西野亮廣のエンタメsalon

西野亮廣エンタメ研究所の過去記事を中心にアップしてます

2021年02月14日のエンタメ研究所の過去記事

2月14日(日) ※2月16日以降は『いいね』を押さないでください。
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おはようございます。
朝から「水中でゾウアザラシに襲われた時の対処法」について熱心に調べているのですが、よくよく考えたら、そんなシチュエーションに出くわさないような気がしているキングコング西野です。
さて。
今日は『御礼と御報告と、監視型企業の限界』というテーマでお話ししたいと思います。
なんとなく「これからの会社の在り方」みたいな話です。
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▼ 南の島の子供達に映画を贈るプロジェクト
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数日前に、「宮古島に唯一ある小さな映画館を応援する」という記事をサロンに投稿させていただきました。
(※まだ読まれていない方は、先にそちらを読んでください)
記事を投稿した直後から、地元の実行委員会の皆様とサロンメンバーさんが動いてくださり、弊社スタッフもフォローする形で連携をとらせてもらって、無事に1000名以上の子供達に『映画 えんとつ町のプペル』を贈れることが決まりました。
今回動いてくださった全ての皆様、そして『えんとつ町のプペル「こどもギフト」』のメンバーの皆様に感謝申し上げます。
えんとつ町のプペル『こどもギフト』】
大きな映画館ではないことを踏まえて、
ここから映画公開までの時間を使って、渋滞が起きないように交通整理を進めたいと思います。
あとチョットだけお付き合いください。
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▼ 長崎の伝統芸能『龍踊り』を学ぶ
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もう一つ、御報告&御礼があります。
こちらも先日書かせていただいた記事の続報です。
ミュージカル『Poupelle of Chimney Town』(日本公演)を上演する会場は「東京キネマ倶楽部」です。
いつも利用させてもらっているとっても雰囲気のある会場なのですが、元はグランドキャバレーだったので、ステージが演劇仕様ではありません。
セット転換に使えそうな(書き割りを吊るす用の)天井のバトンが一本しかなく、そのバトンも(おそらく)演劇の劇場のように高い位置まで上げきることができません。
そのバトンに書き割りを吊るしたら最期、「ステージ上に出っぱなし」という状態に。
……若干イメージがしづらい話をアレやコレやとしてしまいましたが、要するに、「ミュージカルに適した会場ではないよ」という話です。
しかし、裏を返すと、ココ(キネマ倶楽部)で成立するミュージカルを作ってしまえば、国内外、場所を選ばずにどこでもやれます。
たぶん、屋外でもやれます。
というわけで、このシチュエーションに萌えに萌える西野は、さっそく「心臓が落ちてきて、ゴミがアレコレと巻きついていくシーンを(舞台装置を使わずに)どう表現しようかしら?」という問題と対峙し、
「世界戦になるのだから、伝統を味方につけた方がいいだろう。そうだ!長崎のお祭りでよく見る『龍踊り(じゃおどり)』だ!」
と結論し、サロンに投稿します。
そこからすぐに長崎のサロンメンバーさんが『龍踊り』の先生を繋いでくださり、
記事を投稿した翌々日には、プロデューサーのセトちゃんが長崎に飛び、『龍踊り』の先生(御年66歳!超元気!)と呑み、龍(今回の場合はゴミ)の制作から演技指導まで面倒を見てくださる約束を取り付けたそうです。
即座に動いてくださったサロンメンバーさんに御礼申し上げます。
そして、セトちゃんのスピード感もナイスです!
さて。
御報告と御礼はここまでで、ここからが今日の本題です。
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▼ 社員の監視はできない
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尾原和啓さんのオンラインサロン(https://salon.jp/obara
