西野亮廣のエンタメsalon

西野亮廣エンタメ研究所の過去記事を中心にアップしてます

2022年01月22日のエンタメ研究所の過去記事

おはようございます。
ホテルの部屋にいたら、係の人が入ってきて、「大切な話があるので、別室にお越しください」と言われ、「何か分からないけど、絶対に怒られるやつじゃん!」と叫ぶ夢を見たキングコング西野です。
#この夢の設定考えてるヤツ 、誰?

さて。
今日は『相場から外れる』というテーマでお話ししたいと思います。
去年11月に日本武道館で講演した『生き延びる為のVIP戦略』と似ているようで、ちょっとだけ違う話です。

宜しくどうぞ。

 

「値段」って、どうやって決まるの?

モノの値段は「需要」と「供給」で決まると言われています。

供給量に対して、需要が足りていなかったら値段は下がりますし、需要が大幅にオーバーしていたら(品薄状態)、値段は上がります。

コロナ禍の初期に転売ヤーによって『マスク』が高値で売られていたことは記憶に新しいですね。

VIP戦略(ラグジュアリー戦略)でも、「売る為に広告費を支払うのではなく、買えない人を増やす為に広告費を支払う」という打ち手がとられることがあって『値段』というのは実に面白いです。

ただ、エンタメやアートの世界に身を置いていると、「需要」と「供給」だけで値段が決まらない場面によく出くわします。

最もイメージしやすいところでいうと「応援」ですね。
物語を販売しているエンタメやアートの世界では、「応援代」が追加されることがあります。

先日の「キンコン西野が公演中止になった舞台セットに立って『プペル ~天明の護美人間~』のストーリーを全部喋る会議」では、オンライン配信チケットだというのに、一人で5枚や10枚購入してくださる方がいました。
100枚購入してくださる方も!

▼配信チケットはコチラ→https://peatix.com/event/3141331

これは、もちろん西野にマンマと騙されているわけではなくて(笑)、応援している表現者や文化を守る為に(チップ的に)支払われたお金です。

オンライン配信チケットは「800円」で、オンライン配信なので供給量は「無限」なのですが、値段が下がるどころか、自ら「8000円」を支払ってくださるお客様がいて……この世界線は明らかに「需要」と「供給」だけで値段が決まっていません。

一般的なサービスでも(※飲食店等でも)、「応援される人になる」というのが、メチャクチャ重要で……あなたが「応援される人になる努力」を放棄した瞬間に、あなたの商品は“「需要」と「供給」だけ”で値段が決まってしまいます。

よく言われる「コミュニティーが大事だよ」というのは、このあたりの話ですね。

さて。
話はココからです。

 

相場がない

モノの値段というのは、「需要」や「供給」や、ときどき「応援」によって決まるわけですが、「それだけじゃないよね」というのが今日の話です。

今朝のVoicyでも取り上げましたが、けんすうサン(アル)が仕掛ける新サービス『Hello Master Piece(ハローマスターピース)』がスタートしました。

※コチラ→https://www.hellomasterpiece.com/

お友達の誕生日プレゼントに贈る似顔絵などの制作をプロのイラストレーターさんにサクッと発注できるサービスなのですが…ここに参加されているイラストレーターさんの「売り方」が実に面白いです。

たとえば『お友達の似顔絵を描きます=1万5000円』だったら、「高っ!」となりませんか?
あるいは「ものすごく人気のイラストレーターさんなの?」とか思いません?

一方で『まるで漫画やアニメの主人公として異能力者になっているような姿の似顔絵を描きます=1万5000円』だと、「なんか、そういうプレゼントも面白いかも…」となり、値段のことをスッ飛ばしてしまう。

もしかすると、似顔絵制作にかける労力は同じか、下手すると、「まるで漫画やアニメの主人公として異能力者になっているような姿の似顔絵」の方が低コストで済む場合もあるかもしれません。

なのに、前者は「高っ!」となり、後者には値段に対するアレルギーが起きていない。

これは「相場があるもの」と「相場がないもの」の違いで、シンプルな似顔絵って、やっぱり『相場』があるんです。
2000~3000円といったところでしょうか。
#ショッピングモールとかで見かけるじゃん

一方で、「まるで漫画やアニメの主人公として異能力者になっているような姿の似顔絵」には『相場』がない。
「異能力者にするコスト」の想像がつかないので、「1万5000円です」と言われると、「そうなのかな」となってしまう。

このように、「(コストの想像がつかない)一ネタを加えるだけで、相場の外側に行くことができる」というのは、何もイラストレーターさんだけが使える技じゃないので、一応、選択肢として持っておいた方がいいと思います。

人口が減っていく国で、相場内でサービスをしていたら、売上が落ちていくことは決定しているので、ここらへんは意識していきたいところです。
現場からは以上です。

【追伸】
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