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西野亮廣エンタメ研究所の過去記事を中心にアップしてます

2021年01月21日のエンタメ研究所の過去記事

1月21日(木) ※1月23日以降は『いいね』は押さないでください。
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おはようございます。
「……お前、よく、そのビジュアルで人気が出たな。。」と思うランキング1位が『タートルズ』のキングコング西野です。
さて。
今日は『生産時間と販売時間を切り分けない』というテーマでお話ししたいと思います。
それなりに興奮する話です。
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▼ また時代が変わる
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新しい時代は、天から降ってくるのではなく、「声の大きな人達の意見が重なった瞬間」に芽吹くものだということが、実感を伴って分かってきました。
新しい時代(文化)が生まれる行程は、ザックリこんな感じ↓
①声の大きな人達の「次はこれが面白いかも…」がかぶる(※この時点ではまだ解像度が粗い)。
②「何故、面白いのか?」を体系化(整理・説明)する人が出てくる。
③その説明を聞いて、声の大きな人達が「やっぱ、そうだよね」と変に自信を持ち、加速し、具体的な結果を出し始める。
④ジワジワと浸透し始める。
……だいたい、いつも、こんな感じの「感覚で走る人」と「体系化する人」の合わせ技一本で新しい時代が始まっています。
②は日本だと「尾原和啓さん」とか、「山口周さん」が、そのポジションにいます。
「感覚で走る人」がズルいのは、「体系化する人」の言葉を頂いて、「はじめから分かっていましたよ顔」をブチかますところです。
僕は「感覚で走る人」に分類されると思うのですが、『勘』というのは自分の過去の実験の統計が生み出したものなので、「当てずっぽう」ではありません。
「ダイレクト課金を押さえておかなきゃダメだよね」「メインコンテンツは無料化するよね」……などは、経験が導き出した仮説です。
自分で言うのもアレですが、毎日実験を繰り返しまくって、データを取りまくっているので、西野亮廣の仮説の精度は比較的高い方だと思います。
面白いのが、感覚で発した意見が、僕以外の「感覚で走る人達」と重なる瞬間があるということ。
「俺も同じことを思ってた」と。
それこそ「メインコンテンツ=無料、メイキング=有料の時代になりそう」と発言した時は、国内外で活躍する友人達からたくさん連絡をいただきました。
皆、同じようなデータを元に仮説を立てたのだと思います。
今のトレンドは間違いなく『プロセスエコノミー』で、世界的にもその流れです。
先に言っておくと、日本はかなり出遅れると思います。
メインコンテンツを無料にして、メイキングを有料にした瞬間に、「詐欺だ!」「信者ビジネスだ!」と騒ぐ人達が一定数いて、テレビもその方向で(イジる形で)紹介してしまうので、5~6年出遅れることが見越されます。
しかし時代は待ってくれません。
ここが残酷な話ですが、「プロセス販売の利益を元手にメインコンテンツの質を上げる人」と、「プロセスの販売を否定してメインコンテンツを生産する人」との間で、メインコンテンツのクオリティー格差が大きく広がるだろうなぁというのが僕の見立てです。
理由は以下の2つ。
・メインコンテンツの生産にかけられる予算が違うから。
・「メインコンテンツでしか売り上げが作れない人」は世間が(現在)求めているモノ以外は作れないから(=作者が偏愛に走れない)。
昨日、尾原さんが自身のサロン内の動画で、幻冬舎の箕輪さんと『プロセスエコノミー』に関する対談(打ち合わせ)をされていて、それがとっても面白かったので、尾原さんのサロンをオススメしておきます↓
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▼ 生産時間と販売時間を切り分けない
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さて。
皆さん御存知だと思いますが、僕は絵本や映画を作っては、販売しています。
遡ると、絵を販売していた時代もありました。
届けるところまで責任をとることを決めたので、今日もせっせとドブ板営業をしておりますが、欲を言えば……そりゃ、作ることだけに専念したいです。
「絵の販売」というのは、なかなか厄介です。
僕は過去、お金を払って販売スペース(合同展など)を確保して、絵を梱包して、会場に持っていき、梱包を開いて、絵を壁に展示し、ブースに立ち、「寄ってらっしゃい、見てらっしゃい!」とお客を呼び込みます。
そして、そこまでやって、売れないことがほとんどです。
売れなければ、販売にかけた時間やお金は全てパー。
涙が溢れないように上を向いて帰った夜が過去に何度もありました。
今は、描いた絵をオンラインショップに置いておけば、買ってもらえたりするので、比較的、クリエイターに優しい世の中になりましたが、しかしながら、「作品を販売しているオンラインショップを宣伝し続けなければいけない」という課題が残っています。
その為にブログを書いたりするわけですから、やはり、それなりに時間が奪われて、作品制作に充てられる時間は削られます。
そんな中、クリエイターの作業風景をライブ配信する『00:00studio』(https://0000.studio/
)を運営する「けんすうサン」が昨日、こんな面白いことを言っていました。
「配制作中の作品を配信中に買えるようにしようかしら?」
これって、やろうと思ったら、既存のメディアの組み合わせでやれるんです。
それこそ、YouTubeで制作過程をライブ配信して、その動画の概要欄に、作品の販売ページのリンクを貼っておけばいい。
……ですが、僕自身、それをやったことがあるので分かるのですが、そもそもYouTubeは、作業風景の配信&作品販売するプラットフォームではないので、訪れる視聴者さんにイチイチ説明しなきゃいけないんです。
そして、ほとんどの人が概要欄なんて見ない。
「プラットフォームの文化」って、すっごく大事なんです。
『00:00studio』が、作業風景の配信中に「今、目の前で作られている作品の完成品」を買えるプラットフォームになれば、間違いなく美大生は飛び付くし、間違いなく僕は美大生の配信をザッピングして、青田買いを始めます。
そして、これも経験上、分かっていることですが、作品って……「宣伝している時」よりも、「作っている時」の方が売れるんです。
ライブペインティング中に作品が売れれば、生産時間と販売時間を切り分けなくて済みます。
クリエイターにとって、これほど嬉しいことはありません。
たとえ売れなくても、時間は無駄にならないので。
未完成品を買うことになるので、「買った絵が完成するまで応援する」という展開も生まれて面白そうです。
僕は、自分の挑戦のプロセスをこうしてサロンで販売してあますが、僕がやっていることは、あまり再現性がありません。
しかし、上で紹介した形だと、人は選びません。文章や、お喋りが下手でも大丈夫。
プロセスの販売方法は、まだまだ堀りがいがあります。
『プロセスエコノミー』が、どうやらまだまだ面白くなりそう。
クリエイターさんは、『00:00studio』は要チェックです。
現場からは以上でーす。
【追伸】
サロン記事の感想を呟かれる際は、文章の最後に『salon.jp/nishino
』を付けて《本垢》で呟いていただけると、西野がネコのようになつく場合があります。
けんすうサンのサロン。面白いよ↓
https://salon.jp/alu
 
 
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