西野亮廣のエンタメsalon

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2022年01月20日のエンタメ研究所の過去記事

おはようございます。
今朝、公園をジョギングをしていたら、幼稚園児から「おい、プペル!」と声をかけられ、その幼稚園児が東野幸治に見えたキングコング西野です。
#西野だよ

さて。
今日は、「変化の時代は『信用』を積んでいないと終わる」というテーマでお話ししたいと思います。

「驚きの裏技」や「抜け道」の話ではなく、今の時代を生き抜く為に、当たり前に持ち合わせておかなくちゃいけない「すでに皆が知っているコト(だけど安く見積もっているコト)」について、事件現場からお届けします。

 

プペル歌舞伎千秋楽、公演中止。そして…
 
すでに、お聞きになられていると思いますが、新作歌舞伎『プペル ~天明の護美人間~』の公演関係者にコロナ陽性者が確認された為、本日の大千秋楽(昼12時開演)が、公演中止となりました。

(※詳しくはコチラ↓)
https://ameblo.jp/nishino-akihiro/entry-12722264674.html

昨日の朝の時点で、公演関係者の中から体調不良が確認されて、昨日の公演は中止。
接触の可能性があるメンバー全員がPCR検査を受けて、「陰性」の確認がとれたら、千秋楽をおこなえる可能性もあったのですが、残念ながら叶わず、昨日の深夜に公演中止が決まりました。

当然、世界のNISHINOですから、このままで終わらせるハズがなく、「公演中止は仕方がないので(※安全第一!)、それはそれとして……さて、どうやって、この状況を逆手にとります?」と考えます。

今、チームが背負っているリスクは3つで…

① 陽性反応が出たメンバーが責任を感じてしまう。
② 「チケット払い戻し」による予算問題。
③ 後味の悪い思い出になってしまう。

…といったところ。
逆手にとらないことには、この3つのハードパンチを食らってしまうわけですね。

背負った傷を帳消しにすることはできませんが(※ぼたんチャン&勸玄君が泣いちゃったんだって)、上手くやれば軽減することはできそうです。

となると、目的は「変な形の千秋楽だったけども、結構盛り上がったし、売上もまぁまぁ出たよ」がゴールだと思ったので、「キンコン西野が公演中止になった舞台セットに立って『プペル ~天明の護美人間~』のストーリーを全部喋る会」といオンライン配信イベントを急遽開催することが決定しました。

昨日の深夜はプペルバレエの会議が2時頃まで入っていたので、オンライン配信が本決まりになったのは、その後です。

さて。
今日の話はここからです。

 

思いつくことぐらい誰でもできるけど…
 
この話は今日の尾原さんのオンラインサロン(https://salon.jp/obara)で詳しく解説されていたので、興味がある方は是非チェックしていただきたいのですが……

「昨日の深夜2時に決定して、本日の12時に新橋演舞場の舞台上から生配信をする」とサラッと言っていますが、これ基本的には不可能なんです。

松竹さんが運営で入っている歌舞伎公演の千秋楽の舞台を使って生配信をするんだったら、もっと前もって、方々に許可をとらないと無理なんです。

その日に思いついて、その日にやっちゃえるほど、歌舞伎界の壁は低くないんです。
なんてったって、400年の歴史です。

「こうすればいいんじゃね?」と思いつく人は山ほどいるでしょうし、実際に行動に移す人もいるでしょうが…アイデアがあって、行動力があっても、突破できない壁があるんです。

「内容を打ち合わせずに、お前に任せて、もし変なことになっちゃったら(※お客さんの不満が生まれるようなことになっちゃったら)、どうするんだよ?」という分厚い壁がある。
「歌舞伎の壁」ともなると、『進撃の巨人の壁』クラスの壁になります。

これを突破するには、もう『信用』しかないんですね。

「どうなるか分からないけど、お前なら下手なことはしないだろう」という。
そして、この信用は一朝一夕では獲得することはできなくて、膝を付き合わせて、コミュニケーションをとり続けて、細かい結果を出し続けることで、ようやく滲み出てくるものです。

今回は、僕の信用もあったでしょうが、僕と、松竹さんや偉い人達との間に入ってくれた(毎日稽古場や劇場に足を運んで、コミュニケーションをとり続けてくれた)田村有樹子の信用も確実に作用していて、彼女無しには、今回の一手は打てなかったと思います。
#今度なんか奢ります

本来、「変化の時代」の変化は『テクノロジー』を指すことが多いですが、こと日本においては、「科学的なデータに基づかないコロナ対策」によって、謎のルール変更が毎日おこなわれていて、僕らはその渦中にいます。

臨機応変に打ち手を変えていかなくちゃいけないのですが、その時に必要なのは、『知識』と『ユーモア』と『行動力』とあと一つ、『信用』です。

日頃、『信用』を積み重ねておかないと、「策も機動力もあるのに、動けない」ということがザラにありますので、今回のアクションに対して、「よく思いついた」や「行動力が凄い」で片付けてしまわないことが、これからの時代を生きていく上で、とってもとっても大切だと思います。

そんなこんなで、新橋演舞場に行ってまいります。
一人で千秋楽です。

逆転満塁ホームランを打ちますので、お楽しみに。

 

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