西野亮廣のエンタメsalon

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2022年02月16日のエンタメ研究所の過去記事

おはようございます。
その後も、母親から武道館の演出プランが続々届くキングコング西野です。
#どうして演出をしたくなったんだ
 
さて。
今日は『マーケティングとセールスと、クオリティー』というテーマでお話ししたいと思います。
 
さっきまでボンヤリと考えていて、突然、ものすごくシックリきたことなので、産地直送でお届けします。
 
 

「名前をつける」という儀式
 
えんとつ町のプペル』では、煙突掃除屋の少年「ルビッチ」が、ハロウィンの夜にやってきたゴミ人間に、「プペル」という名前をつけるシーンがあります。
 
絵本と映画とミュージカルと歌舞伎で、それぞれストーリーは違っていたりするのですが、この「名前をつけるシーン」だけは必ず入れています。

その理由の説明には、まず「名前をつけるとはどういうことか?」を共有しておく必要があります。
 
まわりくどい話が苦手なので、いきなり結論を言っちゃうと、「名前をつける」というのは、「生み出す」や「存在を認める」という意味(行為)です。
 
今、僕らの目の前には「空気」がありますが、これも「空気」という名前がなければ、僕らは「空気」を認識できません。
 
感情もそう。
名前がついたことによって、生まれた感情がたくさんあります。
「さみしい」という名前をつけたことによって、「きっと、今の僕の気持ちは『さみしい』なんだ」と認識するようになり、「さみしい」が大量発生した。
 
立場を利用した攻撃に対して「パワハラ」という名前をつけたことによって、「パワハラはダメだよね」と社会が一歩前に進みました。
 
パワハラ」という名前がつく前のクリエイティブの現場は、「こんなこともできねぇやつは、死んじまえ!」という言葉は当たり前のようにあったんです。
#灰皿も頻繁に飛んでいました
 
「名前をつける」というのは誕生の儀式であり、「キミがココにいることを認める」ということなので、ルビッチに「プペル」という名前をつけさせました。
 
そんなこんなで本題です。
 
 

マーケティングとセールスとクオリティー
 
時代のルールが秒速で変わる現代では、素早く、しなやかに打ち手を変えていくことが求められるわけですが、その時に必要なのが「名前をつける」という作業だと思います。
 
というのも、「新しい打ち手」には、かならず説明責任が付いてくるからです。
 
「お前がやっていることはナンだ?」とゴリゴリに疑ってくる相手に説明する(納得してもらう)には、「相手が知っている情報」や、「相手が理解できる情報」を織り混ぜる必要がある。
 
たとえば、「作ったものを受けとるのが『お客さん』だろ!」と信じ込んでいる相手に対して、「お客さんと一緒に作っていくエンタメです」と説明しても無駄なので、このアクションに『バーベキュー型』という名前をつける。
 
その時、相手は、「ん? たしかに、BBQの時は、お金を払って、火をつけたり、肉を焼いたりしてるぞ。あ。それを他のエンタメでもやろうってこと?」となり理解が進みます。
 
『レストラン型サービス』と『バーベキュー型サービス』という名前をつけたことによって(知ったことによって)、プロジェクトの無駄はかなり省くことができるでしょう。
 
『人検索』や『プロセスエコノミー』という名前をつけたことによって、僕らの時代は半歩進みました。
 
「今、自分がやっているアクションの名前は一体、何なんだろう?」
ここを明確にすることが、ものすごーく大切です。
 
その上で、すでに存在している「マーケティング」と「セールス」と「クオリティー」という名前を、もう少し整理した方がいいなぁと思いました。
 
これは「いいから『クオリティー』を上げろっ!」と何度言っても、ついつい「売り方」に逃げてしまう人を8億人ぐらい見てきたからです。
#トホホ
 
8億人に伝わらないということは、間違いなく、伝え方が間違っています。
#ごめん僕が悪かった
 
「売り方」に逃げる人に対して、「クオリティーを上げろ」と言ったところで無駄で、もっと別の伝え方をした方がいい……そんなことを思い、今日の話になります。
 
僕らは「マーケティング」「セールス」「クオリティー」を今一度整理(再定義)する必要があります。
 
つまり…
 
「どのアクションに対して『マーケティング』という名前をつけているのか?」
「どのアクションに対して『セールス』という名前をつけているのか?」
という問いです。
 
さっき、西野亮廣エンタメ研究所で、これらを整理したところ、以下のとおりです↓
 
・『クオリティーを上げる』=品質を上げること
・『セールスをする』=営業をすること
・『マーケティング』=営業しなくても売れる状態を作ること
 
ピーター・ドラッカー(小太りの生意気なオッサン)が「マーケティングの目的は、販売を不必要にすることだ」と言っていましたが、まさにそのままの結論なのですが……ポイントは、「営業しなくても売れる状態を作ること」と「品質を上げること」がイコールの関係になっているという点です。
 
つまり、『クリエイティブ(クオリティー)』と『マーケティング』を分けて考えているのが、そもそも間違いであり、『クリエイティブ』というのは『マーケティング』に内包されている一要素である…という見解です。
 
こう整理(再定義)すると、次の言葉が綺麗に入ってくると思います。
 
「キミがやっているのは『セールス』で、お客さんが求めているのは『マーケティング』だ。『セールス』は今日で卒業しろ」
 
…とまぁ、そんな感じです。
現場からは以上です。
 
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