西野亮廣のエンタメsalon

西野亮廣エンタメ研究所の過去記事を中心にアップしてます

2021年11月01日のエンタメ研究所の過去記事

おはようございます。
映画の舞台挨拶のコスプレで使用したスコップ(えんとつ町のプペルの登場人物)の巨大な衣装を風呂敷で包みながら、「スコップの衣装を風呂敷で包むコツを覚えたわ」と誇らしげに言ってきた田村Pに対して、「その能力、今日以外、どこで使うねん」と思ったキングコング西野です。
 
さて。
今日は『資産を眠らせるな』というテーマでお話ししたいと思います。
複数の仕事を掛け持つ人が陥りがちな穴の話です。
 
 

ミッションは成功
 
昨日は、『映画 えんとつ町のプペル』の舞台挨拶がありました。
 
今回の再上映のザックリとした結果(数字)に関しては、今朝のVoicyでお話しさせていただきましたが、より詳しい数字を知りたい方はコチラのサイトをご覧ください↓

『興業収入を見守りたい!』
https://mimorin2014.blog.fc2.com/blog-entry-39188.html?sp

上映館数や上映回数から見ると、今回の『映画 えんとつ町のプペル』の再上映が、いかに大きなインパクトだったかが分かります。
 
今回は良い結果が出ましたが、これが文化になるか否かは来年以降にかかっていて、とりあえず「来年に繋げる」というミッションはクリアできたような気がします。
 
それはそれで丁寧に進めるとして、ここ(サロン)では、次の話をしたいと思います。
 
 

僕は間違っていた
 
昨日の舞台挨拶では、ファミリーミュージカル『えんとつ町のプペル』に出てくるスコップ(オリラジ藤森君)の衣装を借りて、登壇しました。
#ミュージカル本番の衣装には付けっ鼻やら何やらが追加されます
 
スコップの衣装を着てステージに登場したとたん、客席が沸いたのですが、言ってしまえば「衣装を着ただけ」で、とくに何かパフォーマンスをしたわけでもありません。
 
それでも、衣装のクオリティーがベラボーに高いから、客席のボルテージが上がったわけですが……盛り上がっている客席を見て、黒西野が脳内でゲス算盤をはじき、自分に問いかけます。
 
「舞台挨拶の予算(広告費)だけで、これだけの盛り上りを作れただろうか?」
 
答えはもちろん「NO」で、『作り込まれた衣装』というのは、皆さんが思っているよりもお高いんです。
 
あとで、最後に添付した画像(西野がスコップのコスプレをしているところ)を見ていただきたいのですが、こういう(ミュージカルの)衣装は、踊れるようにメチャクチャ軽い素材で作られています。
 
「鉄」のようなパーツも、実際はメチャクチャ軽くて、「鉄」に見えるように、あの手この手で工夫されているんですね。
 
僕が描いたらイラストを、日本トップの衣装チームが忠実に再現してくれました。
もちろん、耐久性もバッチリ。
 
キャストのテンションが上がるように、キャストにしか見えない場所に『SCOOP』というネームも彫られています。
#遊び心もバッチリだぜ
 
こんなものが、「たった1日の舞台挨拶の予算」で作れるハズもありません。
 
つまり、「ミュージカルを作っていたから、舞台挨拶のクオリティー(お客さん満足度)が上がった」というわけですね。
 
このへんは「ミュージカルの宣伝にもなるし」みたいな感じで、「ミュージカル / 舞台挨拶」の国境線をサクッと越えられたのですが、「ミュージカル / 歌舞伎」は、そうはいきません。
 
「やっぱり、ミュージカルと歌舞伎は、まったく別のモノを作らなきゃいけない。衣装を使い回すなんて、もってのほか」……と思っていたのですが、先日、『スナック西野』にゲストで来られた市川海老蔵さんから、「ミュージカルで作ったネタ、ひととおり全部ください」と、真っ直ぐな目で言われて、煙が晴れました。
 
「使いまわしはいけない」と思っていたのですが、各作品(各メディア)で、すべてゼロから作っていたら、それこそ他作品との差別化を図れないわけで、絵本の素材を映画に使いまわし、映画の素材をミュージカルに使いまわし(※実際に映画用に制作した楽曲を使用したりします)、そうやって『えんとつ町のプペル』があります。
 
にも関わらず、「ミュージカルのネタを歌舞伎に使いまわすのはチョット…」と思っていた西野。
 
何がブレーキをかけていたのかを考えてみたのですが、おそらくは「ジャンルの近さ(※どちらも舞台作品)」と、「スタッフの目」だと思います。
 
「あの衣装を、こっちの作品でも使うんだ…」という、ある種のガッカリを生んでしまうのではないか?……と勝手に考えてしまっていたんですね。
 
でもでも、よくよく考えてみると、順番がミュージカルが先だっただけの話で、たとえば1月の歌舞伎用(プペル用)に開発した舞台装置などをみたミュージカルスタッフは、「あの舞台装置、借りれませんかね?」と普通に言ってくると思います。
 
そういった、本来であれば『眠らせていた資産』を共有できることこそが、多ジャンル展開できる作品の強みで、海老蔵さんの言葉を受けた直後、「ミュージカルと歌舞伎はキッチリと分けなきゃダメだ!」と考えていた西野亮廣を秒殺してやりました。
 
そんなこんなで、まだゴッリゴリに内緒ですが、新作歌舞伎『プペル ~天明の護美人間~』の記者会見は、会社やホテルなどではなく、ファミリーミュージカル『えんとつ町のプペル』のステージセットの中でやってやろうかと企んでおります。
 
「ウン千万円かけた会見場」は、これまで誰も見たことがないと思うので、ニュースを見たお客さんは勿論のこと、会見に足を運んでくださる記者さんやカメラマンさんにも楽しんでいただけると思います。
 
あと、ドサクサに紛れて、ファミリーミュージカル『えんとつ町のプペル』の宣伝もできます(笑)。
#二毛作
 
こうなってくると面白いのが、「脚本の書き方が少し変わってくる」というところです。
 
脚本執筆の段階で、ミュージカルにも、歌舞伎にも使えるアイテムを出しておけば、ミュージカルの予算と歌舞伎の予算で、そのアイテムを割り勘できるわけで、そのアイテムのクオリティーをベラボーにあげることができます。
 
映画とミュージカルと歌舞伎という全ての作品の「原作・脚本」を担当しておいて良かったなぁと思う今日この頃です。
 
そんなこんなで、今日はこれから歌舞伎の脚本を書きます。
来年1月のスケジュールは空けておいてね。
 
現場からは以上でーーーす。

 

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