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2021年09月18日のエンタメ研究所の過去記事

9月18日(土) ※9月20日以降は『いいね』を押さないでください。
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おはようございます。
「都内でサルが見つかった」というニュースを見て、いろいろ画像検索をしていると、虫取りアミ(みたいなアミ)でサルを追いかけているお巡りさんの画像が出ててきて、追いかけているお巡りさんも「上司から言われたからやってるけど、コレ(虫取りアミ)じゃ、サルは捕まえられないよなぁ」と思いながらやっているだろうなぁと思ったキングコング西野です。
さて。
今日は『新人教育』について、お話ししたいと思いますよ。
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▼ スタッフが一番大事!
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人が会社(チーム)を動かしている以上、会社(チーム)が“その会社に所属している人よりも大きくなること”はありません。
スタッフに店舗を任せるにしても、スタッフによっては、年間1億円を売り上げる店になることもあれば、1ヶ月で潰れてしまう場合もあります。
「会社」というのは「手段」であり、「車」みたいなもんですわ。
快適に次の場所に連れていってくれる場合もあるし、事故に遭う場合もある。
すべては、ドライバー(運転手)次第です。
なので、スタッフの教育というのは、ものすごーく大切なのですが、いろんな会社(チーム)を見ていると、「そもそも教え方が分からない」という上司を目にします。
なので、今日は(上司目線で)そんな話をしたいと思うのですが…
まずは、【教えられること】と【教えられないこと】を自分の中でも決めた方がいいのかなぁと思います。
上司が部下に教えられることは、「仕事とは手足を動かすことではなくて、価値を生むこと」ということと(※これは以前お話ししましたね)、『普遍的な地雷』と『直近のデータ』ぐらいだと思います。
『普遍的な地雷』というのは、「時代が変わろうが、変わらない事故パターン」です。
まぁ、要するに、「そのスピードで、あのコーナーに入ったら、曲がりきれずに、死ぬよ」といったような。
具体的な例でいうと「土地が紐づいた商売を始める時は、近隣住民(近くのお店)への根回し(挨拶)を入念にやっておかないと、半永久的に嫌がらせをされる場合があるよ。そこは『理屈』じゃなくて『感情』が引き起こしている悪さだから、近隣の方々の気持ちを安く見積もるなよ」みたいな。
こういったことは5年後も10年後も変わらないので、教えられると思います。
あとは『直近のデータ』も教えられる。
「昨日、これをやったら、これぐらいの結果が出たよ」といった。
一方で、10年前のデータは教えたところで、何の参考にもならない。
なので、「俺が若い頃は○○をしたんだから、お前も○○をしろ!」は、取り下げた方がいいと思います。
次に、【教えられないこと】ですが、これは大きく一まとめにすると(例外もありますが)『成功する方法』だと思います。
MBA(経営学修士)の資格を持った起業家が軒並み失敗しているのが全てだと思うのですが、「このとおりにやれば上手くいくよ」が本当なのであれば、成功の価値は日に日に下がるわけですから、MBAは存在できません。
やっぱり、どこまでいっても失敗しちゃうので(ホラ、Googleとか死ぬほど失敗してんじゃん!)、上司は「確実に失敗する方法」を教えて、取り除いてやるぐらいしかできないのかなぁと思います。
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▼ 「最近の若い奴は大人しいから」なんて糞ジジイみたいなことを言うな
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10月に渋谷でオープンする『CHIMNEY COFFEE』は、聞けば『JOURNAL STANDARD』さんとコラボする形で、お店の制服を作るそうです。
代表を務める山邊は25歳で、たぶん「最近の若い奴」に分類されると思うのですが、最近はなんか「渋谷を獲って、その後、世界展開する」とか言っています。
『JOURNAL STANDARD』さんとのコラボも、事後報告です。
ファミリーミュージカル『えんとつ町のプペル』を作っている『CHIMNEY TOWN USA』代表の瀬戸は23歳。
同じく「最近の若い奴」に分類されますが、先日、ブロードウェイに飛んで、劇場の交渉をしていました。
来年からはニューヨークに住むそうです。
僕が知っている「最近の若い奴」は、まるで大人しくなくて、当時の僕よりも大きなスケールで動いているように思います。
ただ、CHIMNEYTOWNに来た時から、そのスケール観で動いていたかというとそんなことはなくて、“なんか知らねーけどデレデレ笑っている普通の大学生”でした。
今、彼らが持ち合わせている野望は先天的なものではなく、後天的なものである…という話です。
「最近の若い奴は大人しい」と言うが、「最近の若い奴を大人しくさせたのは誰だよ?」という話だと思っていて、挑戦すれば笑われて、失敗すれば怒られる環境では、大人しくならざるをえません。
挑戦には失敗は付き物で、失敗したくなけらば、挑戦しないのが一番です。
だけど、挑戦することを要求し、チームの中に「挑戦する者を笑う者」がいることを許し、失敗すれば怒る。
これは大いなる矛盾で、上司の耳元で大声で言いたいのは、「失敗を怒るのは、お前がリカバリーできねーからだろ? お前が圧倒的に強けりゃ、若手は挑戦できるんだよ」です。
やっぱり、どこまでいっても後輩(部下)は自分の写し鏡で、「後輩のスケール観を決めるのは自分である」ということを忘れてはいけないと思います。
ただ、【叱るところ】はキチンと叱った方がいいと思います。
まず、「遅い」は論外ですね。
若手から「速さ」を取ると何も残らないので、大人しく学校か、ママのいる自宅に戻ってもらってください。
その上で…
「失敗」は叱ってはいけません。
挑戦しなくなるから。
しかし、「同じ失敗」は叱った方がいい。
「失敗したこと」を叱るのではなくて、「『失敗するシステム』を改善しなかったこと」を叱る。
あとは、
技術や知識やセンスは最初は持ち合わせていなくて当然なので無闇やたらに叱ってはいけなくて、
ただ、
「明るく努める」は経験が必要ないので、これをしていないスタッフ(シンプルにサボっているスタッフ)に対しては、「目の前にいる人間にすら優しくできないヤツが、エンターテイメント(サービス)を作れると思うか?」と聞いた方がいい。
【教えられること】
【教えられないこと】
【後輩の成長を願う自分がやらなくちゃいけないこと】
【叱っちゃいけないこと】
【叱らなきゃいけないこと】
…このあたりを整理しておくといいかもしれません。
現場からは以上でーす。
 
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