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2020年10月02日のエンタメ研究所の過去記事

10月2日(金) ※10月4日以降は『いいね』を押さないでください。
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おはようございます。
「好きの反対は無関心ですから」とドヤ顔で言う人に対して、「何を、お前が考えた言葉みたいに言うとんねん」と思っているキングコング西野です。
さて。
今日は、どうやら昨日の話の続きになりますので、昨日の記事を読まれていない方は、先にそちらをお読みください。
『映画のロングラン上映』についてです。
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▼ 映画ならではの価値は何だ?
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これまで、いろんなところで話しましたが、『絵本』の価値はいろいろあります。
①絵やストーリーを読める「情報」としての価値
②部屋に飾れる「インテリア」としての価値
③親子の読み聞かせに使われる「コミュニケーションツール」としての価値
④子供達に贈られる「ギフト」としての価値
…などなど。
こうして絵本の価値を細分化して絵本を捉えておかないと、絵本『えんとつ町のプペル』の
全ページ無料公開に対して、「絵本を無料にしやがった!ムキーっ!」となっちゃいます。
ただ、実際問題、ネットでの無料公開で無料になったのは①の「情報」だけで、②③④は変わらず有料です。
絵本の価値を細分化できていないクリエイターには「絵本の無料公開」が理解できません。
つまり、その手を打つことができません。
このようにサービス(作品・商品)は、そこに含まれている価値を全て洗い出して、整理しておく必要があります。
映画『えんとつ町のプペル』の制作に入る時もそう。
まずは「映画の価値」を割り出しました。
「映画の価値」を割り出し、そこを押し出すように作れば、テレビで放送された後も(=物語の内容が知られた後も)、映画館に足を運んでもらえるからです。
何十年も本屋さんに平積みされることを目標に活動している絵本作家ですから、もともと、映画の上映期間に「締め切り」があることに疑問を持っていたわけですね。
大切なのは「映画館で観たい作品」にすることなので、「映画ならではの価値」を割り出し、そこを前面に押し出すことにしました。
たとえば「音楽」
テレビやスマホだと、あんな爆音は流せません。
音楽のLIVEに行ったことがない人の中には、映画『君の名は。』のギターやベースの音に驚いた人もいるかもしれません。
あの音圧は、テレビやスマホのスピーカーからは出せないので。
なので、映画音楽を作るときは「映画館映えする楽器」を使うことも重要になってくるなぁと思って、映画『えんとつ町のプペル』の音楽制作を進めております。
あとは「首の動き(視点の移動距離)」ですね。
テレビやスマホは画面が小さいので、視点が大きく移動することはありません。
ところが映画館のスクリーンは、あのサイズですから、見所を大きく動かせば、それに合わせて視点が動きます。
上手くやれば首の角度を動かすこともできて、お客さんの顔を上向きにすることができれば、お客さんが広角を上げる時に筋肉が重力に逆らわなくて済むので、笑顔になるまでのコストが少なくてすみます(笑顔になりやすいです)。
これは、テレビやスマホでは再現できない部分です。
「映画の価値」を片っ端から割り出して、こういった仕掛けを他にもどんどんブチ込んでいくと、どんどん「映画館で観たい作品」に近づいていきます。
そうすると、テレビ放送された後も、映画館で上映しやすくなります(※イベントとして映画館に集客しやすくなります)。
映画『えんとつ町のプペル』に仕込んだ「映画ならではの価値」を挙げていけばキリがないので、この辺にしておきますが、一つ。
やっぱり「映画ならではの価値」の1等賞は、『お客さん』です。
「同じ趣味をもった大勢の人と、同じ空間で、一つのものを観る」という体験は、テレビやスマホにはできません。
ここは、もっともっと掘り下げるべきだと思っていて、これって、あと一押しすれば、「共通言語を持つ人とのコミュニケーション」を生めるわけじゃないですか?
その瞬間、映画というサービスが提供しているコンテンツが『映像』に加えて、『コミュニケーション』になるので、リピート率は確実に上がります。
「スナック」と同じ理屈で、「お客さんとの出会い」にお金を払っている。
ここは絶対に深堀りするポイントだと思うので、映画『えんとつ町のプペル』は、各県人会で上映館を共有し、映画を見終わった後の二次会の場所も各県人会で共有するつもりです。
「あの店に行くと、映画『えんとつ町のプペル』を観終わったお客さんが集まってるよ」といった感じで。
これをやると、初対面の人同士で「次は一緒に観に行きましょう」という流れが生まれる。
映画は『コミュニケーション』も販売した方が絶対に絶対に絶対にイイと思っているキングコング西野です。
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▼ そして……
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昨日の記事を投稿した後、東宝さんと話し合いをして、キングコング西野が映画『えんとつ町のプペル』を引っさげて、毎週末、全国どこかの映画館で舞台挨拶をする話をまとめました。
映画『えんとつ町のプペル』は10年ぐらい上映してやろうと思っております。本気です。
舞台挨拶をした後、映画を上映し、上映中に楽屋で仕事をして、上映後に再びステージで挨拶。
それが終われば、その映画館から一番近い本屋さんで、絵本のサイン会を開催して、ドサクサに紛れて、地元の本屋さんの応援ができればいい。
その夜、その地域のサロンメンバーさんと飲み会をすれば、「舞台挨拶の全国行脚」は、三毛作になるので無理なく続けられそうです。
そうそう。
映画公開初日(12月25日)の夜に、映画を観た人にしか分からない「映画『えんとつ町のプペル』のストーリーの裏話をする生配信」をしようと思うので、12月25日は映画館に行くスケジュールを今のうちから押さえておいてください。
とりあえず、やるべきことをキチンとやった上で、誰もやったことがないことも全力でやりきります。
現場からは以上でーす!
【追伸】
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