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西野亮廣エンタメ研究所の過去記事を中心にアップしてます

2021年06月10日のエンタメ研究所の過去記事

6月10日(木) ※6月12日以降は『いいね』を押さないでください。
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おはようございます。
中国で話題の「北上するゾウ」が気になって気になって、西野亮廣史上最強に仕事が手につかないキングコング西野です。
さて。
今日は、『シンプルにエンタメが好きだし、エンタメぐらいしか未来がない』というテーマで、僕が今、ボンヤリと考えていることについてお話ししたいと思います。
結論などはなく、「なんとなく、今、こんなことを考えてるよ〜」の共有です。
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▼ 「お金の力」が働く戦いには参加しない
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「エンタメを海外に売る」というテーマで議論するのであれば、韓国の「C Jグループ」は外せません。
B T Sや、『パラサイト ~半地下の家族~』のボン・ジュノ監督の世界進出を後押しした企業です。
面白いのは、彼らが(元々は)エンタメとは縁もゆかりもない「食品会社」であったこと。
たしか、砂糖などを売っていた会社だったと思います。
せっせと砂糖を売っていたある日、会社の代表が「人口が少ない韓国向けにビジネスを展開しても先が無いよね〜」とか何とか言い出して(たぶんね!)、スピルバーグ監督が制作に名を連ねる『ドリームワークス』に3億ドル(約320億円)を投資。
ドリームワークスが手がける映画のアジアの配給権(日本を除く)やら、エンタメ製作のノウハウをゲットし、そこからグイグイと海外に進出していったわけです。
日本に置き換えると、「ヤマザキパン(山崎製パン)が米アカデミー賞と米ビルボードを席巻する」みたいな話です。
さて。
「3億ドルを投資」と聞くと、“神々の遊び感”がありますが、どっこい、当時のC Jグループに余裕があったわけではありません。
会社が全力で傾くほどの投資で、大きな反対もあったそう。
結果論になってしまいますが、それでもやっぱり、投資先に「エンタメ」を選んだのは圧倒的に正しかったのだろうなぁと思います。
この星で生きる以上、マネーゲーム(お金をかけた方が勝つ)は絶対的に存在して、当然、エンタメの世界でもそれはあります。
ただ、
「機能」ではなく、「好み」「感覚」が重視される【作品の世界】では、お金の力が【製品の世界】ほどモノをいうことはありません。
『映画 えんとつ町のプペル』と同時期に公開となったハリウッド作品の『ワンダーウーマン1984』の制作費は2億ドル(約220億円)で、映画プペルの30倍ほどの予算がかかっていますが、「まるで歯が立たない」という相手ではありません。
ちなみに『映画 えんとつ町のプペル』は、まもなく始まる世界最大のアニメーション映画祭「アヌシー国際アニメーション映画祭」にノミネートされていて、そこに合わせてフランスでの配給の話もまとまりそうです。
「圧倒的な才能を持ち合わせていること」が大前提ですが、しかしながら、“わずか7〜8億円(プペルの製作費)で”、世界の決勝戦に出場できることを考えると、
日本から世界にうって出る以上、「お金の力」が働かないコンテンツ(低予算でリッチコンテンツに見せられるもの)に全賭けするぐらいしかないよなぁ…と思っております。
そうなってくると、『エンタメ(アート)』や『料理』や『スポーツ』や『ファッション』…あと、いくつか。
どうやら、『役に立つコンテンツ』ではなくて、『意味がある(俺はコレが好き!という)コンテンツ』に手をつけることが、日本から世界戦に出場する際のドレスコードです。
マネーゲームに参加する時は、マネーゲームで勝ちきれる時だけ。
負ける試合には出ません。
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▼ ちゃんと世界に身体を向ける
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ありがたいことに、このサロンには、様々な国で事業を展開されている方がいて、色々と相談にのっていただいています。
先日、中国を相手に事業を展開されているサロンメンバーの近藤さんと「一緒にやりましょう」というお話をさせていただき、中国展開を正式に進めることになりました。
近藤さんがまさにその流れだったのですが、「今、ボンヤリと考えていること」をサロン内で共有させていただくと、「その事業ならご一緒できそうです」とお声がけいただくことがあるので、今日のような回も必要なんだろうなぁと思っています。
世界戦をグイグイ進めます。
あ、そうそう!
おかげ様で、先日の『ロッテルダム国際映画祭』は大好評でした。
プペルは全回SOLD OUT。
ちなみに、『アヌシー国際アニメーション映画祭』のグランプリの発表は20日の午前2時(日本時間)からあるそうです。
政治色の強い作品が選ばれる傾向があるそうで、アフガニスタン難民のサバイバルストーリーを描いたドキュメンタリーアニメがグランプリの最有力候補と言われていますが、プペルの前評判も良いそうです。
そりゃまぁグランプリが取れたら最高ですが、処女作ですし、そこまで甘い話も無いのかなぁとも思っています。
どちらに転んでも、すぐに次回作の制作を進めます。
サロンの記事を書くときに、いつも頭をよぎるのはウチの母ちゃん(よし子)のこと。
当時のよし子ときたら、四人の子供を育てるのに必死で、時間やお金に余裕などありませんでした。
きっと彼女のような人が日本にはたくさんいて、そんな人からすると「世界戦」なんて非現実すぎる。
五輪やワールドカップ以外で、「世界を獲るぞ」という話題がテレビから流れてくることもありません。
最近は日本人同士で罵り合っている番組(YouTubeも含む)が随分と増えました。
それもチョット寂しい話なので…
家事や子育ての合間に、スマホ(サロン記事)を開いたら、世界戦が繰り広げられていて、そこで「いけ〜!」とか「あ〜、畜生!」といった感じで一喜一憂できたらいいなぁと思って、こうして現在進行形の世界戦をお手元に届けています。
「午後からも頑張ろう」という活力に変えていただけると嬉しいです。
僕も、ゾウの動画ばっかり観てないで、頑張ります。
現場からは以上で〜す。
 
 
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