)が面白いので、興味がある方は是非、参加してみて欲しいのですが……最近、尾原さんのサロンの中で「独立研究家」の山口周さんとの対談がありました。
その対談の中で、「…てかさ、これだけリモートの働き方が当たり前になってくると、サボりたい放題だよねぇー」という話がありました。
「ZOOMで顔面だけ会議に参加しながら、手元で『鬼滅の刃』を読むこともできる」と。
まさに、おっしゃる通りで、オフィスというのは良くも悪くも「監視装置」でもあります。
どれだけモチベーションの低い社員でも「監視されているから、やるしかない」という理由で手を動かしていたのですが、【リモート】になるとそうはいきません。
個々で売り上げを作れるお仕事ならば、【リモート】という働き方は、年功序列関係なく、頑張れば頑張るほど個人の成績に反映されるフェアな世界ですが、世の中は、そんな仕事ばかりではありません。
タイムカードをきって、発言する気もない会議に参加して、時間が過ぎるのをたただだ待って、月末にお給料を貰う社員もいます。
オフィスは、そういった社員の監視装置として尻を叩く役割があったのですが、どっこい、今はどうだ?
リモートであろうと、社員の仕事を監視しようと思えば、あれやこれやと方法はあるのですが、どこまでいってもイタチごっこだし、「サボリやすい時代に監視装置装置を強化する」なんて、どう考えてもコスパが悪そうです。
会社は「仕事をサボリやすくなった」という前提で設計する必要があって、月並みな結論ですが、「やりたい仕事をいかに提供するか?」が会社の宿題になってきます。
今日の記事の前半で紹介した二つの仕事(※「宮古島の映画館」と「長崎の龍踊り」の件)はまさにそれで、そもそも「やりたい人」がいるところに、会社の方から「やれる場所」を持っていったから、秒速でプロジェクトが前に進みました。
ここに「サボる」という言葉はありません。
去年の暮れ。
新入社員の「べえ君」が突然僕の仕事場に押しかけてきて、「西野さん!水を作りたいです!」と言ってきました。
皆様、御存知のとおり、(株)CHIMNEY TOWNはエンターテイメントの会社であって、水を作る会社ではありません。
でも、そこで「ウチは水を作る会社じゃないよ」と言ってしまったら話が終わってしまいますし、そもそも、あそこまで「水を作りたい奴」はなかなかいません(笑)
べえ君の話を聞いた時に、「水を作る方向で話を進めて、そのおこぼれを会社が貰えるようにデザインした方がいいのかも」と思い、「オッケー!水を作ろう!」と返しました。
そして、昨日。
久しぶりに、べえ君と会って「水、どうなったの?」と聞いたら、すでに、いろんな企業と話をつけていて、生産と販路の確保も済ませていました。
これからの時代のことも考えて、紙パックにして、そのゴミを回収&再生して、トイレットペーパーの生産に充てるそうです。
CHIMNEY TOWNとしては、被災地支援として、『トイレットペーパー』と『水』という自社が関わっている生活必需品を贈ることができるので、社会問題を解決しながら、キチンと利益も作れます(←これ超大事!)。
これら全ては入社1年目の新入社員の数ヵ月の仕事なのですが、はたしてここまでの仕事を「モチベーションの低い社員を監視する形」で進めていたら、どれぐらいの時間がかかったでしょうか?
もちろん、全員が全員やりたいことだけをやっていては、会社は回りません。
やりたいことをやる為に、やりたくないこともやらなくてはいけません。
しかしながら会社は、「ユーザーと向き合うプラットフォーム」のような理念とフットワークで、社員の「やりたいこと」に上手に歩み寄った方が、会社にとってもイイんだろうなぁと思います。
今、会社に問われているのは、ここの「歩み寄る技術(塩梅)」だと思います。
このサロンには、経営者さんもたくさんいらっしゃるので、オンラインサロンを活動母体に持つ会社としての実験を繰り返し、
「とりあえず今、ウチの会社はこんな塩梅でやってます。その結果、○○は上手くいって、△△は上手くいきませんでした」
という報告を今後もしていきたいと思います。
まだ誰も正解を出せていない「オンラインサロン×会社×社員」で進める会社組織の実験レポートに今後も注目です。
現場からは以上でーす。
 
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