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2021年05月19日のエンタメ研究所の過去記事

5月19日(水) ※5月21日以降は『いいね』を押さないでください。
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おはようございます。
一輪車に乗っているヤツの表情が気にくわないキングコング西野です
さて。
今日は「共感資本社会の落とし穴」というテーマでお話ししたいと思います。
具体的な話というよりも、もう少し大枠の(ボンヤリとした)話になりますが、たぶん大切なことなので、自戒を込めてお伝えします。
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▼ 「共感」が資本となる世界に僕らは生きている
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ロッテルダム国際映画祭のクロージング作品として正式にご招待いただきました。
さすがに、この類の情報は「まだ内緒ですよ」とサロンメンバーの皆様にコッソリお伝えするわけにはいかず、イロイロともどかしかったですが、やっとお伝えすることができました。
ところで、「クロージング作品」とは何なのでしょうか?
日本で普通に生活していると、あまり耳にしない言葉です。
さらに言うと、「ロッテルダム国際映画祭」って、どれほどの規模のイベントなの?
これも、日本で普通に生活していると、あまり伝わってきません。
よって、『ロッテルダム国際映画祭のクロージング作品に選ばれる』というニュースを耳にしても、あまりピンとこない人がほとんどだと思います。
ロッテルダム国際映画祭という「ヨーロッパ映画の玄関口」で、アニメーション作品がクロージング作品を飾ったことは大きな大きな一歩なのですが……これが、「日本人の共感を生むか?」というと、話は別です。
似たようなところでいうと……エッフェル塔で(日本人初の)個展を開催した日に、日本では、西野がエッフェル塔で個展をやったニュースよりも、西野が「吉本男前ランキング」にランクインしたニュースの方が大きく取り上げられました(より多くの共感を生みました)。
僕らが見落としてはいけないことは、「人は、知らないものには共感できない」ということです。
具体的に言うと、「『前に進んでいる』ということと、『いいね』の数は比例関係にない」ということ。
このことを忘れて、盲目的に『いいね』や『再生回数』を獲得しにいくと、「多くの方に共感されてはいるけれど、その場で足踏みしている」という落とし穴にハマってしまいます。
ここは本当に気をつけた方がいいなぁと思っています。
「共感」が鮮明に数値化されるようになった今、僕らは「共感」が基盤となる経済圏に住んでいます。
ここは、より多くの「共感」を集めた者の声が大きく世界線です。
英語圏や中国語圏やヒンドゥー語圏やスペイン語圏ならば、「共感を集める」という戦い方でもそのまま逃げ切れそうなものですが、「人口が減っている&高齢化が進んでいる日本語圏」の共感を集めることに終始してしまうのは、なかなか厳しい。
ところが、自分の「進み」が確認できるモノサシが(パッと目に入るところでいうと)今のところ「売り上げ」か「共感」ぐらいしかないもんだから……どうしても、そちらになびいてしまう。
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▼ 「共感」を、どれだけ程々に無視できるか?
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チームラボは今日も着々と前に進んでいるのですが、チームラボがマイアミに体験型のアートセンターを作ったことなど、ほとんどの日本人は知りません。
一方で、有村昆の不倫については、やたら詳しい(笑)。
皆が共感を欲しているから、「皆が共感できるような情報」しか入ってこないんですね。
チームラボの他にも、「♯F R」や「OWNDAYS」などを見ていても思うのですが(※詳しくはスナック西野でご確認ください)、前に進んでいるプロジェクトは、「共感」を参考にはしているけれど、まるまる反映はしていない。
このへんのバランス感覚(『いいね』をほどほどに無視できる心臓)を持っておかないと、共感資本社会を長く生きていくことは難しいんだろうなぁと思います。
現在、多くの人が「『いいね』や『再生数』が稼げていないと不安になる」という病を患っています。
が、僕らはS N Sや動画プラットフォームを食わす為に生まれてきたわけではありません。
議論すべきは「前に進んでいるか否か」で、ここはお互いに声を掛け合っていくことで解決した方がいいのかもなぁと思っています。
「『いいね』ばっかり集めて、すっかり承認欲求の奴隷と化しているけど………お前、この1年、全然前に進んでないね」という(笑)
この記事にも『いいね』がつけられるわけで、なんだかパラドックスな気もしますが、ここで話しているのは、「共感を集めること=悪」と言っているわけではなくて、「共感の奴隷と化してしまうことって危険だよね」という話です。
人類史をふりかって見ても、「共感から始まった歴史」なんて一つも無いわけで(※次代の正解を出したヤツは大体殺されてる)、ここは忘れないようにしたいです。
ちなみに僕は「お前、昔だったら確実に殺されたよ」とよく言われます(笑)
まだナイショですが(ホントにナイショだよ!)、明後日、僕らの活動にとっては大きな発表があります。
日本だと、芸能人の不倫のニュースよりは注目を集めないと思いますが、確実に前に進んでいます。
「前に進んでいるか、否か」
そこで議論できる関係でありたいと思います。
当初の宣言通り、引き続きエンターテイメントで世界を獲りに行きます。
とりあえず、明後日のニュースをお楽しみに。
現場からは以上で〜す。
 
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