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2021年09月19日のエンタメ研究所の過去記事

9月19日(月) ※9月21日以降は『いいね』を押さないでください。
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おはようございます。
今日は日曜日なので、今、ボンヤリと考えていることをツラツラと綴りたいと思います。
おもんなかったらゴメンね。
明日(月曜日)からは、ちゃんとやります。
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▼ 変なフォームでジタバタしてる
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毎朝更新しているVoicyも日曜日はライブ配信にして、リスナーさんからの質問に答える形をとっているのですが……ここ最近のライブ配信の調子が良くなくて(僕のスマホが原因かも!)、今日は、ついに『音が小さくて聞こえない』というエラーが発生して、生配信を断念。
「毎朝のルーティンが崩れると意外と調子が狂うなぁ」と思いつつ、配信することが当たり前の人生になっていることに気づかされた日曜日の朝でありました。
さて。
月並みですが、僕らは「正解の無い時代」に立ち会っています。
仕事効率を上げて、たくさん作れば、たくさん幸せになれるわけでもない。
『品質』は必要だけれど、“『品質』だけを追い求めておけば食っていける世界”でもない。
…いや、食っていけるのかもしれないけれど、少なくとも僕が辿りつきたい場所には確実に辿り着けない。
皆が正解を出せて、正解の価値がグンと下がった時代に、学校で正解主義を叩き込まれてきた子達は今、梯子を外された状態です。
…しかし、まぁ、そんなことを言われても、いまいちピンとこない子がほとんどだと思きます。
大人だって分かっちゃいない。
「正解を出しているハズなのに売れない」を経験して初めて気づく人がほとんど。
厄介なことに、「正解に価値がない」を思い知るのは実は少し先の話で、そこに至るまでは、「前に進んでいる自分」が確認できてしまう。
こんな話をする時は決まって、「i―PHONEに歴史的大敗を喫した日本の携帯電話メーカー」が例に挙げられる。
だけど、当時、彼ら(携帯電話メーカー)の努力には確かなニーズがあって、やればやるほどお客さんに喜んでもらえていたのも事実だ。
常に、「昨日の自分」よりも前に進んでいただろう。
後からならいくらでも言えるが、「現在進行形で前進が確認できている毎日」を疑うのは極めて難しい。
僕だってそうだ。
デビューしたその日から、やればやるほど仕事が増えて、たくさんの人に喜んでもらえて、
レギュラー番組は増え続け、視聴率は上がり、東京ローカルの深夜番組は気がつけば、全国ネットのゴールデンタイムに流れていた。
そこに至るまでの5年間。
ただの一度も疑ったことがなかった。
だって、前に進んでいるんだもの。
だけど今思うと、当時、僕がやっていたことには確固たる攻略法があった。
それは、「先輩方が作り出した正解」を正確に“なぞる”ことだ。
だけども、それでは次のステージには進めない。
その先に待っているのは、正解を作り出した人達に合格印をもらうような人生で、そして、それはいずれ小さくなる。
こんなようなことが今、あらゆる現場で起きている。
…ん?
なんか、今日はやけに「タメ口」だな。
まぁ、いいや。日曜日だし。
このまま続けます。
共通しているのは、「ある一定のラインまでは正解があるように(正解を出しているように)見える」という点だ。
なので『正解がない時代』と言われても、どうしてもピンこない。
ミクロで見れば、正解はあるんだもの。
だけど、そこに張っても未来がないことは明らかだから、僕らのチームは今日も“よく分からないもの”に手を出している。
絵本を軸に、エンターテイメントと、サービスを展開しているが、世界に前例がないから、最終的にどのあたりに着地するのかよく分からない。
ファミリーミュージカル『えんとつ町のプペル』だってそうだ。
時間とお金を大量にブチ込んで、250人キャパの劇場でおこなう作品をせっせと作っている。
オンライン講演会を一回やった方がよっぽど利益が出る。
そんなことは分かってるけど、そこには先が無い。
だからといって、「ファミリーミュージカル『えんとつ町のプペル』に先がある」という保証は一つもないのだけれど……「先が無い」とは言いきれないものではある。
「星があることも分からないし、無いことも“まだ”分からない」というやつだ。
そこに賭けるしかない。
正解のない海に飛び込んでいって、やれることと言えば、たくさんの知識を仕入れて、死ぬ確率を少し減らすことぐらい。
漕いでも、漕いでも、漕いでも、けんもほろろ
取りつく島が見当たらない。
これで合っているのか?
分かんねぇよ。
誰もやっていないんだから。
そんな自問自答を、ずっと繰り返している。
20年近く、ずっと。
そんな中、昨日はファミリーミュージカル『えんとつ町のプペル』の衣装打ち合わせがあった。
良いアイデアが飛び出す度にスタッフからは声が上がるが、まもなく「公演まで、あと2ヶ月を切ってる…」と我に返るスタッフ。
その顔には興奮と絶望と恍惚と不安が行ったり来たりしていて、「あぁ、この人達も、よく分からないところに飛び出していっているんだなぁ」と思った。
今日も僕は「これで合ってるんだっけな? まぁ、とりあえずやるっきゃないな」と走っている。
昔と違うのは、横を見れば、僕と同じように変なフォームで走る同士がいることだ。
とても励みになるし、勝たせてやりたいなぁと思う。
外の海に出るのはとても不安だ。
そのほとんどの場合で、何も持ち帰ることができない。
二の足を踏んで当然だと思う。
だけど、この場所はもう長くない。
そんな板挟みに合っている人は決して少なくない。
キミもそうだろ?
僕は他人の人生の責任をとれないから、あまり偉そうなことは言えないけれど、たしかなことが2つある。
一つ目は「恥を殺して旗を振らないかぎり、同士は集まってこない」ということ、
そして二つ目は「外の海は一人では渡れない」
ということだ。
皆さんの挑戦が続くことを本気で願っています。
コロナが明けたらCANDYで呑んでおりますので、また話を聞かせてください。
その際はハイボールを奢ってください。
ウイスキーは『ジャック・ダニエル』が嬉しいです。
それでは、素敵な日曜日を!
 
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