”を構築している作品が当たっています。
ここに対して、何の策も講じず「作品力で勝負や!」と息巻いている作品は軒並み死んでいます。
上に挙げた作品の中だと、「セーラームーン」が早々に戦線から脱落すると思います。
知名度の高い作品なので映画化の企画が通りやすいとは思うのですが、公開後の宣伝の弾が少なすぎます。
ポケモンも着実に数字を落としてはいますが、どっこい、土曜日の数字は伸びます。
やはりレギュラーでテレビ放送されているのは強いです。
こんな中に「絵本の映画化」が割って入るわけです。
どれだけ「作品力は負けないから」と言ったところで話になりません。
マスの試合に臨むのならば、マスの試合で戦えるビジネスモデルを用意しておかなくてはなりません。
それがマス戦のドレスコードです。
『映画 えんとつ町のプペル』は公開から3週目に突入したわけですが、このタイミングで、テレビCMをバンバン仕掛けます。
あらたに3300万円ぐらいを広告費として投下します。
このお金は映画の広告宣伝費から出ているものではなく、オンラインサロンの売り上げから出ています。
口コミが温まり始める15日に「副音声上映」を開始し、テレビCMを開始。
この二の矢でポケモンを完全に仕留められたらいいなぁと思っているのですが、それもこれも「映画×オンラインサロン(メイキングを販売)」というビジネスモデルがなければ、初週のワンパンチで万策尽きていました。
今は「映画を公開しながら宣伝費を作り続ける」ということもやっております→https://silkhat.yoshimoto.co.jp/projects/2450
仲間内で切磋琢磨している時は「作品力」でモノを言わせることができますが、マスの勝負になってくると「どちらが優秀なビジネスモデルか?」が問われます。
これがエンタメビジネスの現実です。
この世界で生きるのならば、作品力でブッちぎるのは当たり前の話で、作品力に夢を見た者が散っている現実に目を向けてください。
誰よりも作品とスタッフとファンを愛して、誰よりも血も涙もないビジネスゲームと向き合ってください。
キミにその覚悟があるのならば、僕がこれまで積み上げてきたものなど、いとも簡単にくれてやります。
ハチャメチャに応援しています。
そんなこんなで、僕はこれからドブ板営業(岡山)に行ってまいります。
現場からは以上でーす!!
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